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『だから職員が辞めていく――施設介護マネジメントの失敗に学ぶ』

岡田 耕一郎・岡田 浩子 20080920 環境新聞社,113p.

last update:20111124

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■岡田 耕一郎・岡田 浩子 20080920 『だから職員が辞めていく――施設介護マネジメントの失敗に学ぶ』,環境新聞社,113p. ISBN-10:4860181492 ISBN-13:978-4860181499 \1050 [amazon][kinokuniya] ※ a02

■内容

■このままいけば、老人ホームから働き手が消える~担当編集者から~
「理想の介護」であるはずの、全室・個室ユニット型特別養護老人ホームでは、燃え尽き症候群により若者が職場を去る例が後を絶たない。
介護業界の人離れが問題になっているが、その原因は世間で思われているほど単純ではない。組織マネジメントの研究者が「職場」としては、救いようのない介護施設の現状をメッタ斬りするのが本書だ。
困ったときには「介護は心」を持ち出す無能な管理職、理屈ではなく、迷信が支配する職場、「思いつき」でコロコロ変わる方針、職員の生活を無視したきつい夜勤のシフト、介護VS看護になりがちなこんがらかった人間関係・・・。働いている人なら必ず思い当たるとことがあるはずだ。

本書では、組織マネジメントの視点からスウェーデンの介護施設の運営も紹介しているが、労働者への配慮と合理精神に貫かれており、はわが国とは対極にあるといっていい。週刊の介護保険専門紙「シルバー新報」掲載中から大反響だった連載に加筆。章毎に「議論のテーマ」を新たに設定、職場を振り返る研修テキストとして使用もできるように編集した。これから介護施設に就職する人、なぜ、職員が辞めるのかわからない経営者、管理者など職場として施設介護を考えるすべての人にお勧めだ。「理想の介護から理想の職場に発想を転換するための第1歩」(本書より)に。

■こんな方におすすめします
・これから介護施設に就職する人
・なぜ、職員が辞めるか分からない経営者
・部下がついてこない理由が分からない管理者
・理想の介護のカベにぶちあたっている人
・職場としての「施設介護」を考えるすべての人に
・各章末に「議論のテーマ」。職場内研修にも

■本書より
「介護現場で『心』が持ち出された時にはくれぐれも気を付けなければならない」
(第1章 魔法の言葉「介護は心」)

「職員の精神や肉体がすり減ってしまって燃え尽きるような夜勤のシフトを組んでいる施設、介護職員一人ひとりの良識や常識が潰されるような施設はなるべく近づかない方が安全だ」 (第14章 夜勤の介護がひどい)

「最近では、ユニットケアをやれば個別ケアが出来ていると早とちりする介護職員も多いが、介護は1に人手、2に能力、3、4がなくて5に建物だ」
(第18章個別ケアごっこ)

「『理想の介護』を実現するために、あるいは入居者のために、職員は馬車馬のようにひたすら働かされなければならないのか、ボロ雑巾のように使い捨てられてかまわないのか、原点に戻って真剣に議論すべき時だ」
(むすびにかえて)

著者について
岡田耕一郎(おかだこういちろう)
東北学院大学経済学部教授。日本、スウェーデン、ドイツの介護サービス組織のマネジメントを研究課題とする。

岡田浩子(おかだひろこ)
介護サービスシステムデザイナー。介護福祉士、社会福祉士。

■目次

はじめに
第1章 魔法の言葉「介護は心」
第2章 「理想の介護」の落とし穴
第3章 怪しい経営理念
第4章 小集団型のユニットケア組織
第5章 家庭的(疑似家族的)な介護
第6章 宗教的組織
第7章 マニュアル不要論
第8章 きちんとした日課表があるか
第9章 介護事故・苦情の取り組み
第10章 施設長の能力
第11章 管理職の能力
第12章 こんがらがった人間関係
第13章 人事考課と人材育成
第14章 夜勤の介護がひどい
第15章 環境を使ったケア
第16章 新しい物好き
第17章 猫の目介護
第18章 個別ケアごっこ
第19章 介護現場の3つのK
第20章 介護現場の3つのS
第21章 老人ホームが好きか
第22章 スウェーデン信仰
むすびにかえて〜「理想の介護」から「理想の職場」へ〜

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志
UP:20111124 REV:
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