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『仕事力 青版』

朝日新聞社 編 20090330 朝日新聞出版,225p.

last update:20130730

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■朝日新聞社 編 20090330 『仕事力 青版』 朝日新聞出版,225p. ISBN-10:4022616113 ISBN-13:978-4022616111 546  [amazon][kinokuniya] ※ cp03

■内容

内容紹介
『仕事力 白版』に続き、朝日新聞「朝日求人」欄の人気連載を文庫化。IBM、ミズノ、日清食品の経営者、林真理子、羽生善治、齋藤孝、武豊ら、各界のトップ15人が己の仕事観を披露する。労働の多様化、経済危機など厳しい状況のなかで、時代の変化に流されず、働く意味や仕事の本義をみつめなおそう。年齢・性別・立場を問わず「あなた」にとって、仕事を生き抜くヒントが必ずみつかる一冊。

内容(「BOOK」データベースより)
『仕事力 白版』に続き、各界のトップ15人がそれぞれの仕事観を披露する。労働の多様化、経済危機など厳しい状況のなかで、時代の変化に流されず、働く意味や仕事の本義を見つめなおそう。年齢・性別・立場を問わず「あなた」にとって、仕事を生き抜くヒントが必ず見つかる一冊。

■目次

北城恪太郎 いま持てる全力を注ぐ
林真理子 基礎仕事力が翼となる
新藤兼人 命の限り、人は仕事
丹羽宇一郎 背骨となる価値観はあるか
羽生善治 サバイバルは当たり前
水野正人 自分の得手で、人を応援する
齋藤孝 ポジションをつかめ
安藤宏基 硬くなる頭と闘う
橘・フクシマ・咲江 決断によって、キャリアは育つ
吉田忠裕 「面白い!」の連続をめざせ
立石義雄 働きがいをつかんで生きよ
茂木友三郎 新しいアングルを探し求めよ
猪口邦子 知と想像力がパワーである
石原邦夫 一緒に泣き、笑ってこそ仕事
武豊 まだまだである
あとがき
文庫版あとがき

■引用

北城恪太郎
◆仕事の面白さとは前向きに作り出せるものだと思っています。今、担当している仕事がつまらないと感じているなら、まず一つ自分なりの小さな目標を探し出すことです。もっと効率的にする方法は何か。お客様に喜んでいただけることは何か。そしてそれを成功させるために仕事のやり方を考えていく。小さな目標が達成できると、仕事はがぜん面白くなります。[2009:13-14]

◆仕事の現場では、学生時代のように問題が用意され、答えが与えられるという幻想を捨てなければならない。仕事を指示されきちんと仕上げるのは当然です。最初はみなそれで精いっぱいでしょう。しかしその仕事の中から課題や問題点を見つけ、それを解決する力を蓄えていくことが大切なのです。今日は手に負えなくても、近いうちに何とかしたいと挑戦することです。[2009:16-17]

丹羽宇一郎
◆…人間は、偏差値によらない「人間力」というか、「生命力」プラス「精神力」で差が出てくると思います。…立ち居振る舞いや話し方、目の輝きに映し出される人としての力。[2009:56]

◆あいつはとことんやっていることがあるらしいと周囲に見えてくれば、質問されたり褒められたりすることが増えてくるでしょう。それを生かす方向に加速していけばいい。[2009:60]

羽生善治
◆いまは近道がたくさんある。方法論や習熟の仕方が確立され始めている。だから他の人が研究してくれたルートの最短コースで、ある段階までいける環境があります。…/それでも知識は、自分の力ではないのです。頭で覚えた記録や他の人の実績は、自分の立場でやってみて体感し、理解しなければ力を持たない。知識を知恵にするまでのその差は本当に大きいのですが、その距離を埋めていけるかどうか、実行できるかどうか。分かれ目は明確です。[2009:69]

◆実力を発揮していくには、やはり経験が必要であると思います。経験を積み重ねていくことでわかる道筋もあるし、いたずらに恐れを抱かず落ち着いて物事に立ち向かえるようにもなる。…/ただそれは逆に、うまくいって成功した経験も、悪くなって失敗した経験も数多くなっていくことです。責任も重くなり負けるわけにはいかないというときや、悪い状況にあるときには、かつての苦い経験が頭をもたげてきて、どうしようかと迷う原因になってくるのです。…/そういうものに打ち勝つ力、打ち勝てる理性というか、踏む込む力が年を追うごとに必要になってくるのではないかと思います。…/常識的な判断が正しいかと言えば、必ずしもそうとは限らない。それに頼ろうとする気持ちをどう振り切っていくか。今なすべきことは何かを今考える。挑戦とはそういう進み方だと思います。[2009:69-70]

◆最初にするのはアイデアを頭に思い浮かべること。次はこういう手を使って対局しようと新たな発想を考えるのです。/そして次にそれがうまくいくだろうかとさまざまに検証していきます。…/新しいアイデアだと思っていても過去に同じ手が用いられたかもしれないし、類型があったかもしれません。その手は勝ったのか、どのような展開をしていったのか。最初のアイデアで戦うためにこの検証のプロセスは非常に大切だと思います。/そして実践に臨む。…/対局が終わればまた検証です。…/ずっと絶え間なくこの繰り返しで強くなれる。どの段階が抜けても、もろくなりますね。[2009:72-73]

水野正人
◆私たちのやっている仕事はどれも社会の中の本当にわずかな部分です。それでも役割を見いだし、分担して自分の仕事に懸命に取り組んでいくことで、きちんと世の中が動いていく。どのような役割でも必要とされているということに、思い至ることが大切でしょう。/それは競い合うというのではなく、補い合う、あるいは応援し合うという発想です。[2009:82-83]

◆仕事を達成させるために、私は一人ひとりがどんなに小さくても自分がクリアするべき目標を立てる必要があると思っています。1週間ごとに、1ヵ月ごとに目標をきちんと目の前に置き、能動的に挑んでいくことで最終的には本当に大きな仕事になる。[2009:85]

◆仕事をする以上、自分の強みや力を的確に知っておくことは重要です。…/自分はどのレベルか、よく見極めること。そして高望みをするのではなく、かといって卑下するのでもなく、十分に自分を生かし切れる仕事をめざす、そんな気概を持って欲しい。…誠意があって素直な人に私たちは魅力を感じます。…/目を輝かせて懸命に仕事に打ち込む人には、あの人の言うことなら聞いてあげようと心が動く。…仕事も人柄で動いていくのです。[2009:87-88]

齋藤孝
◆もうすでに世の中の仕事は、一つの企画ごとにチームが作られて目的を達するという仕組みになっています。…正社員に求められるのは、新しいプロジェクト構想を練り、必要な人材を引っ張ってきて利益を上げる能力です。/逆に言えば、「あいつは、企画を立てて周囲をマネジメントし、最後までやり遂げる力がある」と認められれば、雇いたい、うちに迎え入れたいと企業は考えます。[2009:96]

◆たとえ他のことで稼いでいても、自分がやりたい聖域、サンクチュアリでは身銭を切る。自分に投資することです。誰だって縁もゆかりもない見知らぬ人に仕事を与えようとは思いませんから、この人は違うと感じさせるような熱量が必要です。[2009:101]

◆かゆい所に手が届く仕事ができれば、仕事のサイクルの一角に食い込むことができる。それをきちんとやりこなすうちに経験知が積まれ、次第に自分の仕事をデザインするほうに回っていけるようになる。ほんの小さな仕事、名もつけられないような職種。それが実は仕事のスタートラインであることが多いのだと思います。それを大切に、ていねいにやり続けていく気持ちを忘れてしまったら、なかなかチャンスは巡ってこない。仕事はさまざまな手仕事で成り立っているのですから。[2009:102]

◆仕事というのは、自分に向いているものは何か、やりたいことは何かと、適性や才能を問いつめてするようなものではないのだと思います。人に頼まれ、期待され、やりたいことかどうかは別にして、とにかくやってみることがスタートラインではないでしょうか。/…まず働く場所を得て、頼まれた仕事には機嫌良く取り組むことです。/やがて自分がこれなら得意だ、できると思う分野が目の前に出てくる。やりたいことも、自分で考えていたよりずっと拡大していく。人からの依頼は増えていくから、その中から自分のやりたい仕事を選択していくのが、社会人の進み方なのだと思います。/仕事は、あなたのエネルギーを燃焼させる活性の場です。上機嫌で、笑顔でいい循環に入っていけば、仕事のある人生は本当に充実します。[2009:104-105]

安藤宏基
◆いつも多方面からものを見る、考える。ゼロからでも恐れずに始める。これが企業の原点でもあり、ビジネスマンに必要な資質でもある。いかにそれを磨けるか。常識に捕らわれずに仕事ができるかが勝負です。[2009:110]

◆目の前の常識に捕らわれないで、なぜだ、と突きつめていく姿勢とか、人はどう言おうと自分自身の考えはこうだと主張できること。人が幼稚だと笑っても小さなことに感動する柔軟さが重要です。…/感動が少ないことに気づいたら、一日の終わりに、今日は何に感動したかを考えて、心を磨き続けることです。/それを繰り返すうちに感覚が戻ってきて、新しい向上心につながっていくと思います。[2009:115]

◆執念のない者に発明はありません。…身の周りに好奇心を注ぎ続けること。…今すぐに可能でなくてもいいのです。まずは興味のアンテナを立ててみて下さい。/そして、何とかならないかを考え続けることが大切です。…寝ても覚めてもそのテーマに集中することです。…そのことばかり考えた時、その情報がヒントになってブレークスルーをもたらすのです。常に想いを寄せる姿勢が壁を破り、ブレークスルーする力につながります。[2009:115-116]

武豊
◆慎重になったり不安になったりするのは後回しにして、とにかく目の前のチャンスに一歩足跡をつけようと言いたいですね。今いろいろ考えるのではなくて、走り出せ。善し悪しは後からでも考えられる。[2009:215-216]

■書評・紹介

■言及



*作成:片岡 稔
UP:20130704  REV:20130729 0730
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