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『ルポ 医療事故』

出河 雅彦 20090330 『ルポ 医療事故』,朝日新書,394p.


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■出河 雅彦 20090330 『ルポ 医療事故』,朝日新書,394p. 860+税 ISBN-10: 4022732687 ISBN-13: 978-4022732682  [amazon]

■内容(「BOOK」データベースより)
なぜ医療事故は起きたのか?朝日新聞医療記者による地道な調査報道が真実を暴く。被害者から見た医療事故調査、死因究明の問題点…はじめて明らかにされる医療事故の真相から再発防止策を提言し、次の犠牲者にならない、事故を起こさないための患者・医療関係者必読の書。

■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
朝日新聞編集委員。1983年、上智大学文学部新聞学科卒。産経新聞社を経て、1992年朝日新聞社入社。社会部、くらし編集部、科学部で主に医療、介護問題を担当。医療事故のほか、薬害エイズ事件、医療制度改革、介護保険制度、有料老人ホーム問題などを取材。2002年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

〈目次〉
はじめに ある遺族の手紙

第1章 遺族の願い、医療者の思い――京都大学病院エタノール誤注入事故
高裁判決の日/事故発生/告白/記者会見/「どう生きていけばいいかわからない」/再調査要請/京大病院の安全対策
コラム1 「医療事故とは?」

第2章 真相を求めて
●「隠蔽されたミス」――東京都立広尾病院薬剤取り違え事故

「看護の基本は3度の確認」/急変/病理解剖/疑念/腫れ上がった腕/警察届け出/「遺族の意向を踏まえた」/知事への手紙/責任を認めた都/刑事責任の追及/最高裁で有罪確定
●大学病院の「でたらめな医療」――埼玉医科大学総合医療センター抗がん剤過剰投与事故
小さなしこり/化学療法/「量が多かった」/司法解剖/「医のモラルに反する」/開示されない報告書/「娘の死を無駄にしたくない」/罪に問われなかった虚偽記載/裁判所の提出命令/「隠蔽」は認めず
●「患者は医者の練習台なのか」――東京慈恵会医科大学青戸病院腹腔鏡下手術事故
前立腺がん/深夜に及ぶ手術/「麻酔から覚めない」/手術に問題はない/解消されない疑問/「執刀経験がなかった」/大学が調査委員会を設置/再発防止の提言/「被告だけに責任を負わせるのは相当でない」
コラム2 「医療事故の発生頻度は?」

第3章 モデルになった事故調査
●「隠さない ごまかさない 逃げない」――名古屋大学病院

動脈損傷で大量出血/「すべてオープンに」/警察官立ち会いの病理解剖/外部委員に患者側弁護士を起用/20項目の提言
●「記録と記憶が消えないうちに」――大阪大学病院
血管に入った空気/現場検証と再現実験/大気にさらされた輸血ルート/欠けていた意思疎通/「正確な情報を詳細に」
●独立調査委員会が「医療の質」を評価――東京医科大学病院
相次いだ医療事故/学会に調査を依頼/英国の事故調査を参考に/技術水準の評価/「患者の安全よりトレーニング優先」/専門医制度の不備浮き彫りに
コラム3 「医療事故データベースの必要性」

第4章 否定された内部調査報告書――東京女子医科大学病院心臓手術事故
無罪判決/内部告発/事故を認めた調査委員会/医師2人を逮捕/裁判外紛争処理の試み/専門家を排除した原因調査/3学会合同委員会の検証/訴因変更/「科学的ではなかった」
コラム4 「紛らわしい医薬品・医療機器の改良」

第5章 医師逮捕の衝撃――福島県立大野病院事件
「反撃」に出た医療界/癒着胎盤/事件の余波/「胎盤剥離」を問題視した調査委員会/大学教授の鑑定根拠に刑事責任追及/無罪主張/「胎盤剥離を中止すべき義務はない」/争点外の問題
コラム5 「妊産婦死亡の実態」

第6章 医療事故から身を守るには
病院の治療実績と医師の経験を確かめる/病院の医療安全の取り組みをチェックする/信頼できる医師か見極める/薬の名前、効果、副作用を知る/手術では麻酔の体制を確かめる/大病院を過信しない/万が一事故に遭ったら
コラム6 「医療安全全国共同行動」

第7章 医療事故調査の課題
事故調査の目的/モデル事業/医療安全調査委員会(医療版事故調)構想/院内事故調査の有効性と限界/第三者機関運営上の課題/事故調査と処分
コラム7 「医師法21条」

第8章 遺族の執念――パロマ社製ガス湯沸かし器CO中毒事故
●通知されなかった死因

経済産業省の発表/息子の死/10年目の真実/警察を動かした母の思い/「事件は終わっていない」
●拒否された解剖要請
入浴中に「急性心不全」/同室で起きたCO中毒事故/18年後の再調査/メーカー責任問い訴訟へ
コラム8 「日本の医療現場は人手不足」

第9章 「病死」が一転「傷害致死」へ――大相撲力士傷害致死事件
「兄弟子が怖い」/傷だらけの遺体/公費承諾解剖/異例の捜査批判/「死因捜査システムを全国に」
コラム9 「医療者の教育・養成の課題」

第10章 日本の死因究明の問題点
死因究明の仕組み/検視と検案/司法解剖と行政解剖/大きな地域格差/海外に比べ低い解剖率/監察医制度の課題/改革目指す動き
コラム10 「行政処分と再教育」

年表
おわりに


*作成:北村健太郎
UP:20090403
医療過誤、医療事故  ◇BOOK
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