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『人類を救う哲学』

梅原 猛・稲盛 和夫 20090107 PHP研究所,229p.

last update:20140128

■梅原 猛・稲盛 和夫 20090107 『人類を救う哲学』,PHP研究所,229p. ISBN-10:4569703658  ISBN-13:978-4569703657 \1300+税 [amazon][kinokuniya]  ※


■内容

内容紹介
核兵器開発、民族紛争、宗教対立、資源枯渇、食料危機、そして世界金融恐慌…… われわれ人類に未来はあるのか? 豊かさを追求してきた現代文明ではもはや世界は 立ち行かなくなっているのではないか? そもそも人類はなぜここまで傲慢になって しまったのか?

そのような問題意識のもと、日本を代表する哲学者と経営者が、いまこそ人類は 英知を結集して新しい人類共通の哲学をつくるべきであると提案する書。
具体的には、「進歩の思想」から「循環の思想」へ、「欲望の無限解放」から「利他の心」へ、 「一神教」から「多神教」へ、「憎しみ」から「慈悲」へ人類の意識を転換するとともに、 暴走する経済至上主義に歯止めをかけるときと語る。
とくに日本人は「足るを知る」「殺すなかれ」といった仏教に根づいた道徳や倫理観を持った 民族であったはずであり、むしろ日本がリードして世界の混乱に終止符を打つべきと主張。 自分の生き方を見つめ直す本でもある。

内容(「BOOK」データベースより)
「進歩」から「循環」へ!「欲望」から「利他の心」へ!経済成長こそ善なのか?国益こそ正義なのか?道徳も倫理観もなき傲慢な社会はいずれ滅びる!日本人だからできること、しなければいけないこと。

■目次

まえがき――稲盛 和夫
第一章 文明の崩壊が始まった
第二章 アメリカ文明は正しいのか
第三章 「進歩」から「循環」の思想へ
第四章 世界連邦政府を樹立せよ
第五章 「利他の心」を教える教育を
第六章 神様が人類に与えた力
第七章 「無私の情熱」が成功を導く
あとがき――梅原 猛

■引用

◆…今後、地球全体でどれだけの人口を養えるかを考えたとき、爆発的に増える人口を養うに足るエネルギーや食料は、地球の許容限度を超えつつあるという気がします。いつか地球規模の文明の崩壊が始まるかもしれません。/このような問題には、必ず大きな臨界点が存在します。ある時点までは静かに変化していますが、臨界点を過ぎたら急激に問題が噴出するというものです。だからこそ、いま、ほんとうに人類のあり方を真剣に考えなければならないのではないでしょうか。[2009:19]

◆たしかに人類は立派な科学技術を育んできましたが、それが傲慢を生み、いま人類の暴走はますます加速度が増している。…傲慢になった人類が、あらためて自然に対し、畏敬の念を持って接する。そういう哲学に立ち返る必要があるように思います。[2009:26]

◆謙虚さを失った文明は、歴史上すべて滅亡してしまいました。それはひとりの人間も同様です。「謙のみ福を受く」と古来中国でいわれるように、どんな立派な功績をあげた君主や武将、そして実業家も、謙虚さを失い傲慢になった人は滅びています。/そしていま、人類は共通して傲慢になっている。あらためて謙虚な気持ちになって、自然に対して畏敬の念を持つことが大事です。また、そのような考え方に立脚した、新しい人類共通の哲学を確立する必要があります。[2009:33]

◆この小さな地球の中で、自分の国の利益だけを主張していたのでは、人類は生き残れません。「利他の心」を持って、人類全体の益を考え、みんなが平和に、繁栄を持続できるいい隣人関係を、国際社会もつくりあげていかなければなりません。[2009:45]

◆現在は循環型社会ではなく、一方通行の社会になっています。収奪をして、すべて浪費して前へ突き進んでいく。いまこそ循環型社会のあり方を学び、それを現代に引き直して応用していく必要があります。人類が生き残るには、それしか方法がないように思います。[2009:101]

◆人類が備えるべき思想の軸は何か。…大切なのは「思いやりの心」を持つことです。…このもっとも大切な心を人類はいま見失いつつある。だからもう一度、蘇らせる必要があるのです。そうすれば、われわれが抱えている問題の多くは、自ずから解決へ向かうはずです。[2009:144]

◆…才能ということで大切なのは、謙虚であるということです。実業界にも、すばらしい着想を抱き、困難に立ち向かう勇気を持ち、弛まぬ努力を重ね、成功を遂げるそのような人は数多くいます。/しかし、そんな成功者の十人中九人は、「自分は特別で、すぐれた才能がある」などと勘違いするようになってしまう。そして、層思うようになったときが、凋落の始まりなのです。驕り高ぶるようになり、努力も怠るようになる。すると、会社の業績も悪化していき、ご本人もダメになっていく。[2009:200-201]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20131224 REV:20140128
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