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『エンハンスメント論争――――身体・精神の増強と先端科学技術』

上田 昌文・渡部 麻衣子 編 20080731 社会評論社,288p.

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■上田 昌文・渡部 麻衣子 編 20080731 『エンハンスメント論争――身体・精神の増強と先端科学技術』,社会評論社, 288p. ISBN-10: 4784506152 ISBN-13: 978-4784506156 \2835 [amazon][kinokuniya] en ※

■内容

(「BOOK」データベースより)
生命科学、先端技術の発展は、人間の身体や精神に対する技術介入の可能性を急速に拡大させた。それはどこまで許されるのか?最新の現状をめぐる多様な議論を集大成。
著者略歴(「BOOK著者紹介情報」より)
上田昌文
市民科学研究室
渡部麻衣子
市民科学研究室(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


市民科学・リビングサイエンス|市民科学研究室
 http://www.csij.org/

月刊市民科学|市民研
 http://www.csij.org/01/shiminkagaku/10/02.html

■目次

はじめに 渡部麻衣子  9

第?部 べター・ヒューマン――人間増強の政治学――
 前文 マーク・ウォルポート(Mark Walport)  14
 第1章 もっと強く、もっと長く、もっと賢く、もっと早く  15
 ポール・ミラー(Paul Miller)
 ジェームズ・ウィルスドン(James Wilsdon)
 よりよい定義  16
 世界で最も危険なアイデア?  19
 よりよい民主主義  23
 よりよい政策  25

 第2章 人間性を改善してはいけないのか  30
 アーサー・カプラン(Arthur Caplan)
 「である」・「すべき」・「できる」?  31
 完全を求めること?  32
 改良と虚栄  33
 公平と公正(equity and fairness)  34
 満足が保証されている?  35
 流動する被造物  37

 第3章 指数関数的発展の世界へようこそ  40
 ニック・ボストロム(Nick Bostrom)
 人工知能の展望  40
 ナノテクノロジーの見込み  44
 収斂と特異点  46

 第4章 永遠に生きたい男  50
 ポール・ミラー(Paul Miller)
 ジェームズ・ウィルスドン(James Wilsdon)
 不名誉な預言者?  51
 誰が永遠に生きたいか  53
 長い生への秘訣  55
 一般の人々との対話  57

 第5章 種族としての超人主義者  58
 グレッグ・クラークス(Greg Klerkx)
 現代のメチニコフたち  59
 楽観主義の第二の波  61
 人間以上のもの  63

 第6章 脳を得る  66
 スティーヴン・ローズ(Steven Rose)
 脳と心を治療する  68
 社会問題の医療化  70
 治療と増強の境界線について  71
 心を読む、考えを管理する  72
 ではわたしたちはどうするべきか  74

 第7章 教室の中のスマート・ドラッグ  76
 ダニエル・ターナー(Danielle Turner)
 バーバラ・サハキアン(Barbara Sahakian)
 処方薬の使用と乱用  77
 なにをもって「エンハンスメント」とするか  78
 リストとベネフィット――どちらに重きを置くか  79
 教室での薬  80

 第8章 デザインでよりよく?  84
 サラ・フランクリン(Sarah Franklin)
 願望とデザイン  87
 PGDの未来を統治する  90

 第9章 さらなる命を  94
 ジョン・ターネイ(Jon Turney)
 不死の歴史  95
 意図しない死の原因をなくす  97
 どれだけで十分なのか  99

 第10章 つぎはぎの国  103
 デッカ・エトケンヘッド(Decca Aitkenhead)
 メディアのせい?  104
 害のない楽しみ?  107
 フェミニズムはどうか  112

 第11章 完全犯罪  115
 レイチェル・バースト(Rachel Hurst)
 完全さとは何か  116
 なぜわれわれは完全さを求めるのか  117
 代替案はあるのか  119
 障害者の貢献  121

 第12章 未増強の下層階級  123
 グレゴール・ウォルブリング(Gregor Wolbring)
 健康(Health)と健全さ(well-being)のモデルと要因  123
 超人主義モデル  124
 エンハンスメントの結末  126

 第13章 頭がよければ幸せ?  131
 レイ・パーサウド(Raj Persaud)
 頭のよさと自殺  131
 聡明であることの重荷  133
 感情的知性のエンハンスメント  134
 性、対立、幸福  135

 訳注  140
 あとがき 上田昌文  145

第?部 エンハンスメントと生命倫理

 第1章 エンハンスメント論争をめぐる見取り図――歴史的源泉と現在的争点を中心に――土屋敦  150
 1.エンハンスメントの定義  150
 2.「エンハンスメント論」の過去と現在  152
 3.概念区分  156
 4.エンハンスメント論の展開と議論の構図  158
 5.結語にかえて:「エンハンスメント(能力増強)」とは何か?  168

 第2章 エンハンスメントの倫理問題 加藤尚武  77
 はじめに  177
 1.定義と基本的な問題点  177
 2.医療社会の変容  179
 3.医療の正当性概念  181
 おわりに  182

 第3章 エンハンスメントと〈人間の弱さ〉の価値 松田純  183
 1.幹細胞研究と再生医工学がもたらすもの  183
 2.エンハンスメントの種類と倫理的問題  183
 3.エンハンスメントによって医療は健康サービス業へと変質する  184
 4.エンハンスメントは「人間のありよう(conditio humana)」に合致するか?  185
 5.人間の〈弱さ〉がもたらす価値  191
 6.二方向からの挑発  193

 第4章 ホモ・ジェネティクスへの文化的随行 金森修  200
 1.医療的なテクノクラシーと「バイオ・ラッダイト」の狭間で  200
 2.人間の自己構築性の過激化  202
 3.人間の自己設計に関する文化的統治  209

 第5章 人間は翼を持ち始めるのか?――近未来的人間改造に関する覚書――粟屋剛  218
 はじめに  218
 1.伝統的および現代的人間改造  218
 2.近未来的ないし未来的人間改造  220
 3.人間改造の背景――欲望・テクノロジー・文明――  238
 おわりに  240

 第6章 生命の設計と新優生学 霜田求  250
 はじめに  250
 1.生命の設計  251
 2.遺伝子操作と新優生学  255
 3.生命の設計と社会の設計一新優生学の構想  258
 おわりに新優生学的思考に抗する倫理の構築に向けて  261

 第7章 生命の価値と宗教文化――生命科学技術と生命倫理をめぐる文化交渉の必要性――島薗進  266
 1.生命科学の発展と人類社会の未来  266
 2.人の胚の研究利用をめぐって  270
 3.「新しい優生学」への抵抗  275
 4.生命の価値をめぐる国際協議と宗教文化282

■書評・紹介・言及

◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ [amazon][kinokuniya] ※

◆立岩 真也 2013 『私的所有論 第2版』,生活書院・文庫版


*作成:植村 要
UP:20090216 REV:201008, 20140825
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