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『つながりすぎた世界――インターネットが広げる「思考感染」にどう立ち向かうか』

Davidow William H. 2011 Overconnected: The Promise and Threat of the Internet,Levine Greenberg Literary Agency.
=20120419 酒井泰介訳,ダイヤモンド社,270p.

last update:20130112

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■Davidow William H.(ウィリアム・H・ダビドウ) 2011 Overconnected: The Promise and Threat of the Internet,Levine Greenberg Literary Agency.  =20120419 酒井泰介訳 『つながりすぎた世界――インターネットが広げる「思考感染」にどう立ち向かうか』,ダイヤモンド社,270p.  ISBN-10: 447801521X ISBN-13: 978-4478015216 \1800+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

 「情報のドミノ倒し」が社会を襲う。バブル、経済破綻、個人情報流出、政治動乱…。小さなきっかけが一国を揺るがす大問題へと発展しかねない 「史上もっともつながり合う世界」を私たちはどう生き抜くべきか。

 「インターネットというのは、便利なだけではない」――そう実感することはないだろうか。
 身近なところでは、最近になってもちらほら耳にするツイッターやブログの炎上事件。深刻なところでは、アイスランドのような一国経済の破綻。はたまた、 チュニジアから近隣諸国へ拡大した「アラブの春」。「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」を合言葉にニューヨークで起こったデモ活動。 これらの事柄に通底しているのは、フェイスブック等のソーシャルネットワーキングが情報の媒介として一役買ったという事実、 あるいはインターネットが瞬時に世界に情報を伝播したという事実だ。
 「世界がつながる」ということは、情報が瞬時に得られたり、文書を一気に回覧したり、 事件をリアルタイムで報道できたりといった便利さを手に入れることとひきかえに、 些細なできごとがきっかけとなって「地球規模の情報のドミノ倒し」が起こりかねない脆さをも同時に受け入れるということである。
 本書の著者ウィリアム・ダビドウは、30年以上の長きにわたりシリコンバレーを知るベンチャーキャピタリスト。インターネット時代の到来を特等席で目撃し、 「シリコンバレーの楽観主義者の常で、私も世界はますますよい方向へと向かっていると信じきっていた」と振り返る著者が、 私たちの社会の行く末に懸念を抱きはじめたのは2000年ごろのこと。リーマン・ショックにしろアイスランドの経済破綻にしろ、 そして今日もどこかで起こっている個人情報流出問題にしろ、インターネットがこれほど世界をつなげていなければ、 ひとつの問題がこれほど世界的に深刻なダメージを与えることはなかったはずだ。
 情報技術が可能にしてくれたこれほどの便利さを、私たちが手放すことはもうできない。であればこそ、そのメリットの裏に横たわる深刻なリスクを直視し、 「ではどうしたらよいのか」を考える必要があるのではないだろう。
 著者が本書の終盤で示す処方箋は主に3つ。つながりすぎた世界に効く方策は果たしてどれか? 答えを出すのはたやすくないが、本書をきっかけに、 このつながりすぎた世界とこの先どう付き合っていくかという問いに思いを致してみる必要があるはずだ。

■著者紹介

投資会社モール・ダビドウ・ベンチャーズ顧問。ダートマス大学、カリフォルニア工科大学、スタンフォードで電気工学を学んだ後、インテルに入社。 ヒューレット・パッカード、ゼネラル・エレクトリックを経て現職。IT業界の経営者およびベンチャーキャピタリストとして30年以上の経験を持つ。 著書に『ハイテク企業のマーケティング戦略』(ティービーエス・ブリタニカ)、『バーチャル・コーポレーション』(共著、徳間書店)がある。

■訳者紹介

翻訳者。訳書に『エンロン――内部告発者』、『株主資本主義の誤算』(小社)、『中国は21世紀の覇者となるか?』、『職場をしあわせにするウブントゥ』(早川書房)、 『なぜ政府は信頼できないのか』、『平等社会』(東洋経済新報社)、『追跡!――私の「ごみ」』、『「エコ罪びと」の告白』(NHK出版)などがある。

■目次

イントロダクション

第1章 蒸気機関に学ぶインターネットについての教訓
第2章 過剰結合と正のフィードバック
第3章 過剰結合――私たちを育み、くじくもの
第4章 増えつづける事故と思考感染
第5章 インターネットが生んだ“内なる幽霊”
第6章 インターネットの死角
第7章 アイスランドの金融危機〈1〉漁業から金融へ
第8章 アイスランドの金融危機〈2〉ネット銀行
第9章 正のフィードバックと金融バブル
第10章 サブプライム問題――インターネットが生んだ悲劇
第11章 変わりゆく産業の姿
第12章 盗まれるプライバシー
第13章 すべてはつながっている〈1〉政治、産業、都市
第14章 すべてはつながっている〈2〉送電、年金、神の見えざる手
第15章 ではどうする?〈1〉ブレーキをかける
第16章 ではどうする?〈2〉新たな環境に備えよ

原著あとがき
訳者あとがき
参考文献

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP: 20130112 REV:
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