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『人間の本質――生きる意味を探る』

本山 博・稲盛 和夫 20091002 PHP研究所,213p.

last update:20140217

■本山 博・稲盛 和夫 20091002 『人間の本質――生きる意味を探る』,PHP研究所,213p. ISBN-10:4569770061  ISBN-13:978-4569770062 \1300+税 [amazon][kinokuniya]  ※


■内容

内容紹介
著者の稲盛和夫氏は京セラの創設者(現・名誉会長)であり、 稀代の名経営者としてつとに有名であるが、本山博氏の名は世間ではあまり知られていない。 しかし、本山氏は、魂や霊の世界の研究者・実践者として、世界的に名高く、 本山氏の著作にはユネスコの優良図書になっているものもある。 立花隆・著『臨死体験(上)(下)』にもその名は登場し、 立花氏が海外の著名な研究者やヒーラーなどへの取材中に、 「日本にはドクターモトヤマがいらっしゃるのに、なぜ私に聞くの?」といったくだりがあるほどだ。 資本主義経済の限界が顕になり、世の中が混迷を極める現在、 本書は、本山氏と稲盛氏の二人が、人として生きる意味、ほんとうの生き方というものを、 人間の本質に照らしながら説き起こし、熱く語り合ったものである。 愛や思いやり、利他の心をもって生き、魂に目覚めることの大切さがとてもよく伝わってくる本。

内容(「BOOK」データベースより)
魂を磨き高める!魂や霊についての世界的な研究者と、稀代の名経営者が、真に生きるということを熱く語り合う。

■目次

はじめに――人びとがより幸せになってほしいという切なる「思い」――稲盛 和夫
第一章 資本主義はいつまで続くのか
第二章 「魔の時代」から抜け出すために
第三章 人間の本質と魂を磨く生き方
第四章 祈りと感謝の心に目覚める
終章 望ましい未来社会とは?
おわりに――生きる意味について――本山 博

■引用

◆人間というのは、豊かな生活をしたいという欲望を持っています。また、その欲望には限りがないんですね。豊かになって、何不自由ない生活が送れても、人間は「もっと、もっと」と際限なく求め続けます。先進諸国だけではなく、今は発展途上国も含めて各国が、そのような国民の欲求に応え、物質的に豊かな社会の実現をめざして動いています。…二〇世紀後半、アメリカやイギリスなどは…金融で国の富を増やしていこうと考えるようになったのです。/われわれにとって金融といえば、お金を集めて、そのお金を貸して、利息で稼ぐといった単純な仕組みのことでした。それが近年、お金を貸して稼ぐのではなく、お金を使ってお金を再生産する、つまり融資よりも投資や投機に金融業の軸足が移ってきたのです。/そして…わずかな元手で何十倍、何百倍の利益を生み出すレバレッジの金融システムを作り上げたのです。…私は二〇〇八年秋以降の一連の出来事は、人間の欲望を刺激することによって発展するという、資本主義のもっとも悪い面が露呈したのだと考えています。つまり、根本にあるのは、資本主義の是非ということではなく、その資本主義を運用してきた人間の心根の問題です。/…今回の金融危機は、資本主義のあり方を問い直すことを通じて、人類が持つべき資質が問われていると理解すべきでしょう。/それでも人びとは、「もっと、もっと」と欲望を募らせ、現在の生活レベルをさらに右肩上がりで向上させていこうと考えています。…こうした状況の中で、さらに世界的規模の金融危機が起きたのは、人類の考え方、心のあり方そのものに、自然が警鐘を鳴らしているのだと捉えるべきではないでしょうか。[2009:14-20]

◆…常に反省しながら自分の思いを正しい方向へ向けていく、その繰り返しを何十年もやっていると、結果として…すばらしい仕事ができるのではないかと思います。/実際には、人間はもろいものですから、ときに間違ったり、悪さをしたりするんですが、いくら悪さをしても、反省してもとへ戻すことが大切なんです。それが、生きていくうえで魂を磨くことになるのでしょう。[2009:40]

◆「みなさんのことを、とかく商売人と言って蔑む人も世の中にはいます。しかし、私に言わせれば、五人、一〇人の従業員を養っておられる、いや従業員の家族を含めれば、もっと多くの方々を守っておられる。そのことだけでもすばらしいことなんです。自分一人で生きていくだけでも大変な時代なのに、企業を営み、たくさんの人びとの生活を守っておられるということは、実はすばらしい利他行なんです。ですから、もっと自信と勇気を持ってください。そしてビジネスを展開するときに、私利私欲に走るのではなく、相手にもいいことをしてあげましょう。そうして仕事に励めば、みなさんの心が高まるだけでなく、必ず成功します」[2009:42]

◆私はよく、「経営を上手くやっていこうと思えば、心を高めることが必要です」と話します。「心を高めるというのは、心を美しくきれいにすることで、本来は修行が必要ですが、経営者には宗教家のような修行はできない。しかし、一生懸命、寝食を忘れて仕事に打ち込めば、あたかも宗教家が修行するのと同じように魂が浄化されていくんです。そして、美しい魂になると、呼応する相手にも恵まれ、仕事は必ず上手くいきます。なぜなら、美しい魂同士が、時間、空間を超えて協力し合うから、思わぬ事業展開ができ、仕事も円滑に進むのです」と言うのです。[2009:96-97]

◆私は日頃、「人間は心のありようによってすべてが決まる」と、心の大切さについて話しており、科学でも芸術でも、すべては心が中心になって動いている、その心がどんなものかを研究することが大切だ、ということを広く伝えたいと考えていました。/そこで、私が理事長を務める稲盛財団と京都大学が共同で、二〇〇三年から、心について総合的に研究するためにシンポジウムを開催してきました。その成果を踏まえ、より本格的に心について研究しようということで、心理学、哲学、宗教学、そのほかの分野を含め、いろいろな領域の先生方に集まっていただき、二〇〇七年、京都大学に「こころの未来研究センター」を創設しました。[2009:168-169]

◆…日本人にとって非常に重要なことは、感謝の心を持つことだと思います。人間は森羅万象の中で生かされているのですから、あらゆるものに対する感謝という気持ちが起きたときに、初めて救われるのではないかと思うのです。[2009:175]

◆従業員も世界中に数多くいますから、その大勢の人たちを事業を通じて幸せにし、また社会に貢献することが利他行だと私は考えています。[2009:183]

◆…何らかの心の規範が必要だということになるのでしょう。自由は大切ですが、生きていくうえで、一人ひとりの人間が、また国家が、どうしても守らなければならない倫理規範を明確にしなければならないんです。それがないために、恨みに対して恨みで応じてはいけないことはわかっているはずなのに、恨みに恨みで報いてしまうんです。…愛で貫かれた国益であれば対立はなくなりますが、国家のエゴ丸出しの国益では、世界に紛争の種が絶えることはありません。何か問題が起きても少し辛抱するすればいいものを、国の面子にこだわって対立を深めているのです。そうしたものが重なって、現在の世界は不協和音を発しています。今こそ、新しい人類の心の規範が必要です。しかし、問題はそれをどのようにして決めるかです。/…今求められているのは、世界各国から賢人とか聖人と言われるような人たちが集まり、人類が生きるための新しい倫理観を作り上げることです。/そのようにして、人類の進むべき方向を指し示すことが喫緊の課題ではないでしょうか。[2009:192-194]

◆国連は国家を超越する機関として創られたわけですが、現状は、その理想的な機能を果たしていません。国を超えて、世界共通の課題に対処し、世界全体をよくしていくようにと、人類が知恵を出して国連を創設したわけですが、人間はもともと自我が強く、そこに国益とか国家のエゴが介在するため、設立当初の目的を果たすことができず、形骸化しています。設立の原点に立ち返り、一国の利益を超えて、人類益に至れば、十分に機能し始めるはずですし、人類も救われるかもしれません。[2009:198]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20131224 REV: 20140213 0217
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