『ルポ資源大陸アフリカ――暴力が結ぶ貧困と繁栄』
白戸 圭一 20090813 東洋経済新報社,326p.
last update:20100712
■白戸 圭一 20090813 『ルポ資源大陸アフリカ――暴力が結ぶ貧困と繁栄』,東洋経済新報社,326p. ISBN-10:4492211829 ISBN-13:978-4492211823 \1995 [amazon] /[kinokuniya] ※
■内容
2010年にFIFAワールドカップが開催される南アフリカ共和国をはじめ、アフリカの国々は、いま経済成長のさなかにいます。世界的な経済不況の影響はあるものの数パーセント以上の経済成長率を達成しています。
これは、石油、金、ダイヤモンド、レアメタル…など、先進国の経済を支える貴重な資源が大量に眠っているからです。先進国の投資によって、かつての貧困の地が今、高度成長を続けているのです。
しかし、マクロ経済の数値を調べれば好調としか言いようのない、アフリカの国々で、犯罪が蔓延し、武装組織が結成され、人身売買が横行し、住民虐殺が行われています。格差の拡大と暴力の洪水は、資源ブームに沸くアフリカで顕在化している問題なのです。しかも、海賊行為、麻薬の密輸、金融詐欺など、国境を越える暴力となって先進国にも襲いかかっています。もちろん、日本にもです。
成長し続けるアフリカでなぜ、格差が広がっているのでしょうか。資源は人と社会に何をもたらすのでしょうか。アフリカの今を描くことは、日本を含む世界の明日を占う手がかりになるのではないでしょうか。
資源ブームに沸くアフリカでなぜ、暴力の嵐が吹き荒れるのか。元現地特派員が自らの目で見たアフリカ社会の今を報告します。
(「BOOK」データベースより)
石油、金、ダイヤモンド、レアメタル…。先進国を支える貴重な資源が大量に眠る大陸、アフリカ。かつての貧困の地が今、高度成長を続けている。だが、その成長の地で犯罪や紛争が頻発し、麻薬の密輸、金融詐欺、海賊行為など国境を越える暴力となって日本にも襲いかかる。資源ブームに沸くアフリカでなぜ、暴力の嵐が吹き荒れるのか。元現地特派員が自らの目で見たアフリカ社会の今を報告する。
■目次
序 章 資源大陸で吹き上がる暴力
第一章 格差が生み出す治安の崩壊
──南アフリカ共和国、モザンビーク共和国
成長する経済、爆発した格差
発芽した暴力
組織犯罪の影を追って
人身売買の中継基地
第二章 「油上の楼閣」から染み出す組織犯罪
──ナイジェリア連邦共和国
「犯罪輸出国家」の汚名
電気のない油田
石油は幸せをもたらしたのか
第三章 「火薬庫」となった資源国
──コンゴ民主共和国
頻発する虐殺
軍資金となった鉱物資源
汚職、格差、そして暴力
第四章 グローバリズムが支える出口なき紛争
──スーダン共和国
「史上最悪の人道危機」の現場へ
密入国取材
中国のオイルマネーが支える人権糾弾
第五章 世界の「脅威」となった無政府国家
──ソマリア民主共和国
「対テロ戦争」の前線
「無政府」を生きる人々
イスラム国家を巡る戦い
終 章 命の価値を問う 〜南アフリカの病院から〜
おわりに
参考文献
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治