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『自閉症――幼児期精神病から発達障害へ』

高木 隆郎 編 20090930 星和書店 288p.

last update: 20110404

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■高木 隆郎 編 20090930 『自閉症――幼児期精神病から発達障害へ』,星和書店,288p. ISBN-10:4791107233 ISBN-13:978-4791107230 \6825 [amazon][kinokuniya] ※ a07

■内容

児童青年精神医学の中心的な課題である自閉症と関連発達障害の解明は、いまや危急の問題。わかりやすい啓蒙書としての教科書が待たれる状況の中、本書は、自閉症とそのスペクトラム障害についての研究の状況、すなわち、歴史・概念から神経心理、脳研究、疫学、遺伝まで、第一線の研究者、臨床家らによる詳細な解説を網羅した、現状に即した最適な一冊。自閉症と関連発達障害問題に関る全ての人に読んでいただきたい、処遇、教育、福祉の領域における最新の自閉症学全体をまとめて展望できる決定版。

■目次

第1章 児童分裂病と早期幼児自閉症
 早発痴呆
 schizophrenia 早期発症例の報告
 Kannerの論文とその後
第2章 日本の事情(1952?1972)
 わが国の最初の症例報告
 自閉症論の始まり
 非器質論崩壊の兆し
 1970?80年代の展開,その後
第3章 自閉症概念の拡大
 Kannnerの診断基準考察
 RutterらのMaudsley 病院例の追跡研究
 言語発達障害説
 発達障害説へ
 Wing, L.とGouldの疫学研究
 Wingのアスペルガー症候群と自閉症スペクトラム障害
 DSM-WおよびICD-10の広汎性発達障害
 Broader Phenotype:より広い表現型について
 自閉症概念の外延について
 自閉症概念の行方
第4章 自閉症の早期発見
 なぜASDの早期発見が重要なのか
 ASDはいつからわかるのか
 ASDの早期スクリーニング尺度
 わが国におけるM-CHATを用いた1歳6カ月健診時でのASD早期発見の試み
第5章 自閉症に併存(発)する身体疾患と精神障害
 併存身体疾患
 併存(発)精神障害
第6章 自閉症の認知理論の現在
 「心の理論」の仮説の現在
 実行機能障害仮説の現在
 弱い中枢性統合仮説の現在
 その他の神経心理学的理論
第7章 自閉症の成り立ち??発達認知神経科学的研究からの再考
 自閉症という臨床単位の実態性
 実態的な存在としての自閉症的特徴(autistic traits)
 BAPについての発達認知神経科学的アプローチ
 おわりに:BAPの発達認知神経科学的研究から見えてくるもの
第8章 脳研究について
 構造画像研究
 機能画像研究
 自閉症の精神生理
第9章 遺伝研究
 精神疾患における遺伝研究の方向性
 自閉症における遺伝研究の歴史的経過
 臨床遺伝研究(双生児研究,家系研究など)
 分子遺伝学的研究
 遺伝研究における今後の展望
第10章 広汎性発達障害の疫学研究
 自閉症の疫学調査結果における推移
 極めて高い有病率を報告した幾つかの論文
 有病率の変化に関する論文の事例
 これまでの疫学研究のまとめ
第11章 自閉症スペクトラム障害の青年期について
 転帰の研究と転帰に影響する因子
 転帰の要因としての教育と就労支援
 青年期以降の自閉症スペクトラムの合併症
 青年期の自閉症スペクトラにおける犯罪や攻撃行動
 日本における研究の現状
第12章 自閉症スペクトラムの療育と支援
 自閉症スペクトラムへの治療的アプローチの概観
 複合モデル
第13章 青年期・成人期自閉症の福祉的支援
 わが国の自閉症支援施策の経緯
 障害福祉制度改革と自閉症支援をめぐる現状
 青年期・成人期自閉症の支援の現状
 自閉症者施設における支援の実際
 自閉症支援の実態
 自閉症支援の課題と展望
第14章 自閉症児の教育
 自閉症児の教育の始まり
 自閉症児への教育方法・指導内容の多様化と教育の場の拡大
 特別支援教育への転換と自閉症教育
 これからの自閉症教育の課題
第15章 自閉症研究:今後の課題

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:山口 真紀
UP: 20110404 REV:
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