『一刀斎、最後の戯言』
森 毅 著・福井 直秀 編 20101217 平凡社,224p.
last update:20120118
■森 毅 著・福井 直秀 編 20101217 『一刀斎、最後の戯言』,平凡社,224p. ISBN-10:4582834922 ISBN-13:978-4582834925 \1470 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
内容紹介
人生、ムダにこそ意味がある。肩肘張らない「気の利いた」表現を精選した名言集。最後の名物教授からのラストメッセージ。
「つまずき」という言葉を使うが、ぼくは嫌いだ。道が決まっているからつまずくと怪我をするのだ。つまずいて倒れ込んだ、そこが心の中の野原だったとしたら、寝そべったまましばらく風に吹かれて過ごせばいい。心の中に、こういう野原を持っているときっといいことがある。(本文より)
内容(「BOOK」データベースより)
肩肘張らない「気の利いた」表現を精選した名言集。最後の名物教授からのラストメッセージ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森 毅
1928年生まれ。東京大学理学部数学科卒業。1957年京都大学助教授、71年教授。最後の名物教授として多方面に活躍。91年、63歳で定年退官し、京都大学名誉教授に。晩年は自称「フリーター」の評論家・エッセイストとして独自の視点から発言を行い、分野を超えて多くの人に親しまれた。2010年7月、敗血症性ショックのため死去
福井 直秀
1949年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。京都大学教育学部助手などを経て、京都外国語大学外国語学部教授。京都大学非常勤講師。日本笑い学会京都支部・代表。専攻は日本近代思想史、教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき
T ドラマの中か、現実か?
1 こんな少年見たことない?
小さいときから老けていて
戦争を好かない中学生
傷つけてしまった苦さ――中学編
身についた生き方
「恋」の周辺
傷つけてしまった苦さ――高校編
戦争中の京都
2 東の旅――東大から北大へ
東大の変なところ
異郷の地でも異能を発揮
軟弱なだけじゃない――北大の助手時代
3 京大という劇場へ戻ってきて
失敗と成功はあざなえる縄のごとし
芸の披露――学生編
芸の披露――教師編
学生よ、頭を使え!
愛すべき同僚たち
一刀斎、敗れたり
自然流免許皆伝
4 学生運動と団交の時代
緊張感の中を枠に
つるされる度に甘くなる渋柿かな
団交にも原則があった
あちらを立てれば、こちらも立つ
ユニークな人々
森毅を変えた六九年
宴のあとで
自伝の原則
U 「論理」の周りの気分――おもちゃにもなる数学
数学の本質
ひっくり返すと、逆になるか、元に戻るか
論理ごっこ
日本的なもの
数学革新への強い意志
親近感の持てる「偉人」たち
シャレとしての数学
V 湧き出る提案は教師稼業のゆえ?
1 教育の価値を未来に置く
過去は水に流して
はっきりしないからいいのだ
2 異論の中にも落とし処――受け容れられそうな提案
少しだけ羽を広げよう
ことばの意味をつぶさに検証すれば
同じような人ばかり集まって面白い?
3 ことばの変な使われ方
一生懸命に「ユトリ」をもて
取り替えれば正しくなる
「正しさ」から身をかわす
4 ことばの変な使われ方
トンチンカンの永続革命
カンニングはそこらじゅうに転がっている
不自由になるための「自由化」
改革の結果
深い愛情がお望み?
時には、断固たる実行を
ムダにこそ意味がある
5 教育を遊びに
おちょくって、おちょくられて楽しみましょう
極悪人とも付き合う方法
幸運の女神からのメッセージ
6 測れるものとは何か――評価というやっかいなもの
様々なたとえ方
「断固」に断固反対
7 自分が大事――生徒・親たちへのメッセージ
貴重な「ハミダシ」さん
自分を決め付けないで
学校なんて軽く扱え
自分で背負いこめば納得
「ヨイこと」には、危険がいっぱい
子育てとは、親が学ぶことと見たり
家庭という文化の場
8 ざしきわらし――「異文化」としての子ども
分からなさの魅力
成長の場を管理しないで
9 わらわれてなんぼよ――教師という面白き存在
笑う門には
「イイコ」ぶらないで
遠山啓の至言
魅力的な教師たち
W 風貌は一刀斎、でも心は二刀流使いの二刀斎
1 マイナーな自分をいとおしく
自分の中の大切にしたいもの
自己の育つところ
なぜ人を殺してはいけないか
自分の位置を明確に
「マイナス」を組み込んで
2 二刀流の極意
一方を選んで両方に通ず
「一つだけ」は危険な道
羊のひとり言
移動するときに生まれるもの
ギャンブルのすすめ
社交主義宣言
物語は出来るだけ面白く
3 見える鎖、見えない鎖
戦争から学んだこと
国際化はこうでなくっちゃ
ハミダシ者が組織を保つ
4 笑って、笑われて
文化を清浄視したがる困った人たち
おしゃれに行こう――見聞編
おしゃれに行こう――発明編
楽しく生きるアイデア
京大育ちの京都論
大震災の後で
芸能人としての芸能評
究極の政治改革
社会が変わる
笑わせるより笑われる
あとがき
関連年表
主要著作一覧
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志