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『分散する身体―エスノメソドロジー的相互行為分析の展開』

西阪 仰 20080915 勁草書房,407p.


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■西阪 仰 20080915 『分散する身体―エスノメソドロジー的相互行為分析の展開』,勁草書房,407p. ISBN-10: 4326602023 ISBN-13: 978-4326602025 \4200 [amazon][kinokuniya] ※ s

■内容
ヴィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーの立場。会話分析を通じて、私たちの心と行為の構造に「見通しのよい記述」をあたえる。

いま何をしているか、本人に聞けばわかるとは限らない。何をしているか、私は「知っている」という表現は、使えるときも使えないときもある。知識とは、相互行為の中で決まる何かなのだ。「見る」「想像する」など心的言語の用いられ方を丹念に記述する「心」の社会学。身体と身体、身体と道具の相互の構造化プロセスを徹底的に描く。

■目次
はじめに

断片に用いられている記号

序章 相互行為分析のプログラム 「暗黙知」という考えの危うさについて

第1節 行為の可能な記述
    行為者の主観的観点
    記述の実際的な可能性
    意図の合理性
    可能な記述の規範的性格
    行為の記述
    認識可能な行為
第2節 やり方(プラクティス)・知識・仕掛け
    見通しを得ること
    仕掛けを組み立てる
    「暗黙知」という概念の混乱
    知識の領域
    プラクティスを記述すること
第3節 行為と活動
    表現と概念
    達成としての行為
第4節 本書の構成
補論1 デュルケームマルクスについて
補論2 先行連鎖について

第1章 何の学習か 環境の構造・言葉・身振り

第1節 過程としての学習・達成としての学習
第2節 バイオリン奏法のインストラクション
    データ
    新たな課題
    提案
    学習の焦点であること
第3節 環境の構造化
    環境に連接された身振り
    弓の構造化
第4節 焦点化の達成と参加の組織
    達成としての枠付け
    相互行為のなかの弓
    参加の組織
第5節 「見ること」をすること
    見えること・見ること
    参加の再組織
    相互行為における弓の構造
第6節 演奏の組織
    弓の動きの経験
    弓の自体的な方向付け
    「弓の動きを見ること」をすること
    弓の動きの構造に合わせること
第7節 まとめ 条件について
補論 行為連鎖の優先組織について

第2章 分散する身体T 道具と連接する身体

第1節 身体・道具・知覚
    問題を提示すること
    次に何をどう行なうかの方向付け
    内側を見るということ
    参加フレーム
    活動中の道具
    分散する指示
    相互行為空間の組織と道具の複合感性的構造
    デュルケーム的身体
第2節 身体と表象・身体の表象
    表象であること
    表象の組織
    活動中の表象
    画像の様々な知覚
    一般化と見通し
第3節 身体に触れる手
    胎児の正常さの協同的達成
    達成される普通のこと
    触覚的表象
    「教える者」「教わる者」であることをする
    主張されない能力
    表象=代理であること
第4節 まとめ 知覚の多様性
補論 メルロ=ポンティとマルクス、あるいは相互行為空間という比喩について

第3章 分散する身体U

第1節 代理身体1 鏡像身体
第2節 代理身体2 平行身体
    モデル身体と代理身体
    休み方の実演
    見られる身体
    胎児の位置と向き
    分散する知覚
第3節 理想身体
    現実と対立する理想
    なぜここでか
    理想身体の組織
    受け手の理解
    志向の配分をめぐるジレンマ
    理想身体の合理性
第4節 比喩身体
    比喩身体の組織
    相手の身体に連接されないモデル
    診察のあと
    顔の規範的身分
    理由説明を求めること
    顔の不適切さ
第5節 モデル身体の適切性
補論 身体の不可能な条件、または「他者」の声について

第4章 分散する身体V 想像の空間

第1節 会話のなかの演技
    聞き手の演技
    語り手の演技
    手振りの演技
    演技の空間
    空間の合理的秩序
第2節 説明のなかの演技
    診断と治療
    説明の相互行為的達成
    説明の開始
    想像の空間の組織化
    説明の終わり
    雑駁であること
第3節 相互行為空間のなかの想像の空間
    「演者(パフォーマー)」と「説明者」
    「演じる者/視聴する者」であること
    「説明をする者/聞く者」であること
    説明の展開
第4節 二つ目 分散に抗する身体・収束に抗する身体
補論 物語を語ること
   デュルケーム的オブジェクトとしての物語
   物語の構造
   物語と物語を語ること
   物語の前置き
   舞台設定
   経験を語る
   物語の展開
   物語の可能な完了点
   物語の続き
   物語の終局
   物語からの脱却
   物語の認識論

終章 相互行為的オブジェクト 物・表象・身体

本文のなかで言及した文献一覧

索引

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:岡田 清鷹 
UP:20081014
社会学  ◇身体×世界:関連書籍 2005-  ◇BOOK
 
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