『手招くフリーク――文化と表現の障害学』
倉本 智明 編 20100715 生活書院,312p.
last update:20101028
■倉本 智明 編 20100715 『手招くフリーク――文化と表現の障害学』,生活書院,312p. ISBN-10:4903690571 ISBN-13:9784903690575 2520 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
障害・障害者という存在、あるいは、ネガティヴに意味づけられることの多い身体的特徴とのかかわりにおいて、マンガ、アニメ、写真、音楽、小説、絵画などの文化事象・表現に、深く鋭く突っ込むこれぞ注目の論集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
倉本 智明
1963年生まれ。大阪府立大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、東京大学大学院経済学研究科特任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
序 文化と表現の障害学に向けて
第1章 「真実の感動物語」を読み解く
はじめに
1 少女マンガにおける「障害」というテーマ
2 車いすの彼/彼女の物語
3 肯定の根拠としての愛情――「そのままのキミが好き」
4 少女マンガの可能性と限界
第2章 アルビノ萌えの「後ろめたさ」からの逃走
はじめに――「後ろめたさ」の不在から
1 邪悪なアルビノと白い美貌
2 綾波レイはアルビノなのか?
3 アルビノ萌えのための当事者の不可視化
おわりに――「後ろめたさ」からの逃げ道
第3章 「異形」から「多様な美」へ――ポジティヴ・エクスポージャーの試み
1 「異形」の文化的改変という戦略
2 「ポジティヴ・エクスポージャー」というプロジェクト
3 異形の文化的表象
4 ポジティヴ・エクスポージャーの可能性
おわりに
第4章 児童文学にみる障害者観――「ピノキオ」問題は克服したか?
はじめに
1 障害児殺し事件を描く児童文学――希望の光としての医学モデル
2 ロマン主義的な障害者観
3 「ピノキオ問題」再考――前近代的障害者観の呪縛
4 ノンフィクションと「マニュアル絵本」
おわりに
第5章 「改造人間」、その変容とその「幸福」について
1 「おたく」活動を引退したものとして
2 「改造人間」をとらえる視角
3 「改造人間」の変容
4 縮小する身体、拡張する「私」
5 侵略される身体、支配する「私」
6 身体を「改造」し、支配することは「幸福」なのか
第6章 ラッパーたちのフリーク・ショー――その身体は、何を物語っているか
はじめに
1 ラッパーって何?
2 キャンバスのような身体
3 ブランド品の身体
4 呪われた身体
おわりに
第7章 自己表現の障害学――〈臨生〉する表現活動
はじめに――〈言葉探し〉への助走
1 保護室のマリア――鉄格子の中の自己表現
2 〈出来事としての癒し〉――安彦講平の造形活動
3 己の病を描くこと――本木健の場合(一)
4 症状と共に「在る」こと――本木健の場合(二)
5 結びにかえて――〈臨生〉する表現活動への試み
第8章 手話音楽のこれまでとこれから
1 ややこしい音楽
2 日本における手話音楽の歴史
3 抑圧の象徴としての手話音楽
4 「やる側」の思い
5 手話音楽のこれから
第9章 萎えツボの地雷原から隣へ逃れて
はじめに――異星人という比喩
1 「傲慢」批判のややこしさ
2 フィクション世界の障害者たち
3 ムカつく、乗れない、萎える
4 お気楽な代償行為
5 ゲイミステリという宝の山
おわりに――多様性の源としての商売っ気
第10章 岩と違和をめぐるモノローグ――ロックを聴くこと、障害者であること
1 かっこいい人たちの音楽?
2 「私小説」としての障害学
3 いつか君が置き忘れた縫い針一本
4 法律よりも死の方が慈悲深いこの国で
5 ぼくらの重さはもう古い地図には載ってないのさ
6 夢のぬけがらがお陽様
7 ひとりぼっちのめくらになってたんだ
8 岩と違和
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志