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『ADHD・アスペ系ママへんちゃんのポジティブライフ――発達障害を個性に変えて』

笹森 理絵 20090120 明石書店,222p.

last update: 20110513

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■笹森 理絵 20090120 『ADHD・アスペ系ママへんちゃんのポジティブライフ――発達障害を個性に変えて』,明石書店,222p. ISBN-10: 4750329134 ISBN-13: 978-4750329130 \1575 [amazon][kinokuniya] ※ adhd a07 dd ld m

■内容

・内容紹介
ADHD・LD・アスペルガー症候群、さらには二次・三次障害を併せもつ著者が、波瀾万丈の半生をブログ調で軽妙に語る。
周囲とのズレや違和感を感じながらトラブル続きの幼児期・思春期を過ごし、結婚、出産、そして育てにくい子の養育に悩むどん底のなかで、障害を診断してくれる先生と出会う。自分の障害を特性と捉えてから人生をやり直し、生まれてきたこと、生きていることのありがたさ、そして家族の絆を実感する。つまずきながらも失敗を笑いに変え、走り続けるへんちゃんからあなたへ、明日への勇気を与えるメッセージ!(漫画・イラスト多数収録。また、パートナーの笹森史朗さんも一部執筆)

・著者について
発達障害のデパートと呼ばれるほど、ADHD、AS、算数のLD、発達性協調運動障害の特性を併せ持ちながら、高機能自閉症やADHDなど発達障害のあるお子さんを育てる3児の母。当事者、母親、援助者の視点を生かし、保護者など親の会、一般の方々、教育、福祉、医療、行政などの専門職・援助職の方々に向けて、講演会や研修会等での啓発活動を行っている。また、現在、神戸親和女子大学で精神保健福祉を学んでいる。

■目次

第1章 へんちゃんができるまで―自分を探して
 生まれ出ずる苦労
 多動で負傷?
 鉄砲玉
 ほか
第2章 今のへんちゃん―自分を見つけた
 Dr.Bear(クマ先生)との出会い
 いよいよ診察室へ
 言葉の鎖
 ほか
第3章 へんちゃんのパートナーより―自分らしく生きる
 固い軟体動物
 子どもたち、奥さん、そして家族のこと
 子どもたちへ
 ほか

■引用

 「結局、神経科で抗ウツ剤をもらって飲んでも、一向にウツは晴れず、逆に副作用がきつくて朝、起き上がることさえできなくなってしまった。/言葉を話すこともますますしんどくなって、旦那が横にいても言葉に出せないから、携帯電話で文字を打って、それを見せて会話しているぐらいひどかったの。/そして、ある日……病院の帰りに本屋に寄ったんだけど、自分が親との関係の問題が実はとても強くて、アダルトチルドレンだと知ったことで精神系の本を読んでいたから、だいたいその辺りの本棚をぶらついていたのね。/ふと一冊の本を見た。
 「片付けられない女たち」
 実は、この本の存在を知ってはいたの。/でも、今まで何か怖くて見ないできたんだけど、その時はちょっと心理状態が違ったんだろうね。無意識に手にとって開いてみた。正直、ゲッっと思った。/だって……あたしのこと、そのものじゃん……。」(笹森[2009:139])

 「予め用意しておいた幼児時代からの記録、成績表、通知簿、自分の困り感を書いたメモを先生に見せたの。/先生はそれを丁寧に見ながら、私に問診しつつ、診断基準のチェックを入れたり、必要な資料はコピーをとったりしてくれて、ほんとにじっくり聞いてくれたんだよね。/で、一言。
 「いやあ〜……ADHDだと思うわ。これだけ診断基準を満たしてるからなあ。……こんなにひどいのに、なんで今までわからんかったん??」
 衝撃……。/やっぱりそうだったんだ!!!/そして先生は続けた。
 「できないのはな、努力不足とか、自分の甘さのせいとちゃうねんで。それは脳のせいやねん。だから、自分を責めたら<0143<あかんで」
 何だろう……何かが壊れていくのがわかったような気がした。さらに先生は付け加えた。
 「この成績表を見たら、算数の学習障害もあるかもしれんね。それから、ちょっと気になるのは、こだわりが強いこと、枠がないと動きにくいというところにチェックがあることやな。もしかしたら、アスペルガーも入ってるかもしれへんなあ」
 そういって、一枚のメモに書いて説明してくれたの。
 「君の場合、混合性のADHDでリタリンが効くタイプだと思うから、飲んでみるといいよ。混合性のADHDにこだわりがくっついていう感じかなあ」(笹森[2009:143-144])

 「私にとっての障害告知は、いわゆるレッテル貼りではなくて、行き直すための道しるべ。/今まで、見えなかった敵が初めて見えて、それにはいろいろ戦う術があるのだと知った。/そして、過去の私の失敗の原因は私の努力不足ではなくて(全てとは言わないまでも)、生物学的事由から来る、れっきとした原因があると知ったことで、自責の堂々巡りから抜け出すことができたの。/だって、それまでは、毎日、毎日、私が悪い、全ては自分のせい……ってあれもこれも挙げて数えながら、自責して泣いていたんだもの。
 ただね……確かに、葛藤はあった。/そうはいっても、私はできないことを障害のせいにして、結局は甘えて努力していないんじゃないのかなとか、私の頭は不良品なんだ……とか。/先天性の障害でありながら、気持ちはどこか中途障害を負った人に近い部分もあったりね。
 だけど、クマ先生に出会い、診断を受けて、へんちゃんは生まれ変わった気がしてる。/クマ先生に出会えて、本当によかった。/私の命の恩人だし、新しい人生を先生にもらった気がして、この新しい人生を大切に生きなくては……そう思って今の私があるというのかなあ。/先生、本当にありがとうございます。」(笹森[2009:145])

リタリンと私 (笹森[2009:161-164])
 「結局、色々試した結果、落ち着いた分量は朝1錠、昼半錠。
 それ以来、分量は増えていません。よく、薬に慣れてしまい、効きが悪くなって勝手に増量したとか、幻覚を見たとかで問題になっているけれど、私からしたら有り得ない話。
 あんなの大量に飲んだら具合が悪くなって、とてもじゃないけど無理。/それに、特に慣れて量を増やしたいということもないし。/適量は人によって違うけど、決められた範囲内なら何も怖いことにはならないなあというのが私の実感。
 分量を守って飲んでいたら、単に「普通の人」<0161<になるだけ(笑)。/別にスーパーマンになるわけでもなく、ダイエットになるわけでもないし。
 オーバードーズする人は多分、何か心にしんどい所が案て、リタリンに限らず他の薬でも依存したり飲み過ぎるリスクがあるのではないかなと思います。
 リタリンを飲んだらどうなるか。よく聞かれることだけど、本当に一言……。
 「普通の人になるだけ」なんだよね(笑)。
 近眼の人はわかりやすいかもしれないけど、例えるならリタリンは眼鏡みたいなものかな。
 子どもの頃からいつもおでこの辺りが白い霧でモヤモヤしてすっきりしないのね。で、ぼーーーってしてる。/それがリタリンを飲むとすっきり晴れる感じ。
 私もそうだけど近眼の人って眼鏡してないと、視界がボヤーッとしてるじゃない?/で、眼鏡をかけると視界のエッジがはっきりくっきりする……そんな感じかな。
 書類を見ていると、ボヤボヤーと見えて、集中できなくてぼんやりしてるんだけど、リタリンを飲むとしばらくしてみると、書類が濃く、くっきりはっきり見えるんだよね。<0162</当然、集中力が全く違うと思う。/低覚醒の頭がきちんと起きる感じかな。
 それからよく聞かれるのは、副作用は?ってこと。
 私は大人だからかもしれないけど、特に困ることはないなあ。/初めて飲んだ時は動悸が来たけど、たまったドーパミンが一気に流れているからで、これも慣れたらなくなった。/べつに頭痛もないし腹痛もないし、食欲不振もなく、特筆するようなことは何もない。
 ポイントはやっぱり自分にあった量を見つけることなんだと思う。/多過ぎても具合が悪いし、足りないと効果が出ないし、自分に合った量を見つけるのに、ちょっと時間はかかったけどね。
 でも飲み始めて以来、朝のどうしようもない焦燥感がなくなって、衝動的に家を飛び出すことがなくなって落ち着いたよ。
 やっぱり飲んでからの方が楽になったかな。/車の運転も、旦那が言うには薬を飲んでなかった時代とはえらい違いらしい。/車間距離自体が違うらしいから(^-^;
 生活の質がこんな小さな薬1錠で上がるなんて、本当にびっくり。
 今までのしんどい人生を思うと、もっと早くにリタリンに出会っていればとつくづく思います。<0163<
 ※リタリンは現在、ADHDでは処方されていません。」(笹森[2009:161-164])

■書評・紹介


■言及

◆立岩 真也 2008- 「身体の現代」,『みすず』2008-7(562)より連載 資料,

◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ [amazon][kinokuniya] ※


UP: 20090509 REV: 20090602, 0829, 31, 20110513, 20140825
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