『討議と承認の社会理論――ハーバーマスとホネット』
日暮 雅夫 20080620 勁草書房,256p.
last update:20111112
■日暮 雅夫 20080620 『討議と承認の社会理論――ハーバーマスとホネット』,勁草書房,256p. ISBN-10:4326101822 ISBN-13:978-4326101825 \3570 [amazon]/[kinokuniya] ※ hj04 ki03 hf01 tc01 mc e08 j0 l05 f03
■内容
内容紹介
90年代以降のフランクフルト学派。『事実性と妥当性』、『承認をめぐる闘争』、『正義の他者』を中心に、現代の批判的社会理論を分析する。討議と承認の論理。
民主的法治国家は、どのようにみずからの意思形成を正統化し、外部の「他者」を包摂しようとするのか。『事実性と妥当性』、『承認をめぐる闘争』、『正義の他者』を中心に、ハーバーマスとホネットの理論を比較しながら分析する。1990年代以降のフランクフルト学派はどのように「法・権利関係」や「公共圏」の問題へむかっていったか。
[関連書] 毛利透 『民主政の規範理論』 (勁草書房刊)
内容(「BOOK」データベースより)
民主的法治国家はどのように意思形成を正統化し、外部の「他者」を包摂しようとするのか。『事実性と妥当性』『承認をめぐる闘争』『正義の他者』を中心に、現代の批判的社会理論―ハーバーマスとホネット―の論理構造を分析する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
日暮 雅夫
1958年埼玉県に生まれる。1992年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、盛岡大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
略号表
序論
第1部 討議理論の道徳的側面:ハーバーマスの討議倫理学
第1章 ハーバーマスの討議倫理学の基本構想
第1節 認知主義的アプローチと「論議理論」
第2節 普遍化原則と間主体性理論的転回
第3節 普遍化原則の基礎づけと遂行的矛盾
第4節 ハーバーマスの基礎づけに対する補足
第2章 ハーバーマスの討議倫理学の位置設定と論争状況:カント対ヘーゲル
第1節 討議倫理学の四つの特徴づけ
第2節 正義原理と連帯原理
第3節 ヘーゲルのカント批判
第4節 討議倫理学と他の思想潮流との関係
第3章 ハーバーマスの討議理論的転回
第1節 実践理性の三つの局面
第2節 理性的・集合的意思形成
第3節 討議倫理学から討議理論へ
第2部 法の討議理論の展開:ハーバーマスの『事実性と妥当性』の法理論
第4章 権利体系の再構成
第1節 民主主義原理と法規範
第2節 権利体系の論理的生成
第3節 事実性と妥当性との「緊張関係」
第5章 民主的法治国家における意思形成
第1節 民主的法治国家の理念とコミュニケーション的権力
第2節 政治的意思形成過程と討議諸類型
第3節 民主的法治国家論に残された課題
第6章 公共圏における意思形成
第1節 『公共性の構造転換』における「市民的公共圏」論
第2節 『事実性と妥当性』における公共圏論の特徴
第3節 ハーバーマスの公共圏論の今後の課題
第3部 討議理論と文化的多元主義:ハーバーマスと差異の承認
第7章 法治国家の空洞化と「手続き主義的法パラダイム」
第1節 法パラダイムとは何か?:三つの法パラダイム
第2節 フェミニズム的法理論と手続き主義的法パラダイム
第3節 法治国家の空洞化とその克服
第4節 手続き主義的法パラダイムの意義
第8章 ハーバーマスと多文化主義:ハーバーマスとテイラー
第1節 ハーバーマスの民主的法治国家論における「承認をめぐる闘争」
第2節 テイラーの多文化主義における「承認をめぐる政治」
第3節 多文化主義をめぐるハーバーマスとテイラーとの比較
第4部 批判的社会理論の承認論的転回:アクセル・ホネットの社会理論
第9章 承認論の現在的座標:ホネット理論の基本的問題設定
第1節 ホネットの思想形成過程
第2節 『承認をめぐる闘争』の構想
第3節 ホネット承認論の三形式
第4節 三つの承認形式相互の関係:ハーバーマスとの対比
第10章 ホネット理論の展開と諸論争:ポストモダニズム、公共圏論、フェミニズムとの論争
第1節 ポストモダン倫理学との論争:解決できないが生産的な緊張関係
第2節 不正意識の社会批判的潜勢力:承認論から見た社会闘争
第3節 闘争をめぐる論争:アイデンティティ・ポリティクスからの挑戦
第4節 ホネット理論の今後の展開
結論
参考文献
あとがき
人名索引
事項索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志