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『「新優生学」時代の生老病死』

日本社会臨床学会 編 20080330 現代書館,324p.


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日本社会臨床学会 編 20080330 『「新優生学」時代の生老病死』,現代書館,324p. ISBN-10: 4768434770 ISBN-13: 978-4768434772 3150 [amazon][kinokuniya] ※ eg.

■紀伊国屋書店の紹介
グローバル化と個人・心理主義化のはざまで、教育・福祉・医療の現状を分析。胎児診断、不妊治療、脳死・臓器移植、尊厳死…。
「正常願望」は、生命の資源化・商品化に繋がる。
「新優生学」時代の諸問題を論述。

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-3477-2.htm

  医療技術・制度・政策に組み込まれていく生老病死。さまざまな操作・思惑にさらされながらも、はみ出し、抗い、戸惑い、共に考え合っていくという、生身の現状を描いている。「健康増進法」「介護」「生殖医療」「優生思想」「カウンセリング」など、今日の社会で進行中のものごとに「待った」をかけ、さまざまな立場から問題提起をしていく。
目次

序章   篠原 睦治
第一章  健康義務化社会を問う             山田真
第二章  老いと介護、そして尊厳死           高石伸人
第三章  親密圏と公共圏のはざまにて――新たな共同性の回復を目指して 脇田愉司
第四章  女性たちは何処へ?――この急速に進む世の中で 浪川新子
第五章  少子化対策と生殖補助医療を考える     福本英子
第六章  不妊治療と不妊カウンセリング         小沢牧子
第七章  「バック対ベル訴訟」とは何か――ケアリー・バックゆかりの地を訪ねて  秋葉 聰篠原 睦治
第八章  <対談>「差別・抑圧としての死」を考える――胎児診断、脳死・臓器移植、尊厳死、安楽死を問いつつ 竹内 章郎篠原 睦治

■目次
第1部 医療・福祉制度のなかの老・病・死・障害
 「健康義務化社会を問う 山田真 著 28-62
 「老いと介護、そして尊厳死 高石伸人 著 63-97
 「親密圏と公共圏のはざまにて 脇田愉司 著 98-144
第2部 少子高齢化社会における不妊治療問題
 「女性たちは何処へ?――この急速に進む世の中で」 浪川新子 著 146-172
 「少子化対策と生殖補助医療を考える」 福本英子 著 173-200
 「不妊治療と不妊カウンセリング 小沢牧子 著 201-216
第3部 優生思想と生命操作 その過去と現在
 「バック対ベル訴訟――ケアリー・バックゆかりの地を訪ねて」とは何か 秋葉聰 著 218-272
 〈対談〉
■引用

高石 伸人  20080330 「老いと介護、そして尊厳死」,日本社会臨床学会編[2008:63-97]

 「篠原睦治は、日本尊厳死協会に入会する女性が増えていて、その七割を占めるに至っている理由を前会長沖種郎の著書から紹介している。「日本の場合、お年寄りの面倒を見るのは、だいたいが家庭の奥さんだ。実の両親、舅、姑、それから自分の亭主などが高齢化し、寝たきり、たれ流しの状態になったとき、奥さんは看護[ママ]に何年もの時間を費やすことになる。そして、自分はああはなりたくない、次の世代に同じ思いをさせたくない、できることならポックリと死にたいと、本当に素朴に思うらしい」。このように「尊厳死」願望が「女性によって圧倒的に表現されているということは、(今日まで続く)女性役割としての家族介護の反映としてあるのではないか」、つまり「女性に求められる『尊厳生』のあり方の裏返しとして、女性の『尊厳死』は期待されている」と篠原は指摘している(19)。<0092<
 こうした女性の「尊厳死」願望については、市野川容孝も興味深い論点を提供している。「介護の社会化」とは、身内でない人に自分の身体のケアを委ねることが求められるのだから、「身体の社会化」と読み替えることができる。つまり、「身体の社会化」とは、「身体における家族という境界を取り払う、少なくともその敷居を下げること」だという。そして、尊厳死協会会員の女性数が男性の倍であることに触れて、「自分たちは、これまでに義理の父母や、自分の両親その他の介護を一手に引き受けて、大変な苦労をしてきた。その苦労を他人にはかけさせたくない。だから尊厳死を望みたい」、そういう心理が働いてジェンダー差が生まれる。したがって、「介護の社会化は、その重荷を女性たちの肩から下ろす」という意味ももっていると述べる(20)。」(高石[2008:92-93])

篠原 睦治 1997 「社会は老人をどう描きつつあるか――「尊厳死」問題にふれて」,『和光大学人間関係学部紀要』2
市野川 容孝 20000301 「ケアの社会化をめぐって」(インタヴュー),『現代思想』28-04(2000-03):114-125(特集:介護――福祉国家のゆくえ)

■紹介・言及

高石 伸人  20080330 「老いと介護、そして尊厳死」,日本社会臨床学会編[2008:63-97]
竹内 章郎篠原 睦治  20080330 「「差別・抑圧としての死」を考える――胎児診断、脳死・臓器移植、尊厳死、安楽死を問いつつ」(対談),日本社会臨床学会編[2008:273-324]

◆立岩 真也 2008 『唯の生』,筑摩書房 文献表


*作成:横田陽子
UP:20080617 REV:20080925,20090811
日本社会臨床学会  ◇優生学・優生思想 eugenics  ◇優生学関連文献  ◇身体×世界:関連書籍 2005-  ◇BOOK
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