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『バイオ・コリアと女性の身体――ヒトクローンES細胞研究「卵子提供」の内幕』

淵上 恭子 20090225 勁草書房,203p.


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■淵上 恭子 20090225 『バイオ・コリアと女性の身体――ヒトクローンES細胞研究「卵子提供」の内幕』,勁草書房,203. ISBN-10:4326101873 ISBN-13:9784326101870 3200 [amazon][kinokuniya] ※ c19

■内容

先端科学研究による経済発展の可能性と国威発揚に熱狂した国民感情の前にあって、“生命倫理的価値”はいかに脆弱であったか。バイオ立国をめざす経済政策とナショナリズムが絡み合い、女性の身体が生命工学の道具とされた「黄禹錫事件」の経緯を活写。韓国の経験から生命倫理の基盤を問う。

■目次

はじめに――研究用卵子提供問題から見た韓国ES細胞論文捏造事件

第一章 「メイド・イン・コリアのヒトクローンES細胞」の構想――先端科学をめぐるバイオポリティクスの展開
一 「バイオ・コリア」の見果てぬ夢
二 「黄禹錫神話」の形成と愛国的科学主義
三 バイオ立国のシナリオ
四 『サイエンス』論文に描かれた研究用卵子獲得の戦略
五 「一番幹細胞(NT-1)」の終わりなきドラマ

第二章 先端科学をめぐる生命倫理問題と「不妊治療」――研究用卵子大量不正提供の社会文化的背景
一 研究用卵子提供をめぐる生命倫理問題
二 研究員の卵子提供に対する韓国社会の反応
三 韓国の「不妊治療」における卵子提供と卵子売買
四 研究用卵子大量不正提供の構造的背景

第三章 研究用卵子提供の内幕――卵子寄贈と卵子売買の間
一 「黄禹錫事態」の勃発
二 研究用卵子提供の実態
三 卵子提供者の語る真実
四 卵子提供者の階層分化

第四章 韓国女性達とヒトクローンES細胞研究をめぐるバイオポリティクス──「核を抜かれた卵子」へのスタンス
一 研究用卵子寄贈運動の展開
二 研究用卵子提供者のトラウマ
三 研究用卵子提供の後遺症に苦しむ女性達
四 卵子の研究資源化に対する異議申し立て

結語 ヒトクローンES細胞の夢の跡──「黄禹錫事態」後のバイオポリティクス

あとがき――韓国のヒトクローンES細胞研究をめぐる生命倫理と宗教文化

【参考資料1】 黄教授チームの研究に関するIRB審議の調査記録
1 漢陽大学校ソウル病院IRB審議経過
2 漢陽大学校九里病院IRB審議経過
3 ソウル大学校獣医科大学IRB審議経過
4 ミズメディ病院IRB審議経過
5 延世大学校セブランス病院IRB審議経過
6 ハンナ産婦人科医院IRB審議経過
7 ソウル大学校病院IRB審議経過

【参考資料2】 研究用卵子提供に関する国内外の法規
1 研究用卵子提供に関する国際規範
2 研究用卵子提供に関する韓国内の法令およびガイドライン

■書評・紹介・言及

◆立岩 真也 2013 『私的所有論 第2版』,生活書院・文庫版


*作成:本岡 大和 
UP:20090510 REV:20130208
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