『はじめての言語ゲーム』
橋爪 大三郎 20090720 講談社,269p.
■橋爪 大三郎 20090720 『はじめての言語ゲーム』(講談社現代新書),講談社,269p. ISBN-10: 4062880040 ISBN-13: 978-4062880046 \798 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
もっともわかりやすいヴィトゲンシュタイン入門書。
世界のあらゆるふるまいを説明しつくそうとしたヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論はいかに生まれ、どんな思想か?
18万部を超える『はじめての構造主義』著者による、きわめて平易な哲学入門です。
■目次
まえがき
第1章 ヴィトゲンシュタインのウィーン
2人の高校生
芸術の都ウィーン
急に学校へ
ウィーンのヒトラー
家柄ゆえの悩み
自分はなにをやればいい
学校になじめない
飛行機か、論理学か
ラッセルのもとへ
第2章 数学の基礎
現代数学の夜明け
アリストテレスは偉かった
三段論法
言葉と数
フレーゲの概念記法
無限のなぞ
集合の濃度
対角線論法
無限集合が無限にある
集合論のパラドクス
論理主義
フレーゲに紹介されて
第3章 ケンブリッジの日々
突然の闖入者
論理がすべてか
パラドックス
タイプ理論
論理はなにをあらわしているのか
天才か死か
論理に関するノート
未曾有の大戦争
物量作戦
伍長ヒトラー
共産主義の脅威
共産党かナチスか
第4章 『論理哲学論考』
かけがえのない世界
『論理哲学論孝』のなかみ
『論孝』のエッセンス
言語と世界は対応する
要素はあるのか
一対一対応
なぜ独我論なのか
前期と後期の共通点
生きたい!
トルストイの『要約福音書』
「沈黙しなければならぬ」は、禁止なのか
戦争という罪を背負う
神のいる場所
イエスのおもかげ
不思議な沈黙
第5章 放浪の果てに
『論孝』出版される
小学校の教師になる
哲学をやめ、哲学を生きる
要素命題は存在しない
言語は様々に用いられる
存在と規範
ことばを、ものと結びつける
ことばの見本
ヴィトゲンシュタイン・ハウス
石工とその助手の言語ゲーム
第6章 言語ゲーム
15年ぶりのケンブリッジ
不思議な文体
超テキストを読む…言語ゲーム・その例…言語ゲームが“わかる”
…(以下同様)
できることと、説明すること
たし算をならう
社会は言語ゲームである
石工と助手のゲーム
ルールが意味を基礎づける
感覚と言語ゲーム
ふるまいの一致
私的言語について
数列モデル
規範をみる
オーストリア国籍がなくなる
ユダヤ人とは
独身主義
狂気の全体主義
ヨーロッパの危機
第7章 ルール懐疑主義
意味と価値と言語ゲーム
エイリアン?
懐疑論との対決
クリプキのクワス
木の葉が今日から青に
ルール懐疑主義は正しいか
見ればわかる
ふるまいの一致
奇則としてのナチス
私には手がある
疑うという言語ゲーム
第8章 1次ルールと2次ルール
キリスト教から離れて
ゲームとルール
言語ゲームと論理学
ハートの法理学
書かれない法
審判とルールブック
ルールと強制
価値はゲームに宿る
厳密ルール主義
権威への服従
審判ムハンマド
第9章 覚りの言語ゲーム
一神教から遠く離れて
覚りをめざす
覚りをめざす運動
『ゴドーを待ちながら』の原理
痛みと覚り
大妄語戒のロジック
自発性と強制
全員一致の原則
税か布施か
部分ゲームと拡大ゲーム
キリスト教とユダヤ教
大乗仏教の修行のルール
第10章 本居宣長の言語ゲーム
忘れられた江戸時代
武士と儒教のミスマッチ
朱子学のドグマ
朱子学を批判する
ルターと似ている
儒学と国学の合わせ技
山崎闇斎の役割
宣長という人物
ふるまいの一致
なぜ『古事記』か
「道」論争
漢意とやまとごころ
原初の共同体
天皇の正統性
天照大神は太陽か
日本プレ近代思想
第11章 これからの言語ゲーム
前期 vs 後期
「語りうること」
『論孝』と福音書
信仰告白を語らない
言語ゲームはすべてを語る
冷戦とは何だったか
大きな物語の終わり
ポストモダンの行き止まり
コミットしない
相対主義
普遍思想はゲームである
文明の衝突?
言語ゲームは両立するか
相対主義を超えて
意味と価値の科学へ
ブックガイド
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治