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『わかりやすく〈伝える〉技術』

池上 彰 20090720 講談社,講談社現代新書,238p.

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last update:20120207

■池上 彰 20090720 『わかりやすく〈伝える〉技術』,講談社,講談社現代新書,238p. \777 ISBN-10:4062880032 ISBN-13:978-4062880039  [amazon][kinokuniya]  ※ as01

■内容

内容紹介
会議やプレゼンの前に必読!人気筆者による入門書 フリップの発想でパワポづくり、原稿は引き算で見直す、聞き手の注意はこう引きつける、名司会者に間を学ぶ──など、「テレビ的発想の説明術」を体験から伝授する。

内容(「BOOK」データベースより)
テレビの現場で培ったノウハウをすべて公開。

■目次

はじめに
第1章 まず「話の地図」を相手に示そう
第2章 相手のことを考えるということ
第3章 わかりやすい図解とは何か
第4章 図解してから原稿を書き直す
第5章 実践編 三分間プレゼンの基本
第6章 空気を読むこと、予想を裏切ること
第7章 すぐ応用できるわかりやすく〈伝える〉ためのコツ
第8章 「日本語力」を磨く
第9章 「声の出し方」「話し方」は独学でも
第10章 日頃からできる「わかりやすさ」のトレーニング
おわりに

■引用

◆私は、わかりやすい説明とは、相手に「地図」を渡すようなものだと考えています。…/あらかじめ「いまからこういう話をしますよ」と聞き手にリードを伝えることを、私は“話の「地図」を渡す”と呼んでいます。「きょうはここから出発して、ここまで行く」という地図を渡し、「そのルートをいまから説明します」という形をとることで、わかりやすい説明になります。[2009:18-19]

◆情報を伝える相手に「地図」を渡すためには、その地図を描かなければなりません。そのためには、現地の全体像が頭に入っていなければなりませんね。つまり、内容がまとまってこそ、「地図」を渡せるのです。[2009:23]


1 話すべき内容をまず箇条書きにしてみましょう。
2 その箇条書きにもとづいてリードをつくりましょう。
3 今度は箇条書きの内容がそのリード通りになっているか検討しましょう。
4 リードにふさわしくないところが出てきたら、順番を変えたり削除したり付け加えたりしましょう。[2009:30]

◆話すことでその内容を自分の中からいったん外に出すのです。これが「しゃべることによる対象化(見える化)」の作業です。/わかりやすい説明をするためには、この対象化の作業が欠かせません。[2009:34]

◆どんなレベルの人に向けて説明するのか。対象の読者をきちんと設定しないと、解説は意味をなさないのです。…誰に向かって話をするのか、解説をするのか。まずは相手のことを考えることから始めなければならないのです。[2009:40]

◆たとえばパワーポイントを使うとしましょう。発表者としては、苦労して作ったパワーポイントを全部見せたくなりますね。そこで、用意したものすべてを映し出し、その画面に書いてある文章を読み上げていきます。こういう発表の仕方をする人は多いですね。/でもこれでは、聴衆は画面の文字を目で追うのに精一杯。あなたの発表の声は聴衆の“心”に届きません。/パワーポイントに文章をたくさん書き込むことはやめ、大事な要素、まさに文字通りのポイントだけを記し、後は、あなたの声で、そのポイントを補足するコメントを述べていけばいいのです。/これなら、映像と音声のコラボレーション(分野の垣根を越えての協力作業)になるでしょう。[2009:52]

◆…原稿をもとにして、いったん図解をし、そのうえで図解を説明する原稿に書き直せば、これもまた、図解(映像)と文章のコラボレーション、「映像と言葉の相互作用」が働くのです。[2009:57]

◆なるべく一つ一つの文を短く言い切ってみてください。短文を積み重ねていくような話し方にすると、言いたい内容が、相手に届きやすくなるはずです。/伝えたいことがいっぱいあるときは「荷物を小分けにして、一つずつ運んでいこう」と自分に言い聞かせてみてください。[2009:61]

◆…長い文を短文に分けていくと、文章が論理的かどうか、はっきりしてしまいます。…論理的に筋が通っている文章はわかりやすい。文を短く分けても破綻を来さないのです。/論理的な流れになっていない文章ですと、文を短く切っただけでは使い物になりません。文章自体を直す必要があります。その作業をすることで、わかりやすい文章にできるのです。[2009:62]

◆「常に受け手の側に立って」と考えることによって、相手に「伝わる」表現力が身につくのです。[2009:70]

◆わかりやすい説明の準備は、相手が何を知らないか、それを知ることから始める。[2009:74]

◆本当によく理解している人は、…ざっくりとひと言で説明できるのだなと思いました。/それは、大胆に省略できるからです。何を話すかではなくて、何を割愛するか、ということも大事なこと。全体像が頭に入っていますから、落とすべき要素を選択できるのです。/よく理解していれば、わかりやすく説明できる。わかりやすく説明しようと努力すれば、よく理解できる。[2009:79]

◆わかりやすい説明というのは、複雑な物事の本質を、どれだけ単純化できるかということでもあるのです。…/わかりやすい説明をするうえでは、「絶対に必要な情報」と、「あってもなくてもいい情報」を峻別し、「絶対に必要な情報」だけを伝えること。「ノイズ」をカットした、クリアな情報が必要なのです。[2009:85]

◆あなたが仕事などでパワポを使ってプレゼンテーションをするときには、まずは発表用の原稿を書くことでしょう。それをもとに、パワポの図を作りますね。/これで発表の本番に臨んでしまう人が多いのですが、これで終わりではないのです。パワポの内容に即して、説明の原稿を書き直すのです。/そう考えると今度は、「どんな内容をパワポの画面に盛り込むか」を考えることになります。/パワポには、文章を書いてはいけません。文章にすると、聴衆は、画面の文字を読んでしまいます。そんなことなら、そのパワポをプリントして聴衆に配ればいいのです。/プリントにしないのであれば、文章にせず、伝えたい要点、キーワードだけを抜き出すのです。[2009:90-91]

◆パワポによるプレゼンテーションで大事なのは、ひと目でわかることです。/ありがちなのは、パワポにビッシリ書き込むことです。本人は、「あれも、これも伝えたい」という思いがあってたくさん書き込むのでしょうが、これは逆効果以外のなにものでもありません。聞いている側に「画面を読まなければいけない」という圧迫感を与えてしまいます。発表を聞かずに、ひたすら画面を読むことに注意がいってしまうのです。…/パワポの文章を読むことに注意がいってしまうと、発表者の声が聞こえなくなります。…/口頭での説明が聞いている人にきちんと届くようにするためには、図解はひと目でわかるものにしなければならないのです。/まず基本は、自分の話のキーワードを箇条書きにして、パワポにします。そのうえで、いったん書いた原稿を、パワポにもとづいた説明の原稿に書き直すのです。/そこで初めて、自分が説明すべき内容が整理されます。[2009:93-94]

◆…理想的な発表とは、実は「原稿を書かない」ことです。/原稿を書くと、どうしても本番で読んでしまいます。文章になっている原稿は、かいつまんで話すことがむずかしく、ついダラダラと読んでしまいがちです。…/また、読み始めてしまうと、目の前に聴衆がいても、視線はひたすら原稿を追いかけることになります。聞いている側は、自分が無視されているような印象を受けてしまいます。これでは発表の中身が頭に入りません。/また、原稿の文章は書き言葉です。硬くて親しみにくい表現が多くなります。/一方、手持ちがメモだけなら、その場で自分で話し言葉にしなければなりません。その結果、自然な日本語になります。/原稿の棒読みを避けられますから、聞き手の顔を見ながら話ができます。聞き手は、「ああ、自分に対して話をしてくれている」という気持ちになれます。これが大切なのですね。[2009:94-95]

◆メモは、箇条書きで要素を書き出します。一時間半の中で、どういう話から入り、話をどういうふうに持っていって、最後はどういうふうにまとめようかということまでを想定します。/その流れを忘れないようにするためのメモ書きなのです。[2009:96]

◆時間配分の感覚を身につけるには、会議に出る前に一度リハーサルしてみることです。理想を言えばストップウォッチではかってみることですが、時計でチェックしてもいいでしょう。/最初は原稿を作ると、どうしても長くなります。三分のつもりで原稿を作ったはずが五分半かかったりして、びっくりするものです。最初から三分できっちりおさめるほうが無理なのです。いったん作ってみて、オーバーしていたら、どこを削ればいいだろうというふうに考えましょう。[2009:123-124]

◆最初に結論を述べておき、最後まで話が進んだところで、「だから、最初に言ったことはこういうことなのです」とまとめます。こうすれば、「ああ、だから最初にこう言ったのか」と聞き手に納得してもらうことができます。/プレゼンテーションを地図にたとえるなら、目的地を指して話を始め、目的地に着いたところで、「ここが目的地です」と再確認するイメージです。[2009:156-157]

◆わかりやすい説明とは、常に具体的でなければいけない。…/抽象的なテーマだとしても、「こういう例があります。この人がこんなことを言いました」と、必ず具体的な話をどこかではさみます。…/具体的な話を重ねていって「そこから導き出せることはこういうことです」と、具体的なところから一段、次元を上げて抽象化することが大事です。[2009:161-162]

◆まずは一瞬ずつでも、一人ひとりに視線を合わせましょう。「あなたにも、あなたにも、あなたにもお話をしますよ」と心の中でつぶやきながら、話を始めます。/いったん話し始めてからは、別に視線を一人ひとりに合わせる必要はありません。/ときどき左のほうを見たり、右のほうを見たりするだけで…。[2009:166]

◆…書いた原稿の文章をそのまま読み上げていては、聞いている人たちの反応を見ることはできません。また、「原稿を棒読みしている」ことはひと目でわかりますから、聞いているほうも、「読むくらいならその原稿を配ってくれよ。時間の無駄だ」という気になるでしょう。「ここにきたからこそこの話を聞ける」という「お得な気持ち」を持ってもらうことが、プレゼンテーションでは最優先なのです。[2009:169]

◆「自分はこれからこういうことを言いたい。もしひと言で言うと、どう言えるだろうか。要するにどういうことだろう」と考え抜くのです。そこからキーワードは生まれてきます。/また、…リズムのいい、考えさせられるフレーズを多数知っておくことです。そうすれば、それをもじったキーワードをつくり出すことが可能になります。[2009:189]


■書評・紹介


■言及





*作成:片岡稔
UP:20120207 REV:
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