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『大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル』

アカリク 20100920 亜紀書房, 221p.

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last update: 20150416

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■アカリク 20100920 『大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル』,亜紀書房,221p. ISBN-10: 4750510149 ISBN-13: 978-4750510149 \1680 [amazon][kinokuniya]

■内容

内容紹介
大学院生を積極的に採用する業界、キャリアプランを構築する方法、エントリーシート攻略法、大学院生ならではの面接アピールなど、就職活動に必要な心構えから情報、テクニックを徹底解説!

■目次

はじめに
I章 就職活動をする前に知っておきたいこと
II章 大学院生、ポストドクターのための就職情報マニュアル
II-1)就職活動に向けて準備しよう
II-2)就職に役立つ情報を集める・使う・活用する
II-3)行きたい業界・企業を研究する
II-4)合格に近づく書類の書き方
II-5)会社説明会に参加しよう
II-6)SPIテストを制する
II-7)押さえておきたい面接のポイント
II-8)内定獲得以降の流れ
II-9)文理・学歴別就職活動アドバイス

■引用

◆…世の中の多くの人にとって、大学院や大学院生は未知の存在です。…/また、現在、企業の要職を占める世代である40〜50代の人たちが学生の頃は、今ほど大学院進学率が高くなかったことから、大学院自体をよく知りません。…そのため、大学院生やポストドクター(PD)の就職活動では、大学院でどれだけ魅力的な経験(就業時に役立つ経験)をしてきたのかをアピールする必要があります。…大学院生の学習能力は高く、困難な課題にも物怖じせずに取り組むというよい面がありますが、そのよい点があまり理解されていない場合があります。/また、理解されないばかりか、世間の一部の人は、大学院生に対してマイナスイメージを持っていることがあります。具体例を挙げると、「頭はいいけれど腰が重くて行動力がない」、「研究以外には興味がない」、「やりたいことしかしない、マイペース」、「何の役に立つのか分からない研究をしていて理解できない」、「学部生に比べておとなしい人」というものです。…多くの元気な学部生に会っている人事担当者は、大学院生は学部生よりも年上でもあるので、「学部生プラスα」を持っているべきだと考えています。つまり、学部生が持っている元気さやフレッシュさ、謙虚さ、チャレンジ精神も兼ね備え、さらに大学院生ならではの強みを積極的に表現する必要があります。[2010:14-16]

◆@最下段の台形部分は「コア能力」(課題を設定する能力、課題解決能力、論理的思考能力、アウトプット能力、調査能力、評価能力、自己管理能力、粘り強さ)です。さまざまな事象に取り組んでいく上で重要な、最も応用のきく能力です。その上に、A「基礎的な教養」としての知識(たとえば科学的なものの見方、考え方、論旨の組み立て、データの取り方など)があります。この台形を土台の一部として、B「専門分野全般」に関する知識や能力があり、さらにその上のわずかな部分にC自身が実際に行っている「研究分野」に関する知識や能力、という三角形が乗っています。D三角形の頂点が自分の研究テーマというイメージで、大学院生が持っている能力の構成を描くことができます。…一番下の土台の部分、様々な事象への理解や取り組みを支えるコア能力こそが、社会に出て行く上で最も重要であると考えられます。[2010:17-18]

◆大学院生は、実験や調査をしながら問題設定をし、その問題に対して自らの頭で考え、体を動かして調査を行い、最終的にアウトプット(ゼミ、学会での発表、論文執筆など)をするという一連のプロセスを繰り返し行っています。/この過程で鍛えられたコア能力は、他のさまざまな分野で役立ちます。…/コア能力は…様々な事象を判断しつつ応用して、発想することが求められる非定型の仕事、マニュアルを生み出す仕事で発揮されます。…今の時代は、5年後の社会状況がどうなっているのか予想できません。そのような状況でも、様々な事象を自分なりに解釈し、論理的に仮説検証を行う姿勢が身についていれば、時代に流されず、主体的に自分の進むべき道を選択することも可能です。…自身のこうしたコア能力、いわば専門能力の土台部分を活かすことのできるフィールドを、自分の特徴やスキルと合わせて幅広い視点から探すことが重要です。[2010:19-20]

◆採用選考の大前提は「一緒に働きたいと思える人物か」を見極めることだとよく言われますが、一緒に働きたいかどうかを判断する指標を挙げてみましょう。
1.期待する仕事を遂行する経験・能力を持っているか
2.社内の人材ニーズを満たすか
3.仕事内容を理解し、この会社で働くイメージを具体的に持っているか
4.組織の中で「担当」「役割」を任せられる責任感があるか
5.すぐに辞めず、信頼に足りる人間かどうか
6.人柄がよいか
7.心身ともに健康であるか、体力があるか[2010:32]

◆…就職をする際に選べるキャリアは一つです。自分自身の価値判断、判断基準に照らし合わせ、どのような環境で働きたいか、どのように自分を伸ばしていきたいか、どのような場面でやりがいや達成感を感じるのか、ということをしっかり把握していなければなりません。/…優先順位をつけて選択をしていかなくてはならないのです。整理された自分自身の価値基準、判断基準を根拠として志望動機を話すことができれば、面接時にこれほど説得力のあるものはありません。[2010:34]

◆…仕事を選ぶ上で就職先の企業について充分に知ることが重要です。[2010:34]

◆企業への応募に際しては、応募先企業の募集職種において、どのような志向性の人が求められているか、という視点が重要となります。…企業の採用活動は…基本的には、計画的に決められた「求める人物」に出会うための活動だということを認識しておきましょう。[2010:36]

◆どんなに能力と就業意欲が高くても、面接や応募書類を通して自分自身を伝える際に、例えば100ある能力のうち20しか伝えることができなければ、相手には20としか判断できません。…就職活動では自分自身の能力や意欲を的確に表現して、相手にしっかりと売り込む必要があります。[2010:37]

◆…就職活動に限らず、大学院生(特に博士)であれば自分の名刺を作り、常に持ち歩くことをおすすめします。思わぬ縁が就職に結びつくということがあるからです。名刺を交換できれば、相手に自分の情報を渡せると同時に、相手の名前や連絡先も手に入れることができます。初対面の人とその場限りの関係にならず、その後も連絡を取ることが可能になります。/名刺には所属の大学や専攻名の他、自分の研究テーマや専門のキーワードを添えたり、関連する写真やイラストを入れるなどの工夫ができます。…すぐに取り出せるよう、名刺ケースに入れて携帯しましょう。[2010:88]

◆履歴書やエントリーシートに添付する写真は、あなた自身の事をノンバーバルとして表現します。企業の採用担当者は、写真からあなたの第一印象を判断します。…文字よりも写真(容姿)は多くを語ります。/履歴書やエントリーシートに添付する写真は、受験やアルバイトなどに利用した余りや使いまわしではなく、新たに用意しましょう。必ずスーツを着用し、胸から上がくっきり映った写真が基本です。…写真館で就職活動用の証明写真と指定して撮ってもらうのがベストです。プロに頼めば、襟、髪形、メイク、表情にまで的確なアドバイスがもらえますし、撮影後、画像に修正を加えてもらって好印象の写真を仕上げることができます。あとで焼き増しを頼むこともできる上、最近では紙媒体の写真の他に、デジタルデータをもらえるところもあります。多少の出費になっても価値があります。写真館に行く前に表情の練習をして、どのような見え方がいいかを研究しておきましょう。/…就職活動で使う証明写真は…印象よく撮ることが重要です。表情は真顔ではなく、口角をあげてわずかにほほ笑むようにし、ぼんやりとした印象にならないよう、しっかりと目を開いてやる気や若さを印象づけられる表情を演出します。/疲れのある日や、体調のすぐれない時にギリギリで用意しようとすると、いい表情の写真は撮れません。余裕を持って準備しておきましょう。[2010:88-89]

◆大学院生・ポストドクターの就職活動において、人脈を活用することは非常に重要です。特にポストドクターで30歳を過ぎた人は、人脈を活用しての就職の重要性が増します。就職情報サイトの求人のみをターゲットにしていては、自分自身の特殊性を活かせる求人は限られてしまいます。面接で「人物」を見てもらう以前に書類で落ちてしまう可能性も高いでしょう。/現在、博士となっている多くの人は、先生や研究室のメンバーとしか交流がないことも多いと思いますが、これでは人脈の構築にはつながりません。/自身の研究室のOB・OGに就職の相談をしたり、学会やシンポジウム、地域の方々が集う交流会などで知り合った人を頼るなど、人脈を活用してみましょう。…研究室や研究関連の人脈だけでは、就職に関する満足な情報を得ることができません。それ以外の人とのつながりを強くするためには、「話を聞かせて」と様々な人に積極的に訪ねていくしかありません。/その後、きちんと礼状を出し、定期的に近況報告を心がけましょう。[2010:107-108]

◆企業の事業内容や規模、財務状況といった基本情報は、その企業まで足を運ばなくても得られます。ホームページを開設している企業であればそこから、就職活動・求人サイトなどに掲載している企業であればそのページから見ることができるでしょう。『就職四季報』(東洋経済新報社)や雑誌、新聞も活用できます。/企業訪問や説明会、企業の人に話を伺う際には、予め「事前に得られる基本的な情報」を収集、整理しておくことが大切です。/業界研究と同様、個別の企業研究においても、時事的な潮流や最近の動きなどを基本情報の1つとして収集しておくことがポイントです。各種報道や雑誌を利用して最近の動きについてもチェックしておきましょう。[2010:116]

◆履歴書は、応募する企業によって戦略的に書き換えるものです。氏名から学歴までの情報は絶対にごまかしや虚偽のない事実のみを書きますが、自己PR欄、志望動機欄は工夫の余地があるので、その都度書き直しましょう。/大学院生やポストドクターの場合、学歴の他に履歴として書くことができる職歴があるかもしれません。雇用形態が契約や臨時雇用であっても、専門能力にかかわる仕事であったり、雇用期間が長期に及んでいたものは、職歴として書くことができます。/本人希望欄、長所・短所記入欄なども十分に活用し、空欄がないようにします。空欄があると、志望意欲がそれほど高くないという印象を与える可能性があります。[2010:129]

◆手書き提出の場合は、内容だけではなく、どのような字を書く人か、ということも判断材料となります。写真を提出する場合は、見た目の第一印象も選考の判断材料となります。…/簡潔明快にポイントがまとめられていて、適宜箇条書きを用いた、分かりやすく表現されている書類を作成することが重要となります。図や写真の使用が可能であれば、文字だけの書類より目立ちます。段落ごとに内容を伝える小見出しやタイトルをつけることもテクニックの一つです。[2010:132]

書類を書く時のポイント
・基本情報(所属学科、年齢、学歴など)に間違いがないように記載する
・誤字脱字のないようにする。間違えた際は修正ペンなどを使わずにもう一度書き直す
・働きたいという熱意を伝える
・自由記述の箇所を活かして人柄を伝える
・他の多くの応募書類の中で目立つ表現方法を考える
・小見出し、箇条書き、太字を活用し、短時間で伝えたい事項を把握してもらえるように記載する
・ESの場合は、質問に対して的確な回答をする
・面接時に質問してもらいたいことを盛り込む
・現場で働く姿が思い浮かぶうような表現を盛り込む[2010:132-133]

その他、聞かれる項目一覧
・5年後、10年後の自分像、将来の夢
・希望勤務地
・希望職種
・研究テーマ(数行程度)
・習得した技術分野、スキルのチェック
・なぜその研究を行ったか?
・趣味・特技
・その他企業独自の質問
[2010:133]

◆採用選考のポイントは「一緒に働きたいと思えるかどうか」です。ESでは自分の話だけではなく、仕事を行う上でのチームワークの重要性や、自分が周囲とどのように仕事を進めることができるかを表現しましょう。…仕事上で「一緒に働きたい人」とは…主体的に行動して成長していくことができるか、仕事でわからないことがあれば周囲に質問することができるか、周囲に聞くだけではなく自身で調べて考えることができるか、モチベーションや体調などの自己管理ができるか、責任感があり、仕事を任せることができるか、ゆくゆくは会社を牽引する一員となるか、という点が確認されます。[2010:135]

話に具体性を持たせましょう。自分自身のことを説明する際には、それを客観的に裏づける事実を提示する必要があります。…抽象的な言葉だけで伝えるのではなく、それを裏づける実際のエピソードや実績を交えた上で…提示しましょう。話に具体性をつける際には数字や具体的な固有名詞などを盛り込むことも有効です。自分が表現したいことを物語るエピソードを思い出してみましょう。[2010:136]


@志望動機記入欄は、志望のきっかけのみを書くのではなく、「入社して自分のやりたいこと、達成したいこと」「入社していかに働きたいか」を記入しましょう。
A志望動機には、応募先企業に自分が申し込む理由、入社を志望する理由を記入します。自分の価値判断、判断基準に照らし合わせた具体的な志望動機を提示し、「応募先企業と自分自身とのつながり」を明示するといいでしょう。[2010:138]

◆趣味・特技欄は、面接官との会話の糸口のために設けられている場合が多いようです。趣味や特技を切り口として、趣味関心、価値観、キャラクター等を伝えるための欄として活用しましょう。[2010:140]

◆履歴書やその他の応募書類を郵送で送付する際、カバーレターを作成して送付します。カバーレターはビジネス文書を送付する際に添えるあいさつ状です。ビジネスマナーを理解できていることを示し、自分の熱意と特徴を端的に伝えるよい手段です。また、郵送ではなくメールでの送付にもカバーレターに相当するあいさつ文と、選考依頼文を記載するようにしましょう。…
1.日付・氏名・住所
2.宛先の正式名称・前文
3.応募ルートを述べ、希望職種を明確にする(突然、送付する際は非礼を詫びる)
4.自己PR…
5.求職先企業に関する関心、興味など…
6.面接のお願い
7.末文

[2010:145]

◆自己紹介書は、自分と応募先企業とのつながりを明示し、自分をPRするための推薦状です。ESの提出を行わない企業に応募する際は自己紹介書を作成して提出しましょう。履歴書だけでは伝えられない自分の経験や能力を示すための重要な書類となります。書式は自由です。強調したい経験や実績、能力、意欲などを履歴書より詳しく書きましょう。レイアウトでアピール度を高めることも可能です。
@経験・意欲・得意分野を250字程度で簡潔かつ明確にまとめる。
A経歴は自分の戦略によって書き分ける。直近の実績・経験から時間の流れと逆に列挙していく逆年代順か、分野別実績・経験のうち、アピールしたいものを3〜5つの分野に分けて記載する分野別順の書き方がある。1分野ごとに200字程度の要約を書き、目立つ実績や数値化できる結果があれば箇条書きで添える。
B自己PRのポイントを箇条書きで記載し、能力・人脈の幅広さを印象づけ、免許・資格、海外経験(国名と年数)、参加プロジェクト名称、著書など(4〜6項目)を添える。
応募職種に照準を合わせ、専門用語や略語を避け、専門外の人も理解できるように配慮しましょう。また、文学的表現は避け、客観的な尺度で具体的なことを書くよう心がけます。…A4用紙1枚程度にまとめましょう。2枚に及ぶ場合は余白を作らないこと。見やすく美しくレイアウトすることが肝心です。[2010:147]

■書評・紹介


■言及




*作成:片岡 稔
UP: 20110224 REV: 20141006 20150323 0416
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