『アキハバラ発――〈00年代〉への問い』
大澤 真幸 編 20080926 岩波書店,234p.+4p.
last update:20110825
■大澤 真幸 編 20080926 『アキハバラ発――〈00年代〉への問い』,岩波書店,234p.+4p.(執筆者紹介) ISBN-10:4000220470 ISBN-13:978-4000220477 \1575 [amazon]/[kinokuniya] ※ l09 c0112
■内容
なぜこのような悲劇が? 事件を糸口に時代の像を描く。
秋葉原でおきた無差別殺人事件。「犯行そのものはけっして許せないが、犯人の心情には共感する」という、ネットを中心に顕在化した同世代の声をどう受け止めればよいのでしょう。そこには、若い世代が抱える怒りや孤独、不満、不安、絶望など、私達が目を逸らす事が出来ない、いくつもの問題が横たわっています。
本書は、非正規雇用の急速な拡大やコミュニケーション様式の変容など、〈00年代>の流動する社会状況に位置づけたとき、この事件が何を問うているのか、2010年代に向けて浮かび上がってくる課題とは何かを考える緊急出版です。
第一線の研究家や作家、ジャーナリストによるルポや論考、座談会、コラムで構成します。
■目次
はじめに 大澤 真幸
T
真夏の秋葉原を歩いて、ここには本質など何もないと気づいた 森 達也
「排除」のベルトコンベアとしての派遣労働 竹信 三恵子
孤独ということ――秋葉原事件を親子関係から考える 芹沢 俊介
若者を匿名化する再帰的コミュニケーション 斎藤環
街路への権利を殺人者としてでなく民衆として要求しなければならない 和田 伸一郎
[コラム]
追い詰められた末の怒りはどこへ向かうのか 雨宮 処凛
K容疑者と生活困窮者の間 湯浅 誠
U
[インタビュー]
「私的に公的であること」から言論の場を再構築する 東 浩紀
存在論的な不安からの逃走――不本意な自分といかに向き合うか―― 土井 隆義
事件を語る現代――解釈と解釈のゲームの交錯から 佐藤 俊樹
無差別の害意とは何か 中西 新太郎
極端現象か、場所の不安なのか――秋葉原殺傷事件の社会学的前提を考える―― 内田 隆三
[コラム]
劇場型犯罪の果て 速水 健朗
主客再逆転の秘義 永井 均
V
世界の中心で神を呼ぶ――秋葉原事件をめぐって―― 大澤 真幸
事件を「小さな物語」に封じ込めてはならない 吉岡 忍
なぜKは「2ちゃんねる」ではなく「Mega-View」に書き込んだのか?
――二〇〇〇年代のネット文化の変遷と臨界点をめぐって―― 濱野 智史
孤独であることの二つの位相 浅野 智彦
[コラム]
この二〇年で私たちが学んだこと 伊藤 剛
〈この手の事件〉のたび私が思う漠然としたこと 岡田 利規
W
[座談会]
〈承認〉を渇望する時代の中で 大澤 真幸、平野 啓一郎、本田 由紀
執筆者紹介
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:鈴木 耕太郎