『後期高齢者医療制度と医療費「適正化」戦略』
篠崎 次男 20080810 自治体研究社,101p.
last update:20111217
■篠崎 次男 20080810 『後期高齢者医療制度と医療費「適正化」戦略』,自治体研究社,101p. ISBN-10:4880375195 ISBN-13:978-4880375199 \1365 [amazon]/[kinokuniya] ※ ms p02 a02
■内容
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
篠崎 次男
1934年東京都荒川区生まれ。荒川生協専務理事を経て、1994年まで日本生活協同組合医療部会事務局長を務める。日本高齢者運動連絡会事務局長を経て、現在顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに
第1章 なぜ後期高齢者医療制度は創設されたか
1 後期高齢者の保険給付費の削減策
2 「高齢者の医療の確保に関する法律」
既存の法律の「改正」
目的=医療費の適正化
共同と連帯
高齢者の医学的規定
「基本的理念」は「自助と連帯」
理念の根底に自己責任論
保健事業は努力義務
3 「試案の概要」
医療費対策が構造改革の目的
後期高齢者医療制度の内容
中長期的医療費適正化策
4 中期的医療費適正化策の概要
第2章 70年代からはじまった高齢者医療の見直し
1 自民党「医療政策大綱」について
「高齢者が受診しやすくなったことが受診過多を招いた」
自民党は最初から「高齢者は別枠で」
高額療養費支給制度と高齢者医療
第二臨調に始まる制度改悪の本格化
老人保健法を軸に連続的改悪が
2 医療法の「改正」
医療法「改正」――病床への厳しい規制
医療の効率化のための類型化
健保本人2割負担
社会保障基礎構造改革
第3章 12の法律からなる医療制度構造改革
1 医療費の適正化策
医療費適正化
生活習慣病対策の医療保険者への義務化
高齢者の一部に2〜3割負担が
高齢者用病床の大幅削減
患者分類とは
5割が医師の診療不要患者
2 保険者の再編・統合の狙い
4つに分立した社会保険
保険の再編・統合の理由
医療費と保険料をリンクさせる仕組みへ
混合診療も視野に
第4章 後期高齢者医療制度――その仕組み・負担と給付について
1 社会保険関係者のテキスト
2 国が後期高齢者医療制度を創設した理由
制度の趣旨
(1)3つの理由
(2)心身の特性とは
(3)財政責任の明確化
制度の仕組み
(1)独立した制度
(2)保険料を一人ひとり賦課する
(3)社会保険方式
(4)疾病が多い高齢者を国民みんなで支える
(5)医療費適正化を徹底させるため
医療保険の再編へのステップ
3 医療費適正化計画
計画の概要
(1)「骨太の方針2005」の具体化計画
(2)生活習慣病と長期入院が標的
(3)内臓脂肪症候群と制裁措置
(4)私的保険と変わりない保険へ
医療政策の最重要課題
(1)きめ細かい削減策
(2)保険給付費増の防止策
(3)都道府県格差の是正
(4)通院患者と病床を減らす
計画策定上の重要課題
(1)保険給付費の動向
(2)平均在院日数の状況
(3)5割は入院不要
(4)療養型病床が決め手
(5)「医療区分1」の患者が46%
4 後期高齢者医療制度の運営主体について
4つの形態からの選択
被保険者からはなれた存在
5 後期高齢者医療制度の医療内容
医療内容の説明はなしで施行
説明の義務はなし
医療内容は厚生労働省が決める
(1)中央社会保険医療協議会
(2)診療報酬
(3)国の考え方が反映しやすい仕組み
(4)医療内容について
第5章 なぜ後期高齢者医療制度なのか
1 高齢者医療の見直しから国民医療見直しへ
後期高齢者医療が「改革モデル」
後期高齢者医療制度の特徴点
(1)市区町村に財政運営の責任押しつけ
(2)保険料と保険給付費がリンクする形態
(3)国保被保険者にも年金天引きか銀行口座引き落とし制へ
(4)入院に際しての医療区分制や食と居住費保険給付外
消費税率引き上げの根拠に
高齢者はすべて75歳以上
第6章 休まずねばり強く――当面の運動課題
1 この運動は継続されなければならない
国会の閉会では終わらない
継続している課題
2 医療制度構造改革である点の重視を
医療費適正化の総合的推進
(1)中期的な医療費適正化策
3 後期高齢者医療制度をめぐる運動
(1)保険料
(2)08年6月の見直し措置のゆくえについての点検
医療保険者の再編・統合
その他の課題――混合診療問題
4 政府がやり残した課題にも注意を
5 生活習慣病対策は軽視しない
新しい国民分断策としての「健康」
自己責任論の一部導入も
6 後期高齢者医療制度が投げかけたその他の課題
「後期」について
終末期医療
外来包括制が提起した課題について
厚生労働省は今回の外来医療について
第7章 まちづくり・健康づくりにつながる社会保障運動づくりを
1 まちと健康につながる社会運動を
2 高齢期の生活要求に対応できる社会保障運動を
時間不定性・緊急性・日常性
後期・超高齢期の医療と介護
三位一体の高齢期保障
3 署名の賛同者から参加者へ
医療改悪反対4000万人
健康づくりと明るいまちづくり
4 まちづくりとは
5 健康づくりとは
人の健康は変革の健康
地域丸ごと
終章 健康づくり・まちづくりを住民運動で――くらしの協同・提案・制度要求を生活地域での社会保障運動として
1 はじめは「協同の場」づくりから
とにかく集まりを
生活地域での活動を
生活地域の多数派
2 生活地域で何をするのか
3 生活地域での健康づくり
保健力の育成
自主的な生活習慣病対策を
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志