『ユダヤとイスラエルのあいだ――民族/国民のアポリア』
早尾 貴紀 20080331 青土社,348p.
last update:20111117
■早尾 貴紀 20080331 『ユダヤとイスラエルのあいだ――民族/国民のアポリア』,青土社,348p. ISBN-10:4791763947 ISBN-13: 978-4791763948 \2730 [amazon]/[kinokuniya] ※ w/ah02 w/se02 w/bj02
■内容
内容紹介
「国民」 の矛盾を問う。近代の国民国家思想・ナショナリズムに起因する 「ユダヤ人」 問題、シオニズム、そしてイスラエル国家について。矛盾する理念に思想はなにを問い、なにを問わずにきたのか。ネイションの世界的展開を再考する、かつてないユダヤ‐イスラエル論。
内容(「BOOK」データベースより)
近代の国民国家思想・ナショナリズムに起因する「ユダヤ人」問題、シオニズム、そしてイスラエル国家について。矛盾する理念に思想はなにを問い、なにを問わずにきたのか。ネイションの世界的展開を再考する、かつてないユダヤ‐イスラエル論。
著者について
早尾貴紀(はやお・たかのり)
1973年生まれ。社会思想史研究。東京大学COE 「共生のための国際哲学教育研究センター」 研究員、大阪経済法科大学アジア太平洋センター客員研究員、東京経済大学非常勤講師、イスラエル・ハイファ大学ユダヤ‐アラブ・センター客員研究員。編著に、『ディアスポラと社会変容 アジア系・アフリカ系移住者と多文化共生の課題』(浜邦彦との共著、国際書院、2008年)、訳書に、エドワード・サイード 『戦争とプロパガンダ』(中野真紀子との共訳、みすず書房、2002年)、ジョナサン・ボヤーリン、ダニエル・ボヤーリン 『ディアスポラの力』(赤尾光春との共訳、平凡社、2008年)ほか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
早尾 貴紀
1973年生まれ。社会思想史研究。東京大学COE「共生のための国際哲学教育研究センター」研究員、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員、東京経済大学非常勤講師、イスラエル・ハイファ大学ユダヤ‐アラブ・センター客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
序章 「偽日本人」と「偽ユダヤ人」――あるいは「本来的国民」の作り方
イスラエルの「帰還法」とユダヤ人
日本の「帰還法」と日本人
国民とは誰か
T 「イスラエル」の原点 普遍性と特異性のアポリア
第一章 ユダヤ人国家か国民国家か――二つの独立宣言
二つの「独立宣言」
デリダの「アメリカ合衆国独立宣言」分析
イスラエルの「国家独立宣言」
第二章 ユダヤ人国家か二民族共存か――歴史としてのバイナショナリズムの挑戦
アーレントの二民族共存国家論
ブーバーの二民族共存国家論
二民族共存国家論のコンテクスト
第三章 マルティン・ブーバーの共同体論と国家
ブーバーの共同体思想
経済と血と土地のイデオロギー
普遍性と特殊性
第四章 ハンナ・アーレントと国家創設のプロジェクト
ヘブライ大学
デリダとハイデガー
「ヨーロッパ」の問い直し
U 「イスラエル」の現在 リベラリストたちの葛藤
第五章 ハンナ・アーレントの「沈黙」
アーレントの国民国家観――『全体主義の起源』
アーレントのアメリカ観――『革命について』
アーレントにおける中庸の理念――『人間の条件』、『共和国の危機』
第六章 ジュディス・バトラーの「躊躇」
ジュディス・バトラーのイスラエル批判
ユダヤ「人種」の矛盾とディアスポラ主義
バレスチナ人からの応答
第七章 アイザイア・バーリンの「矛盾」
リベラリズム/ナショナリズム/シオニズム
シオニズムにおいて「左派」で「和平的」であること
シオニストの自己矛盾
第八章 エドワード・サイードの「格闘」
サイード/ウォルツァー論争
ボヤーリン兄弟との論争
「非ユダヤ的ユダヤ人」とバイナショナリズム
終章 イスラエル/パレスチナにおける国家理念の行方
パレスチナ国家の行方
バイナショナリズムの諸相
内部矛盾を深めるイスラエル
■引用
まえがき
「 本書は、「イスラエル/パレスチナ問題」を直接に論ずるものではない。私自身の専門分野は、あくまでヨーロッパ思想史である。だが、とりわけイスラエル国家の存在にこだわっているのは、近代世界における「国家」や「国民」や「民族」といったものを理論的かつ歴史的に、根底から問い直そうと試みたとき、必然的にヨーロッパ世界の「ユダヤ人問題」にぶつかり、またその延長線上に生じたイスラエル建国という出来事について考えざるをえなくなったためである。」(p.7)
■書評・紹介
■言及
*作成:石田 智恵 更新:樋口 也寸志