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『「自閉症」の子どもたちと考えてきたこと』

佐藤 幹夫 20080717 洋泉社,240p.


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佐藤 幹夫 20080717 『「自閉症」の子どもたちと考えてきたこと』,洋泉社,240p. ISBN-10: 4862482856 ISBN-13: 978-4862482853 1890 [amazon] ※ a07.

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内容(「BOOK」データベースより)
ハンディキャップを抱える当事者、家族、福祉、教育の現場すべての人に贈るエールの書。一緒に泣き笑い、悩みながらつかんだ現場からの「自閉症」論。

■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐藤 幹夫
1953年秋田県生まれ。國學院大学文学部卒業。批評誌『樹が陣営』主宰。フリージャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

「障害」をどう考えるか
「自閉症」とは何だろうか
行動の特徴をどう考えるか
「自閉症」の子どもたちと発達
「パニック」をどう考えてきたか
感覚の世界と意味の世界
意味世界の広がり
言葉とその周辺をめぐって

■引用

 「「自閉症」や発達障害となると、脳の機能障害という仮説が定説のように強調される。不思議なことだといつも感じます。
 ここには、おそらく理由があります。
 一つは、脳科学がいまやたいへんなブームになっており、脳が解明されればすべてが分かる、といったある種の盲信といいますか、過度の信じ込みが広がっているという社会背景が一つです。
 二つ目は、「自閉症」の子どもたちの行動や言葉が与える不思議さです。[…]
 そして三つ目が、かつて「自閉症」を形成する原因が養育にある、母親の育て方にある、とされたことに対するリアクションです。現場の教師の何人かから「脳のどこかに何らかの原因があるんですよ、という説明が、お母さんたちを一番安心させる」という話を聞きました。分からなくはないのですが、私自身は複雑な気持ちになりました。
 というのは、「自閉症」や発達障害における脳科学の解明がどこまで進んでいるにしろ、治癒<0052<あるいは治療といったものに対し、はっきりと答えを出すことができずにいるのが現状です。発達障害や「自閉症」は、残念ながらまだ医学では治らないもの、というのが一般的定説とされているのですね。ということは、「自閉症」の子どもたちにとって重要な存在は、養育や療育、教育にたずさわっている人たちだということになります。
 先日目にした論文に、こんなエピソードが書かれていました。ある学校の先生が、自分のうけもちの子が発達障害と診断された。するとその先生は、ではもう自分の仕事ではない、お医者さんに任せればいい、と言ったというのです。
 どう思われますか。
 私は、医療は必要ないと言っているのではありませんよ。[…]
 しかし繰り返しますが、「自閉症」の子どもたちには間違いなく”育ち”が見られます。最前線でそれを担っているのは、まずは教育や療育にたずさわる現場の人間です。仮に脳が解明され、障害の部位が特定されたとしても、治癒に有効な薬物療法や治療方法が発見されるまでは、福祉や教育の現場にいる人たちの役割の重要さは決してなくならないはずです。むしろますます重要になるかもしれない。」(佐藤[2008:52-53])

■言及

◆立岩 真也 2008- 「身体の現代」,『みすず』2008-7(562)より連載 資料,

◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ [amazon][kinokuniya] ※


UP:20090602 REV:20140825
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