『生命倫理学の誕生』
Jonsen, Albert R. 1998 The Birth of Bioethics, Oxford University Press,431p.
=20090930 細見博志 訳,勁草書房,531,145p.
■Jonsen, Albert R. 1998 The Birth of Bioethics, Oxford University Press, 431p.=20090930 細見博志 訳,『生命倫理学の誕生』,勁草書房,531,145p. ISBN-10: 432610189X ISBN-13: 978-4326101894 \7770 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
1970年代初頭にアメリカで誕生した生命倫理学。公民権運動の時代を背景に、急激な医学の進歩に伴って新たな問題が続発するなか、人間の生と死を倫理学の観点から捉えなおすことが求められていたのである。草創期から第一線で活躍した著者が、学問としての生命倫理学の生成をその社会的な意義とともに描き出した画期的な歴史書!
■目次
まえがき
謝辞
I 生命倫理学の始まり――人と場所
第一章 良心にかかわる大問題――生命倫理学以前の医療倫理
1 医療倫理の長い伝統
2 新しい医学
3 一九六〇年代――会議の一〇年
4 会議からセンターへ
5 ヘイスティングス・センター
6 ケネディ研究所
7 「健康・人間価値学会」
8 ある会談
第二章 神学者――伝統の再発見
1 ローマ・カトリックの道徳神学
2 プロテスタントの神学的倫理学
3 三位一体の神学者
4 ジョゼフ・フレッチャー(一九〇五-一九九一年)
5 ポール・ラムジー(一九一三-一九八八年)
6 リチャード・A・マコーミック――イエズス会士
7 倫理学者の育成
第三章 哲学者――概念の明晰化
1 道徳哲学
2 米国における道徳哲学
3 メタ倫理学
4 哲学者と新医学の道徳問題
5 哲学と神学の対話
第四章 「委員会」時代の生命倫理学――生命倫理学における政府の役割、一九七四-一九八三年
1 一九六八年のモンデール公聴会
2 一九七三年のケネディ公聴会
3 「生物医学・行動科学研究協力被験者保護のための国家委員会」、一九七四-一九七八年
4 保健教育福祉省「倫理諮問委員会」、一九七八-一九八〇年
5 「医学と生物医学・行動科学研究における倫理問題検討のための大統領委員会」、一九八〇-一九八三年
6 二つの委員会の比較
II 生命倫理学の始まり――様々な問題
第五章 危険な実験――人を被験者とした研究の倫理
1 危険な実験
2 科学的医学と実験
3 ニュルンベルク軍事法廷における医師の審判
4 サリドマイド事件
5 国立衛生研究所と研究の規制
6 タスキーギ事件発覚
7 倫理学者と実験
8 国家委員会
9 子供を用いた研究
10 囚人を含む研究
11 人体実験と公共の対話
12 結論
第六章 生命のつぎはぎ――遺伝学と倫理
1 優生学
2 科学的遺伝学
3 医学的遺伝学
4 分子生物学
5 生命のつぎはぎ
6 ヒトゲノムの地図作成
7 結論
第七章 現代医学の驚異――臓器移植と人工臓器の倫理
1 腎臓移植
2 心臓移植
3 移植――切除か、贈与か?
4 臓器の供給
5 人工心臓
6 希少資源のための患者選抜
7 移植などの医療サービス利用可能性
8 結論
第八章 誰が生き残り、誰が死ぬか?――死と死に行くことの倫理
1 死の定義と確定
2 脳死のハーバード定義
3 大統領委員会――死の定義
4 新生児集中治療
5 ベビー・ドゥ
6 心肺機能蘇生法 (CPR)
7 成人集中治療
8 死ぬことの容認
9 生命維持治療取り止めの決定――大統領委員会
10 安楽死あるいは幇助自殺
11 死、生命倫理学、そして法律
12 結論
第九章 素晴らしき新世界――人間の生殖の倫理
1 中絶
2 避妊
3 生殖技術
III 学問、対話、そして精神風土
第一〇章 学問としての生命倫理学
1 学問としての生命倫理学
2 理論の探求
3 原則
4 方法論
5 生命倫理学、法律、及び他の諸学問
6 結論
第一一章 対話としての生命倫理学
1 意思決定の共有
2 生命倫理学の教育
3 病院倫理委員会
4 臨床倫理学
5 地域社会での対話
6 対話としての運動
7 メディア生命倫理学
8 結論
第一二章 生命倫理学――米国とその他の国々で
1 合衆国以外の生命倫理学
2 生命倫理学と歴史家たち
3 米国の自由主義と生命倫理学
4 医療の公共的吟味
5 米国の精神風土
6 道徳的改良主義
7 道徳個人主義
8 生命倫理学と米国の精神風土
あとがき
訳者解説
註
事項索引
人名索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治