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『家畜の文化』


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last update: 20220802


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■秋篠宮 文仁・林 良博 編 20090226 『家畜の文化』,岩波書店,ヒトと動物の関係学・2,280p. ISBN-10:4000271083 ISBN-13:978-4000271080 [amazon][kinokuniya]
 *あきしののみや・ふみひと はやし・よしひろ

https://www.iwanami.co.jp/book/b257586.html

今から一万数千年前イヌとの共同生活を始めて以来、ヒトは世界各地で、民族や環境、時代に応じ、使役の関係、食糧など、さまざまな家畜文化を形成してきた。現在、家畜は世界経済や政治にも密接に関連しバイオテクノロジーを含めて新たな関係性を築こうとしている。ヒトと家畜の歴史と文化を読み解き、家畜のもつ意味と問題点を探究する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
秋篠宮/文仁
山階鳥類研究所総裁/生き物文化誌学会常任理事

林/良博
東京大学大学院農学生命科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■書評・紹介・言及

◆立岩 真也 2022/12/20 『人命の特別を言わず*言う』,筑摩書房

第2章☆09 人類と家畜とか、家畜(化)の歴史といったものを人は好むようで、そこそこの数の本があるようだ。また、人が人のために動物を家畜化していったというのだが、そんなことをしている人間自身が家畜のようになってきていることが、いくらか嘆かれながら、言われる。以下のような書籍があった。 『ペット化する現代人――自己家畜化論から』(小原秀雄・羽仁進[1995])、『人類の自己家畜化と現代』(尾本恵市編[2002])、『家畜の文化』(秋篠宮文仁・林良博編[2009])、『家畜化という進化――人間はいかに動物を変えたか』(Francis, Richard C.[2015=2019])、『善と悪のパラドックス――ヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』(Wrangham, Richard[2019=2020]),『ヒトは〈家畜化〉して進化した――私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』(Hare, Brian & Woods, Vanessa[2020=2022])。また本の題にはその語はないが『反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー』(Scott, James C.[2017=]2019)でも「自己家畜化」について記される。ペットについてはさらに夥しい数の書籍ほかがあるだろうが、略す。
 家畜には食べられるための家畜がいる。それらは必ず殺されるのだが、殺されるまで――殺されるだけの大きさにされるまでの無理やりなことがなされ、命を短くされていることが批判されるのだが――は生きており、餌が――それがひどいものであると批判されるのだが――与えられる。野生でいるのと比べてどうかといった問いが、その問いが成立するのかという問いとともに、ある。それを人が考える時に、例えば飼いならされた生よリも野生を、といった選好が介在することはあるだろう。


*作成:立岩 真也 
UP: 20220805 REV:20221229
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