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『プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。』

小沢 正光 20080921 インプレスジャパン,205p.

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last update:20110608

■小沢 正光 20080921 『プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。』,インプレスジャパン,205p. ISBN-10:4844326228 ISBN-13:978-4844326229 \1680 [amazon][kinokuniya] ※

■内容

内容紹介
広告のプロのプレゼンが“通る”理由

話す側の目線でプレゼンにのぞむから、「通らない」と嘆くことになる。
プレゼンは自分の場ではなく、相手の場だ。
「聞く側の論理」で組み立てれば、かならず「納得」をつくれる──。

チーム・マイナス6%やアサヒスーパードライをはじめ、数々の大仕事を実現させてきた 博報堂の名クリエイティブディレクター小沢正光が、35年のキャリアを通じて培った「プレゼンのやり方」を公開。

「フレーズ主義」の企画書や「シンボリックデータ」の使い方、自分ではなく他人にやってもらう「リハーサル」、プレゼンを支配する「3つの言葉」など、準備から組み立て、現場での戦い方にいたるまで、「納得をつくり出すプレゼン」のやり方を書き下ろした新しいプレゼンバイブル。

ベストセラーとなった「プロフェッショナルアイディア。」に続く、小沢正光の「プロフェッショナルシリーズ」。

著者について
小沢正光(おざわ・まさみつ)

株式会社博報堂 常務執行役員
エグゼクティブ クリエイティブディレクター

1951年埼玉県生まれ。東京教育大学文学部哲学科卒。株式会社博報堂入社後、第二制作局グループヘッド、MDU(マーケットデザインユニット)第一制作局グループヘッド、株式会社博報堂シーアンドディ代表取締役兼クリエイティブディレクターなどを経て現職。 ビール業界で不動の地位を確立した「アサヒスーパードライ」のほか、日産自動車、アップル・コンピュータをはじめとする多数の企業のテレビCM、新聞広告、雑誌広告などの企画制作やブランディングを手がけた。


■目次

はじめに  プレゼンの「心得」。
  プレゼンは説得の場ではない
  プレゼンは商品である
第1章  プレゼンの「準備」
第2章  プレゼンの「組み立て」。
第3章  プレゼンの「現場」。
第4章  プレゼンの「学び」。
あとがき  プレゼンは共同作業の場である。

■引用

◆最大の目標は、受け手が妥当な判断を下せるような状態をつくることにある。/つまり自分たちが提案する内容について、適切に理解してもらえるように仕向けることだ。/知らないことや理解できないことは、判断のしようがない。だから、まずは知ってもらい、理解してもらう。……/プレゼンは説得の場ではないのだ。あくまで、受け手のための場であって、理解をしてもらう場だ。[2008:8-9]

◆受け手が話を理解しやすいようにと、組み立てていく段階からさまざまに配慮し、すべてを綿密に設計していくのだ。/そして、ひとたびプレゼンの現場に立てば、こんどは準備してきたものを駆使して、ライブならではやり方をするのである。[2008:15-16]

◆プレゼンの準備に取りかかるとき、私はまず、「このプレゼンはなんのためにやるのか」と問いかけることからはじめる。/目的の見きわめ、あるいは目的の設定といってもいいかもしれない。その「プレゼンという仕事」をすることで、どういうことが達成されなくてはいけないのかと、ゴールイメージを最初に描くのだ。/到達点がイメージできていなければ、いい作業ができないのは、 プレゼンもほかの仕事と同じだ。もっといえば、プレゼンの作業目的やビジネスとしての目標がはっきりしなければ、組み立て方もはっきりしない。[2008:25]

◆プレゼンの準備の段階で、もうひとつ、かならずやっておかなくてはならないことがある。「相手」を知ることだ。……/だから、「相手」の考え方を十分に知って、その人の価値観をふまえて提案するのである。……/はじめて会った見知らぬ人に、自分の考えを理解させるのは容易なことではない。「相手」の考え方を知っているからこそ、説明の仕方も見えてくるのである。[2008:33-34]

◆プレゼンの目的は、受け手が判断することにあるのだから、すべてが伝わらなくても、適切に内容を理解してもらえればそれでいい、と少しだけ開きなおって考えるしかない。/だからこそ、プレゼンのコンセプトを「ひとこと」で表現する必要があるのだ。/的を外さないためにも、話の中心となる軸を、明確にしておくのである。「いろいろ話しますが、結局、ひとことでいえばこれです」という部分。そこがはっきりしていれば、理解にブレがない。/ 逆に、"ひとこと化"したものを、プレゼンの時間に合わせて膨れませていく。/ひとことでいうと……。これなら1秒で語ることができる。/それをもう少し詳しくいうと……、さらにもう少し詳しく言うと…… と、適切な要素を足していく。/骨に少しずつ肉づけをしていく。あるいは、樹木の幹に枝葉をつけていくイメージだ。そうすれば話の長さによって軸がぶれることもないし、仮に30分のプレゼンでは すべての内容の20パーセントの量しか伝えられないとしても、的を得た20パーセントを伝えられる。……/話すプレゼンターが曖昧にしか理解できていないことを、受け手がはっきり理解するわけがないのだから、"ひとこと化"はプレゼンの絶対条件である。[2008:44-46]

◆紙でもホワイトボードでもかまわないが、プレゼンのコンセプトについて、要点やポイントとなるべき考え方、論点などを書き出してみる。そうすれば、プレゼンのコンセプトに関する自分の「頭のなか」がそこに具体化される。/ あとはそれを見ながら、考えを整理していくのである。[2008:48]

◆多くの本では、あるひとつのテーマを説明するために1冊が費やされる。目次は、読み手にテーマを理解してもらうために語られなければならないトピックの羅列だ。/それと同じく、プレゼンのコンセプトを具体的に理解してもらうために必要な「納得材料の羅列」をつくるのである。[2008:53-54]

◆前から順に時系列で項目をたどっていって、スムーズに話が理解できるかどうか。それを受け手の立場になってみて確認しながら作業を進める。/ポイントは、前後の項目とのつながりが論理的であること。さらにその論理展開が、平易なものであること。論理の破綻はもちろん、飛躍があってもいけない。/ ただし、忘れてはならないことがひとつある。「受け手は、はじめてその話を聞く」ということだ。……/はじめて話を聞く人が、無理なく理解できるのかどうか。その視点をつねにもちつづけるようにする。/ もうひとつ、編集の際に考えなくてはいけないのは、全体の流れだ。つまり、プレゼンのストーリーである。[2008:61-62]


結論はなんなのか。
なぜそうなるのか。
この2つのポイントについて、短い言葉での説明を求めている。それがわかれば、彼らは判断が下せるのである。[2008:68]

◆論理と感性の両方を兼ね備えたプレゼンを組み立てるためには、アイディア開発と同じく、やはり2回壊すのがベストだ。いや、このくらいやらなければ、受け手に伝わるプレゼンにならない。[2008:106-107]

◆プレゼンの現場でもっとも大切なのは「場」だ。/事前に徹底的に準備をしておくのはもちろんなのだが、現場には現場の空気がある。それを感じて読みながら、柔軟に対応しくてはいけない。これも受け手に適切に理解をしてもらうために必要なことだ。/ 練りに練ったストーリー展開も、状況によっては崩して対応する。[2008:115-116]

◆「場」をうまく支配するために、私はプレゼン会場の下見をすることにしている。/できれば前日までに、それがかなわなくとも本番の15分か30分前には、会場を見せてもらう。決して他人まかせにしたりせず、かならず自分の目で見て確かめる。/ どのくらいの大きさの、どんな部屋でプレゼンするのか。/席の並びは、スクール形式なのか、シアター形式なのか、それともコの字型なのか。/誰がどこに座って、自分はどの場所で話をするのか……。納得がいくよう、細かなところまで確認をする。/どうでもいいこだわりを並べているのではない。ちゃんと理由があってのことだ。[2008:119]

◆書く内容がはっきりつかめていなければ、説得力のある文章が書けないのと同じで、自分のなかで整理できていないものを、相手にわかるように話せるはずがない。うまく話そうと考える以前に、話そうとする事柄について、徹底的に理解し、考え方が整理できているかを問うべきだ。/よくわかっている、では不十分。全体のコンセプトの"ひとこと化"はもちろん、各項目で伝えたい主張も"ひとこと化"しておく。/さらに、ひとつずつの項目のつながりを、平易なロジックで説明できるところまで理解を深める。第2章の「組み立て」で説明したとおりのことだ。プレゼンの現場では、それを順に話すだけでいい。[2008:136-137]

■書評・紹介

■言及



*作成:櫻井 浩子片岡 稔

UP:20100629 REV:20101130 20110606 0608
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