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『メチル水銀を水俣湾に流す』

入口 紀男 20081020 日本評論社,182p.

last update:20131013

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■入口 紀男 20081020 『メチル水銀を水俣湾に流す』,日本評論社,182p. ISBN-10: 4535585547 ISBN-13: 978-4535585546 \1900+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

元治2年の幕末に、すでに西欧ではメチル水銀中毒のおそろしさが知られていた。ではなぜ日本でだけ、メチル水銀中毒症がこれほど大規模に起こったのだろうか。 その謎を追って著者の長い旅は続く。

■著者略歴

熊本大学総合情報基盤センター教授・大学院自然科学研究科教授・大学院社会文化科学研究科教授。1947年水俣生まれ。専門は生命体画像工学、 ネットワーク社会における私的権利の保護。九州工業大学大学院工学研究科修士課程電気工学専攻修了。旭化成株式会社に勤務(1971‐2002年)。 米国イリノイ大学・米国厚生教育福祉省NIH研究員(1975‐1978年)。工学博士(東京大学大学院工学系研究科)。シーメンス社日本法人磁気共鳴応用技術担当部長。 旭化成株式会社機能製品カンパニー付知的財産担当部長。2002年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

はじめに

第1部 メチル水銀中毒症の発見
1 聖バーソロミュー病院(英国・ロンドン) 一八六五年
2 王立森林研究所(ロシア帝国・聖ペテルスブルグ) 一八八一年
3 日本窒素肥料株式会社(熊本県葦北郡水俣村) 一九〇八年
4 チューリヒ大学(スイス・チューリヒ) 一九一六年
5 ノースウェスタン大学(米国・イリノイ州) 一九二一年
6 ノートルダム大学(米国・インディアナ州) 一九二一年
7 オックスフォード大学(英国・オックスフォード) 一九二七年
8 水俣湾(日本・熊本県) 一九三二年

第2部 星降る町
1 三年が浦 一一八八年
2 舟津 一一九〇年
3 木臼野 一一九一年
4 恋路島 一五八五年
5 曾木発電所 一九〇六年
6 水俣湾 一九一一年
7 古賀川 一九三四年
8 濱八幡宮 一九三九年
9 水俣湾 一九四〇年
10 小学校 一九五三年
11 旧工場 一九五四年
12 避病院 一九五四年
13 水俣市役所 一九五四年
14 水俣保健所 一九五五年
15 星降る町 一九五六年
16 水俣保健所 一九五六年
17 水俣工場付属病院 一九五六年
18 水俣川河口 一九五六年
19 秋葉山 一九五六年
20 明神岬 一九五六年
21 湯乃児 一九五七年
22 濱の公会堂 一九五八年
23 水俣川河口 一九五八年
24 水俣保健所 一九五八年
25 明神岬 一九五九年

あとがきに代えて

メチル水銀中毒症の病像
なぜ日本で起きたか
「水俣病」という用語は慎重に使いましょう
患者への補償
全国で魚介類を介して起きているメチル水銀中毒症
この本を書くに至った動機
謝辞

引用文献

■関連記事

「水俣条約:外交会議閉幕 途上国への支援求める意見続出」『毎日新聞』2013年10月12日
 水銀の輸出入などを規制する「水俣条約」を採択した外交会議は11日、熊本市で3日間の日程を終え、閉幕した。会議には約140カ国の閣僚ら約1000人が出席。 最終日は各国政府代表が声明を発表したが、新興国や途上国からは、早期批准に向けた先進国の支援を求める意見が相次いだ。
 最大の水銀排出国である中国の代表は、批准に前向きな姿勢を示す一方、「速やかな批准には資金と技術援助が必要だ」と付け加えた。タンザニアの代表は 「アフリカ各国の小規模な金鉱山で水銀が使われ、特に子どもたちが水銀の危険にさらされている」と強調、監視強化へ協力を求めた。
 50カ国以上の批准を経て、2016年にも発効する見通し。議長を務めた石原伸晃環境相は「途上国支援をしっかり続けたい」と語った。【松田栄二郎】
http://mainichi.jp/feature/news/20131012ddm012040114000c.html


「水俣条約:採択 元チッソ労組委員長「脱水銀、出発点に」期待」『毎日新聞』2013年10月10日夕刊
 10日採択された「水俣条約」に期待を込めるのは被害者ら関係者だけにとどまらない。熊本県水俣市の原因企業チッソの元社員、山下善寛さん(73)は 「毒」を海に流した側の一人として責任追及と被害者救済活動を続けている。外交会議会場では周辺に残る水銀汚染箇所に関する調査結果をパネル展示し、 水俣病が終わっていないことを明らかにしている。「これを出発点に、世界が水銀排出をすべてやめるまで、その危険性を訴えたい」と話す。
 「将来性がある」と入社した1956年、水俣病が公式確認された。もちろん原因企業と知るよしもない。配属された研究室での仕事は、ネコの脳などに含まれる水銀値の分析。 持ち込まれたネコは水銀が投与されていたが、そのことは聞かされず、「死因は水銀」とみられる実験結果が公表されることもなかった。
 61年暮れごろ、同僚に、ある結晶を見せられた。「チッソの工場排水から抽出した有機水銀だ」。説明に衝撃を受けた。 水俣病の原因物質を巡っては「有機水銀説」も浮上していた。が、チッソは自社の責任を認めていなかった。
 「原因はチッソだった……」。その事実が重くのしかかる。しかし外部に漏らすと解雇される。口をつぐむしかなかった。日々襲われる罪悪感。 垂れ流しは国が「原因はチッソの排水に含まれる有機水銀」と認める68年まで続いた。
 「排水を止めていれば被害拡大を防げたかもしれない。市民がどれだけ苦しんだか。でも勇気を持って言うことはできなかった」。 同年、結成された患者支援組織「水俣病市民会議」に偽名で参加。一方で、組合活動にのめり込んだ。会社側からは配置転換や自宅待機などの差別、嫌がらせが続いたが、 屈することなく患者支援に打ち込み、組合委員長を引き受けた。
 1990年まで12年間、チッソの第1労働組合委員長として会社側の責任追及や情報開示などに取り組んだ。2000年の定年退職後も患者支援を継続。 最近は水俣市周辺工場から排出された廃棄物に含まれる水銀などによる汚染箇所を精力的に調査している。
 条約採択に改めて思う。「水俣病は終わっていないし、汚染された自然環境も復元されていない。排水垂れ流しの責任は今後も背負い続けるが、条約採択を基に、 より良い仕組みをつくらなければいけない」【笠井光俊】
http://mainichi.jp/feature/news/20131010dde041040016000c.html


「水俣条約会議:安倍首相「被害を克服」患者団体は反発」『毎日新聞』2013年10月09日
 安倍晋三首相は9日、「水俣条約」外交会議の開会式に寄せたビデオメッセージで「水銀による被害とその克服を経た我々」と述べた。水俣病の救済を巡る訴訟もあり、 水俣病患者や患者団体からは「今でも大勢の人が苦しんでいることを知らないのか」「『克服』という言葉は被害者に許されない」など批判の声が相次いで上がった。
 安倍首相はメッセージで、国内の水銀使用量がピーク時の1960年代から0・4%に減るなど、水俣病の発生を機に官民挙げた「脱水銀」に取り組んだ成果を強調。 そのうえで「水銀による被害と、その克服を経た我々だからこそ、世界からの水銀の被害をなくすため、先頭に立って力を尽くす責任が、日本にはある」と続けた。
 式に出席した水俣病被害者互助会の佐藤英樹会長は厳しい口調で「訴訟を続けている人もいる中で、水俣病問題は全く克服されていない。 安倍首相は被害者に会ったことがあるのか。聞いていて怒りが込み上げてきた」。
 最大の未認定患者団体「水俣病不知火患者会」の大石利生会長も「実態を知らない人の言葉。福島第1原発について『コントロールされている』と言ったのと同じで、 格好をつけているだけ。国は『水俣病問題は終わった』としたいのだろう。許せない」と憤った。
 石原伸晃環境相もあいさつの中で、被害者救済に関しては一言も触れなかった。【笠井光俊、阿部周一】

 開会式典会場で流れた安倍首相のビデオメッセージ=熊本県水俣市の市文化会館で2013年10月9日午後5時21分、三村政司撮影(拡大写真)
http://mainichi.jp/select/news/20131010k0000m040097000c.html

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP: 20131003 REV: 20131013
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