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『「痞」という病いからの――水俣誌々パート2』

最首 悟 20100303 どうぶつ社,341p.

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last update:20150902

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■最首 悟 20100303 『「痞」という病いからの――水俣誌々パート2』,どうぶつ社,341p. ISBN-10: 4886223435 ISBN-13: 978-4886223432 2200+ [amazon][kinokuniya] ※

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内容(「BOOK」データベースより)

水俣病は公式確認から半世紀以上も経つのに、未だ解決の見通しが立たない。どうしてそうなったのか?これを解くには政治・経済・社会的な、そして学問的な要因・問題を多角的に検討しなければならない。そして、その帰結として、根本的に軽んじられてきた“いのち”というものが見えてくるだろう。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

最首/悟
1936年福島県に生まれ、千葉県に育つ。東京大学理学部動物学科博士課程中退後、1967年同大学教養学部助手になる。1994年退職。恵泉女学園大学特任教授を経て、2003年から2007年3月まで和光大学人間関係学部人間関係学科教授。現在、和光大学名誉教授、シューレ大学、予備校講師。この間、1968年東京大学全学共闘会議助手共闘に参加。1976年12月に第一次不知火海総合学術調査団に参加、翌77年4月から実際の現地調査に参加し始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

はじめに

T 病い
1 水俣と国家
2 水俣の傷み
3 漁師八十年
4 水俣病和解にあたって
5 ソーシャル・サービスとしての福祉
6 水俣病から見た医学者の姿
7 福祉行政のあるべき対応
8 水俣病事件と法I
9 水俣病事件と法U
10 水俣病の寒気
11 責任をとるということ
12私たちの病い、水俣病

U 語り部
13 共生の海
14 報い
15 ことばが無在のとき
16 不可視の水俣病
17 「水俣病歴史考証館」に寄せて
18 表現されることのない苦しみ
19 尋ね続けること
20 共同性へのシンボル
21 「水俣・東京展」開催に向けて
22 水俣四〇年目のメッセージ
23 「帰ってこい」というメッセージ
24 〈いのち〉のひびき
25 日月丸のこと
26 すべてが病む中で
27 語り部に想う

V 第三者?
28 今、水俣について思うとき
29 相思社に想う
30 全共闘から始まった旅   7
31 水俣を抱き旅立つ
32 水俣学
33 市民とみなまた
34 一九六八、問われた個人の倫理
35 有用へのゆるぎない自負
36 宇井純のテーゼの現在
37 水俣の底知れぬ井戸
38 公害に第三者はいない
39 自らを未党派と名付ける

W いのち・問学
40 水俣病の現在
41 環境危機への対処
42 言葉はほんの一部にしか過ぎない
43 水俣、新たな五〇年へ
44 水俣間学
45 みられることをとおしてみるものへ
46 水俣・和光大学展
47 ひろがる「水俣」の思い
48 「いのち」という果てしない旅
49 「つづく」という意志
50 「つづく」は「いのち」
51 あねさん、あねさん
52 天の病む
53 (いのち)に問われる一般教育
54 いのち噴き出す仮面
55 江津野老、人間なるものの凝縮
56 私たちの自発する義務

  おろおろ神−あとがきにかえて−
  編集記 引き継ぐべきことについて 丹波博紀
  装画 中田千絵

■言及

◆アマゾン:カスタマーレビュー

題名は難しいが、水俣病の入門書としても、また水俣病から深められた思想書としても重要
投稿者 Kirimura 投稿日 2010/6/2
形式: 単行本
 「痞」(ひ)という漢字をはじめてみた。どのような本かわからず、恐る恐る手に取った。
 ただし、読了してみると、内容は比較的短文で構成されており、決して読みにくいものではないことがよくわかる。相当周到に編集されており、好感がもてる。
 また、水俣病と医療行政、医(学)者の関係について一つ一つ丁寧に繰り返し説明されており、水俣病問題の入門書としても十分に役割を果たすと思われる。
 著者は東大全共闘に助手として参加したことで有名な人物だ。編者のあとがきによると元々うなぎの神経分泌器官の研究をする生物学者だったそうだ。
 また、1976年に生まれた、重度複合しょうがいをもつ四番目のお子さん、星子さんとの日々の生活から思索を深めていったことでもよく知られる。これについては『星子が居る』(世織書房1998)がある。
 さて、著者は星子さんの生まれた翌年に、作家の石牟礼道子さんが音頭をとるかたちで結成された「不知火海総合学術調査団」に参加する。以後水俣と継続的に何ほどかかかわりをもちつづけている。そうした長年にわたる思索をまとめた本であるから、著者の水俣論の集大成という感がある。
 著者は、題名に掲げられる「痞」という漢字――「はじめに」によれば「つかえたりふさがったりする病い」を指す――...続きを読む ?


UP: 20151009 REV:
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