『戦争の日々 上――天皇から娼婦まで、戦時下日本の実況ドキュメント』
朝倉 喬司 20090125 現代書館,232p.
last update:20110311
■朝倉 喬司 20090125 『戦争の日々 上――天皇から娼婦まで、戦時下日本の実況ドキュメント』,現代書館,232p. ISBN-10:4768469876 ISBN-13:978-4768469873 \1800 [amazon]/[kinokuniya] d/mw ※
■内容
内容紹介
満洲国建国で日本中は大いに沸いた。そして次第に気分は閉塞し、真珠湾で再び弾けた。
昭和13年元旦横浜の主婦は中国戦線の夫の夢を見て、初詣。そのころ天皇を初めとする軍の上層部は……。天皇軍人内外外交官から庶民までの日記や雑誌新聞記事をもとにあの戦争中、日米中の人々は如何に生きたかを、立体的に活写した実録生活誌。
一庶民から天皇まで、近頃新しい日記や記録が公開されている。今だから分かる当時の人々の気持ちの奥底。戦いは回避できたのではないか。様々な記録を縦横に繙き、「本書によって世界から戦争を無くすことに2~3センチ近づいた」と著者に言わしめた書。
内容(「BOOK」データベースより)
臨場感をもってアプローチした、戦争の生の現実。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
朝倉 喬司
1943年岐阜県生まれ。早稲田大学第一文学部社会学科中退。以後、遊んで暮らす二年余、業界誌を経て、『週刊現代』記者。記者生活十年余の後、独立、フリーのもの書きとして、あれこれわがままな題材の選び方をして現在に至る。現在、全関東河内音頭振興隊隊長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はしがき
第一章 非常時の新妻 寅年の祈り
[昭和十三年]南京陥落から武漢攻略
戦勝の春
まじないに込めた願い
時ならぬ幼女誘拐
武漢攻略、ガソリン統制
戦勝気分の変化
第二章 「妹の力」酒浸りの「兄」の暗黒日記
[昭和十四年]大陸の戦線膠着 ドイツ軍ポーランド侵攻
柳田國男の時局批判
非常時の新聞投書
千人針の呪力
空回りする「精神」
暗黒の日記より
東亜新秩序声明
ベストセラー『麦と兵隊』
欧州の天地は複雑怪奇
自堕落の淵から
第三章 怪人・赤マントの予言
[昭和十一〜昭和十二年]二・二六事件から日中戦争へ
転向・転用の世の中
血税一揆から「学校の怪談」まで
赤マントの怪人、跳梁す
「脂取り」の噂
「赤紙」のシステム
権力テクノロジーの異常発達
「職工さんの街」の繁栄
戦時下のバタ屋、精神病院
第四章 出よジャンヌ・ダルク 荷風散人怒りの日々
[昭和十五年]近衛新体制、日独伊三国同盟締結
忍耐も限界の『断腸亭日乗』
貴公子、近衛文麿の登場
ああ、わがフランスよ!
松岡洋右の剛腕ぶり
斎藤隆夫の"反軍"演話
「日独伊ソ」四ヶ国同盟構想
「新体制」への頼りない始動
僕の先祖には藤原道長……
骨抜きになった翼賛会
帰還兵発狂の噂
第五章 熱に浮かされた南進ムード
[昭和十六年]日ソ中立条約で南進へ
ルーズベルトの真意
「衝動」に似た南進志向
「南進」、いちやくブームに
松岡外交の"大成果"
大東亜共栄圏の構想
青天の霹靂、独ソ開戦
第六章 アメリカ大使と日本外相の奇妙な友情
[昭和十六年]ABCD包囲網 瀬戸際の日本外交
南部仏印進駐と「関特演」
ジョークの機会を逸した外相
戦争と平和のシュミレーション
軍需ブローカーの怪気炎
東条首相魚河岸を"急襲"
第七章 近衛文麿のボヤキ 松岡洋右の慟哭・号泣
[昭和十六年]日米開戦
最後の賭けに出た近衛
瀬戸際の日米交渉
東郷外相の失望とルーズベルトの誤算
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志