阪神大震災の下,ノーマライゼーションや共生の理念に反し,障害者は救済から阻害され「震災弱者」と化した.この状況下特筆すべき活動を行ってきた「被災地障害者センター」等の支援団体の活動を,障害者―支援者―周辺第三者の三者関係を焦点に調査・考察した本書は,社会学における相互行為論の具体的展開であるとともに,自助的自立の対極をなす「媒介を介しての自立」観を通じ,全ての自立と支援問題に対し大きな示唆となるに違いない.