『岩波講座哲学12 性/愛の哲学』
飯田 隆・伊藤 邦武・井上 達夫・川本 隆史・熊野 純彦・篠原 資明・清水 哲郎・末木 文美士・中岡 成文・中畑 正志・野家 啓一・村田 純一 編 20091007 岩波書店,272p.
last update:20111113
■飯田 隆・伊藤 邦武・井上 達夫・川本 隆史・熊野 純彦・篠原 資明・清水 哲郎・末木 文美士・中岡 成文・中畑 正志・野家 啓一・村田 純一 編 20091007 『岩波講座哲学12 性/愛の哲学』,岩波書店,272p. ISBN-10:4000112724 ISBN-13:978-4000112727 \3360 [amazon]/[kinokuniya] ※ 0910ky c04 e08 s00 ws f03 a02
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
存在の根底にあるもの。生/生存のポリティクスの現在と系譜とを問い、性/性愛の新しい問題圏を拓くために近代の外を望見する。
■目次
はしがき
展望 女性、家族、そして性愛の探究へ――宮迫千鶴からの眺望
はじめに――《性/愛の哲学》への助走
一 《女性原理》と「ケアの倫理」――両性の分離と統合
二 「脱近代の家族論」から《家族》へ――制度からの解放の行方
三 「いのち」の発露としての性愛――「官能」への接近
おわりに――哲学と卵
T 思想史の在庫点検
1 フィリア・エロース・アガペー
一 「人間の絆」の原風景
二 「恋」の形而上学とその影響
三 「友愛」の鏡像性
2 非西洋圏における性愛、性/愛――中国の性の歴史の見られ方から
はじめに――中国における性「抑圧」への問い
一 「オリエントの性」をめぐって――フ―リック
二 フェミニストのフ―リック批判
三 房中学研究のロマン
四 明清の同性愛表象、清末民国初の性学
おわりに――フーコーのオリエンタル〈性愛の術〉
3 近代思想における「愛」の虚偽
はじめに――愛と正義からなる世界
一 愛の力――母と「自然」の置換
二 転倒した愛の物語
三 母の愛――母性愛から、母的な思考へ
結びにかえて――愛の実践から、社会の構想へ
4 ダーウィン、フロイト――剥き出しの性/生そして差異の問題
一 性/愛の「真理」
二 「生‐権力」と自然の力
三 性差・個人差・種差
U 性/愛の問題圏
1 性・生殖・次世代育成力
一 その分離と統合
二 異性愛の強制性
三 異性愛の非責性
四 死別と次世代育成
2 家族・親密圏・根拠地――親密圏の脱・暴力化と「自己領域」
一 「性/愛」と親密圏
二 親密領域/圏への多様なベクトル
三 倫理学とフェミニズムの交差する場で
四 親密圏とフェミニズムの語り直し
五 「自己へのケア」と「自己領域」「個人領域」
六 ナラティブ共同体としての親密圏
七 女の経験のトラウマとフェミニティへの問い
3 性の商品化――性の自己決定とは
はじめに――「性の商品化」というテーマの難しさ
一 性の商品化の現状
二 性の商品化をめぐる議論
三 性売買に反対する論理
最後に
4 老いと介護の倫理
一 老いということ
二 介護ということ
三 倫理の領域
探究 性/愛はいかにして可能か――エロスの問いを探究する
はじめに
一 ラカン――「性的関係は存在しない」の真意
二 デュラス――S(A)におけるエロスと愛
三 イリガライ――鏡の装置からの脱出
四 ドゥルーズ――エロスの運動学
結び――流れと魂の物理学
概念と方法
テクストからの展望
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志