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『医療環境を変える――「制度を使った精神療法」の実践と思想』

多賀 茂・三脇 康生 編 20080830 京都大学学術出版会,426p.


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■多賀 茂・三脇 康生 編 20080830 『医療環境を変える――「制度を使った精神療法」の実践と思想』,京都大学学術出版会,426p. ISBN-10: 4876987513 ISBN-13: 978-4876987511 5700+ s[amazon][kinokuniya] ※ m.

*京都大学学術出版会のHP:http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=1549

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 病を癒すには、まず医療をめぐる環境を癒してからでなければならない。「制度を使った精神療法」をめぐる日本とフランスを中心としたの医療実践を紹介し、それらのバックボーンたる現代思想を解説する。病院機能評価によってますます硬直しつつある現在の医療・社会システムに風穴をあけ、「ひと」が癒える場をとりもどすために集結した、医療実務者と思想研究者による熱気あふれる論陣。

■目次

第一部 実践編

第1章 制度を使った精神療法の実践     ラ・ボルド病院とセクター制度
第1節 ラ・ボルド病院という場所〔多賀 茂、三脇康生〕
第2節 Documentラ・ボルド病院の経験〔ジャン・ウリ、ラ・ボルド病院スタッフ〕
第3節 制度分析とセクター制度は両立可能か
    セクター制度の歴史と現状から〔ティロ・ヘルト、和田 央〕

第2章 日本の精神医療現場での試み 
    四つの例、四つの声
第1節 市民団体による地域生活支援活動の試み
    横浜市中区・南区の精神保健福祉サービス活動の例〔菅原道哉〕
第2節 救急という制度を使う試み
    京都府南部地域の例〔和田 央、波床将材〕
第3節 病院内における制度を使った精神療法の試み
    沖縄いずみ病院の例〔高江洲義英〕
第4節 外から病院に働きかける試み
    精神医療審査会の例〔平田豊明、ミシェル・オラシウス、三脇康生〕

第3章 制度に取り組むために
    身近な制度分析の実践
第1節 医師という制度を分析する〔菅原道哉、三脇康生〕
第2節 Document看護師という制度を分析する〔ジャン・ウリ、吉浜文洋〕
第3節 医療環境という制度を分析する〔蓮見 孝、田村尚子、高崎正治〕

第4章 日本の精神医療と制度を使った精神療法はなぜ今まで出会えなかったのか〔三脇康生〕       
    実践篇のまとめとして

中間部 対話編 制度という論点をめぐって              
第1節 Document常識を外すことで看護システムを動かす〔野沢典子〕
第2節 Document制度を使うとはどういうことか〔上山和樹〕

第二部 思想編                        
第5章 制度を使った精神療法の思想
第1節 Document制度を使った精神療法とはなにか〔ジャン・ウリ〕
第2節 治療概念として
    ウリはなぜガタリの分裂分析を拒否するのか〔三脇康生〕
第3節 現代思想として
    制度とゲシュタルト--トスケイェス、ウリ、ガタリ〔合田正人〕
第4節 社会運動として
    新たな戦い--フーコーとガタリ〔多賀 茂〕

第6章 制度を使った精神療法とその周辺  
第1節 精神療法の歴史から
    その治療理念のクロノロジー〔江口重幸〕
第2節 ラカン派の視点から
    制度を使った精神療法とラカン派応用精神分析〔立木康介〕

第3節 イタリアの例から
    バザーリアと制度を使った精神療法--脱施設化から脱制度化へ〔松嶋 健〕

第7章 根を枯らさないために〔多賀 茂〕  
    思想編のまとめとして
                  おわりに
索  引
key word

ボルド病院という場所 多賀茂・三脇 康生 9-25
document ラ・ボルド病院の経験 ジャン・ウリ 29-43
制度分析とセクター制度は両立可能か ティロ・ヘルト 47-69
市民団体による地域生活支援活動の試み 菅原道哉 73-83
救急という制度を使う試み 和田央 85-106
病院内における制度を使った精神療法の試み 高江洲義英 107-119
外から病院に働きかける試み 平田豊明 ほか著 121-134
医師という制度を分析する 菅原道哉 139-156
document 看護師という制度を分析する ジャン・ウリ 157-169
医療環境という制度を分析する 蓮見孝 ほか著 171-185
日本の精神医療と制度を使った精神療法はなぜ今まで出会えなかったのか 三脇康生 187-202
document 常識を外すことで看護システムを動かす 野沢典子 205-220
document 制度を使うとはどういうことか 上山和樹 225-244
document 制度を使った精神療法とはなにか ジャン・ウリ 251-272
治療概念として 三脇康生 273-286
現代思想として 合田正人 287-307
社会運動として 多賀茂 311-326
精神療法の歴史から 江口重幸 329-345
ラカン派の視点から 立木康介 347-371
イタリアの例から 松嶋健 375-401
根を枯らさないために 多賀茂 405-416

■書評

『こころの科学』143('09年1月号)、115頁、評者:酒井明夫氏
『精神科看護』'09年2月号、95頁
『図書新聞』2905号(`09年2月14日)、5面、評者:十川幸司氏
『みすず』'09年1・2月合併号、26頁、評者:廣瀬浩司氏
『精神看護』'09年3月号、82-83頁、評者:松澤和正氏
『心の危機と臨床の知』Vol.10、評者:山口直彦氏
『沖縄タイムス』'09年8月30日朝刊、文化面
『こころと文化』Vol.8 No.3(2009)、168頁、評者:下地明朋氏


UP: 20110901 REV:
三脇 康生精神障害/精神医療  ◇精神障害/精神医療・本(2000年から)  ◇BOOK 
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