『リハビリの夜』
熊谷 晋一郎 20091215 医学書院,260p.
■熊谷 晋一郎 20091215 『リハビリの夜』,医学書院,260p. ISBN-10: 4260010042 ISBN-13: 978-4260010047 2100 [amazon]//[kinokuniya] ※ b02.
■出版社/著者からの内容紹介
痛いのは困る。気持ちいいのがいい。
現役の小児科医にして脳性まひ当事者である著者は、18歳のとき、それまで幼少期から毎日欠かさず行ってきたリハビリをやめた。「健常な動き」を目指すことを諦めたのだ。
都会で一人暮らしを始めた著者は、しかし意外なことを発見する。《他者》や《モノ》たちが、《私》の身体を突き動かすのだった。
女子との腹這い競争に負けたときに襲ってきた強烈な刺戟、リハビリキャンプでトレーナーからの授けられた快感と恐怖、初めて電動車いすに乗ったときのめくるめく感覚――。
身体接触をたよりに「官能的」に自らの運動を立ち上げるまでを、鮮烈な文体で語り尽くした驚愕の書。
■著者
- 熊谷 晋一郎
- 熊谷晋一郎さん=32歳は脳性まひ当事者。東京大学医学部卒業後、小児科医として病院勤務。2009年秋より東京大学先端科学技術研究センター特任講師も兼任。
■目次
はじめに
序章 リハビリキャンプ
第一章 脳性まひという体験
1 脳内バーチャルリアリティ
2 緊張しやすい体
3 折りたたみナイフ現象の快楽
4 動きを取り込み、人をあやつる
第二章 トレイナーとトレイニー
1 ほどかれる体
2 まなざされる体
3 見捨てられる体
4 心への介入が体をこわばらせる
5 体への介入が暴力へと転じるとき
6 女子大生トレイナーとの「ランバダ」
第三章 リハビリの夜
1 夕暮れ
2 歩かない子の部屋
3 歩く子の部屋
4 女風呂
5 自慰にふける少年
第四章 耽り
1 対比に萌える
2 取り込めないセックス
3 規範・緊張・官能
4 打たれる少女
第五章 動きの誕生
1 モノと作り上げる動き
2 人と作り上げる動き
3 「大枠の目標設定」が重要な理由
4 世界にそそぐまなざしの共有
5 助け合いから暴力へ
第六章 隙間に「自由」が宿る――もうひとつの発達論
1 両生類と爬虫類の中間くらい?
2 便意という他者
3 身体に救われる
4 むすんでひらいてつながって
5 衰えに向けて
注
文献
あとがき
■紹介・引用
■書評・言及
◆立岩 真也 2018 『病者障害者の戦後――生政治史点描』,青土社
◆
*作成:竹中 聖人