『テクノソサエティの現在〈2〉オンライン化する日常生活――サポートはどう変わるのか』(ソキウス研究叢書)
宮田 加久子・野沢 慎司 編 20080630 文化書房博文社,188p.
last update:20110412
■宮田 加久子・野沢 慎司 編 20080630 『テクノソサエティの現在〈2〉オンライン化する日常生活――サポートはどう変わるのか』(ソキウス研究叢書),文化書房博文社,188p. ISBN-10:4830111321 ISBN-13:978-4830111327 \3360 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
著者からのコメント
インターネット利用が大衆化した現在、初期の極端な悲観論と楽観論を越えて、具体的な各論へと研究を進める段階を迎えている。つまり、どのような人たちが、どのように使うことによって、どのような効果がもたらされるのかを問うことが求められている。本書は多様な調査データを基に、その問いに挑戦する。
1章は、オンラインでのソーシャル・サポートやソーシャルキャピタル(社会関係資本)に関する国内外の最新研究を広範にレビューし、問題の所在を明らかにする。続く4つの章(各論)は、いくつかの疾病やステップファミリー(子連れ再婚家族)に関するオンライン・セルフヘルプグループ、中高年世代によるインターネット利用の任意加入団体「シニアネット」などの先端的事例を取り上げ、インターネットがサポート交換をどう変容させているのかについて実証的な解明を試みる。
学際的な共同調査研究の成果である本書は、インターネットの普及が人々の行動や心理を一方的に変化させるとみる「テクノロジー決定論」の陥穽を注意深く避け、現実にはインターネットの効果が社会的文脈によって異なること丁寧に描き出している。
■目次
1章 インターネットによるソーシャル・サポート
社会的ネットワークの重要性
オンラインでのサポートグループ ほか
2章 少数派の組織化とインターネット―オンライン・セルフヘルプグループの可能性と課題
オンラインSHGとは何か―先行研究の知見より
わが国のオンラインSHGの状況―オンライン疾病グループの活動実態調査から ほか
3章 インターネットは家族に何をもたらすのか―ステップファミリーにおける役割ストレーンとサポート・ネットワーク
テクノロジーと家族変動
ステップファミリーにおけるストレス状況 ほか
4章 超高齢社会における「シニアネット」の可能性―仙台市における調査研究を通して
研究の社会的背景
シニアネットの調査研究 ほか
5章 シニア世代におけるオンライン、オフラインでのソーシャル・サポートの効果―シニアに対する郵送パネル調査の結果から
オンライン、オフラインでのサポートと適応
方法 ほか
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:大谷 通高