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『社会的排除――参加の欠如・不確かな帰属』

岩田 正美 20081210 有斐閣,206p.


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■岩田 正美 20081210 『社会的排除――参加の欠如・不確かな帰属』,有斐閣,206p. ISBN-10:4641178038 ISBN-13: 978-4641178038  \1575 [amazon][kinokuniya] ※

■内容
ホームレスやネットカフェ難民,長期失業の若者や日雇い派遣など,福祉国家の制度からこぼれ落ち,呻吟する人々。彼らはなぜ,どのようにその拠り所を失ったのか。貧困研究の第一人者が「社会的排除」概念の意味と役割をクリアに示し,日本のリアリティに鋭く迫る。 内容(「BOOK」データベースより) ホームレスやワーキングプア、ネットカフェ難民、日雇い派遣、孤独死や自殺など、福祉国家の制度からこぼれ落ち、呻吟する人々。彼らはなぜ、どのようにその拠り所を失ったのか。グローバリゼーションとポスト工業社会において、深まるばかりの社会分裂を、どのように分析するか。曖昧に使われてきた「社会的排除」概念を、社会参加と帰属に焦点を当てて、理論的にクリアに示し、データとフィールドワークを駆使して、日本の今のリアリティに迫る。

■目次
序章 社会に参加するということ
 1 新しいショッピングモール
 2 社会に参加するということ―「関係者」と「関係者以外」
    者医参加とは?/存在証明とそのランキング/「社会的排除」から見えてくるもの
第1章 「社会的排除」とは何か
 1 「フランス生まれ、EU育ち」
    パリ郊外と暴動/フランスと「社会への参入」/若年失業者問題とEUの社会的包摂/
 2 社会参加の欠如
    社会的排除とは?/「参加」の欠如/複合的な不利/排除のプロセス/空間的排除/福祉国家の制度との関係
 3 新しい経済社会状況と福祉国家の限界
    グローバリゼーションとポスト工業化/気球社会から砂時計社会へ
 4 フランスとイギリスの違い―連帯社会VSシティズンシップ
    フランスの連帯主義/イギリスのシティズンシップ/アメリカのアンダークラス論
第2章 社会的排除vs貧困
 1 「社会的排除」は「貧困」に代わる用語か―貧困論からの批判
    貧困や失業はもう古い?/貧困論からの反論
 2 リスターの整理
    貧困と社会的排除の重なり合い/貧困の拡大「レンズ」?
 3 社会的排除の有効性―それでも魅力的な言葉であるわけは
    社会の中の個人を問う/社会そのものを問う…
 4 差別や孤立との関係
    差別との違い/孤立との違い
第3章 社会からの「引きはがし」と「中途半端な接合」―路上ホームレスから見た二つの経路
 1 典型としての「路上ホームレス」と「ネットカフェ・ホームレス」
    排除指標による一般的計測/「定点」の喪失から究極の排除をとらえる/二つのホームレスをなぜ取り上げるのか
 2 路上ホームレスに至る経路
    路上ホームレスに至るいくつかの経路/三つの類型
 3 事例から見るホームレスの多様な排除の軌跡
    転落型/長期排除型/労働住宅型
 4 社会からの「引きはがし」と社会への「中途半端な接合」
    社会からの「引きはがし」/社会への「中途半端な接合」/排除の主体
第4章 若者と社会への「中途半端な接合」―ネットカフェ・ホームレスの場合
 1 「ネットカフェ・ホームレス」
    ネットカフェ・ホームレスの概要/住居を失った理由と学歴
 2 事例でみる若年ネットカフェ・ホームレスの軌跡
    大阪の聞き取り調査による若年ネットカフェ・ホームレスの典型事例/親との関係も就業も不安定で家出/「まともな仕事」がないから親と衝突して家出/その他の事例
 3 「中途半端な接合」における家族と学校
    不安定な家族・キレる親/影の薄い学校の位置/フリーター・ニート=「移行期の若者論」
第5章 周縁―地域空間と社会的排除
 1 周縁―隠蔽と隔離
    周縁の必然性/「住宅以外」のすまい―「寮」と「ヤド」/住宅以外の住まい―「シセツ」と「ミセ」
 2 街がきれいになる―「よき隣人」をめぐるコンフリクト
    都市再開発と周縁の崩壊/寄せ場の機能縮小と脱施設化/「よき隣人」をめぐるコンフリクト
 3 空間から逃げる・閉じこもる・消える
    逃げる・閉じこもる/消える/富裕層が逃げる・閉じこもる
第6章 セーフティネットからの脱落―福祉国家と社会的排除
 1 国民皆保険・皆年金体制と排除
    社会保険と運用システム―路上ホームレスの場合/「ネットカフェ・ホームレス」の場合
 2 最後のセーフティネット―生活保護と排除
    生活保護からの排除/制度による排除―特殊保護と生活保護利用のスティグマ/制度へのアクセス―資格認定
 3 制度のちょい利用/制度から逃げる
    制度のちょい利用/滞納と制度の空洞化
終章 社会的包摂のあり方  1 社会的包摂とは何か
    ポスト福祉国家 統治戦略/労働参加の協調/わが国の「自立支援法」の特徴/労働参加による包摂の問題点
 2 多様な包摂への視点
    包摂の多様な基点と帰属証明/帰属の承認と一人でも生きていける基盤整備
 3 もっと積極的な包摂へ
    視点を基点とした社会的な包摂へ―アセットベース福祉へのチャレンジ/「周縁部」から見つめ直す
あとがき
引用文献
さらに読み進む人のために
人名索引
事項索引

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:三野 宏治 
UP:20090525 REV:
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