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『ドラッグと刑罰なき統制――不可視化する犯罪の社会学』

本田 宏治 20110225 生活書院,296p.

last update:20110625

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■本田 宏治 20110225 『ドラッグと刑罰なき統制――不可視化する犯罪の社会学』,生活書院,296p. ISBN-10:4903690695 ISBN-13:978-4903690-698 \3150 [amazon][kinokuniya] ※ c01 c0106

■内容

内容(「BOOK」データベースより)
結論から言えば、日本のドラッグ問題は深刻である。しかし、その深刻な状況は、法的秩序が関知しない地帯で生じている。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
本田 宏治
1976年生まれ。2008年立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。専門社会調査士。龍谷大学矯正・保護研究センター博士研究員を経て、現在、日本学術振興会特別研究員PD。専攻は社会病理学、臨床社会学、犯罪社会学、家族社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

序章
問題の在り処について
本書の構成

第1部 諸外国と日本
 第1章 米国のドラッグ政策──ドラッグ・アディクションからの「回復」をめぐる治療プログラムの版図から
  1 はじめに
  2 「回復」をめぐる観念について
  3 12ステップとオルタナティヴ・リカバリー
   3-1 12ステップ
   3-2 オルタナティヴ・リカバリー
  4 12ステップとオルタナティヴ・リカバリーの対立点
  5 ドラッグ・コートにみる治療プログラムの版図について
  6 おわりに
 第2章 ドラッグ使用者を「数え上げ」、「飼いならす」ドラッグ政策──ハーム・リダクション政策の権力構造について
  1 はじめに
  2 ハーム・リダクション政策におけるドラッグ使用者の主体像について
  3 ハーム・リダクション政策の成立経緯
  4 ハーム・リダクション政策の主要戦略
   4-1 注射針交換プログラム
   4-2 メサドン療法
   4-3 ヘロイン処方
   4-4 薬物消費施設
  5 ハーム・リダクション政策における権力構造
  6 ドラッグ使用者を大量に〈数え上げ〉るということ
   6-1 〈数え上げ〉のテクノロジー
   6-2 ドラッグ使用者の「絞り込み」
   6-3 自発性にもとづく「誘い込み」
   6-4 秩序の先取り
  7 「関係性」という新たな「危険」
  8 おわりに
 第3章 日本のドラッグ政策と刑罰なき犯罪統制
  1 はじめに
  2 従来のドラッグ問題の言説
  3 日本のドラッグ問題の歴史と現状
   3-1 第一次流行期
   3-2 第二次流行期
   3-3 第三次流行期
  4 世界49ヵ国の薬物事犯受刑者数の動向
   4-1 薬物事犯の受刑者数(実数)
   4-2 薬物事犯の受刑者数(人口比)
   4-3 受刑者総数と薬物事犯受刑者数の横断比較
  5 国際比較にまつわる誤謬
  6 ドラッグ使用者を不可視化するテクノロジー
  7 〈閾下〉のテクノロジーについて
  8 おわりに
 第4章 被害者化する社会
  1 はじめに
  2 言語を通じた社会秩序の構図
  3 被害者化する社会と犠牲に供する人びと
  4 棄民政策としてのドラッグ政策
  5 おわりに──「家族」という犠牲者化困難な存在について

第2部 ドラッグ問題と私的領域
 第5章 私的領域における合理的な管理/統制の不可能性と「ドラッグ・アディクト」の構成
  1 はじめに
  2 公的領域を侵食する〈身体=アディクト〉──西欧・米国社会の情勢
   2-1 ドラッグなき社会を志向する米国社会の試みと挫折
   2-2 人工的に「危険」をつくり出すドラッグ政策とリスク社会
  3 私的領域に埋めこまれた日本のドラッグ問題
   3-1 織りなされる〈身体=アディクト〉と関係する〈身体=家族〉のリアリティ
   3-2 Aさんの出会いと調査に至るまでの経緯
  4 親から犯罪者の「親」になること
  5 「他者」への信頼の欠如と内閉化へ向かう問題
  6 私的領域に対する遠隔統治──「危険」の先取り
  7 公的領域に生きる夫と私的領域に生きる妻との葛藤
  8 おわりに
 第6章 わが子をドラッグ使用者として語り続けることへの逡巡
  1 はじめに
  2 日常生活に潜在する言語/言説の問題性
  3 公的な言葉への囚われとわが子への中傷/侮蔑
  4 収奪される言葉の回復と「病者」の言葉
  5 わが子を「病者」として語り続けることへの逡巡
  6 おわりに
 第7章 「親」たちの〈抗い〉とその難しさについて
  1 はじめに
  2 「病者」の言葉への〈抗い〉
  3 わが子に対する「突き放し」と「親」による「立ち去り」
   3-1 わが子への「突き放し」
   3-2 「親」による「立ち去り」
  4 おわりに

終章 「排除」や「包摂」から締め出される人びとの地帯へ

補遺:調査の概要
あとがき
文献

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志
UP:20110625 REV:
犯罪/刑罰 ◇犯罪/犯罪学  ◇身体×世界:関連書籍 2010-  ◇BOOK
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