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立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点 20080307 立命館大学生存学研究センター,生存学研究センター報告2,157p. ISSN 1882-6539 ■立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点 20080307 『時空から/へ――水俣/アフリカ…を語る栗原彬・稲場雅紀』,立命館大学生存学研究センター,生存学研究センター報告2,157p. ISSN 1882-6539 *ご希望の方は生存学研究センターにご連絡ください。 送料実費でお送りできます。連絡先は以下のとおりです。 生存学研究センター事務局 担当 曽我・荒堀・佐山 E-mail: ars-vive@st.ritsumei.ac.jp TEL:075-466-3335、内線:2393(9:00〜17:30)FAX:075-465-8371 〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1立命館大学 *他の書籍と一緒の場合 ■目次 まえがき 立岩 真也 ………………………………………………………………………… 3 特別公開企画「歴史のなかにおける問い――栗原彬先生に聞く」 …… 11 話し手:栗原彬(立命館大学 COE推進機構・特別招聘教授) 聞き手: 立岩真也(立命館大学大学院先端総合学術研究科・教授)・天田城介(立命館大学大学院先端総合学術研究科・准教授)・他 ◆出来事/身体 …………………………………………………………………… 17 ◇身振りとしての出来事 ……………………………………………………… 17 ◇集団疎開と『良寛さま』……………………………………………………… 18 ◇「長崎の少年」………………………………………………………………… 20 ◆歴史のなかにおける問い ……………………………………………………… 23 ◇暴力への問い ………………………………………………………………… 23 ◇水俣からの呼びかけ ………………………………………………………… 24 ◇民衆レベルの国際関係 ……………………………………………………… 26 ◇ニューヨークにて …………………………………………………………… 27 ◇べ平連、学園闘争 …………………………………………………………… 28 ◇学問の位置 …………………………………………………………………… 29 ◇多様な政治 …………………………………………………………………… 30 ◇コミューン …………………………………………………………………… 31 ◇大本教 ………………………………………………………………………… 31 ◇水俣 …………………………………………………………………………… 33 ◇ボランティア活動/市民活動 ……………………………………………… 34 ◆水俣――人間の政治……………………………………………………………… 36 ◇水俣フォーラム 1998− ………………………………………………… 36 ◇水俣病展 2001年 10月 ………………………………………………… 37 ◇水俣・高畠展 1999年6月 ……………………………………………… 38 ◇水俣病者たちのチッソとの自主交渉………………………………………… 40 ◇新作能「不知火」水俣奉納公演 2004年8月 ………………………… 41 ◇生存の政治……………………………………………………………………… 44 ◇共生の政治……………………………………………………………………… 44 ◇存在の現れの政治……………………………………………………………… 45 ◇実践的な身振りの論理………………………………………………………… 46 ◆質疑応答…………………………………………………………………………… 50 ◇コメントと質問・1 …………………………………………………………… 50 ◇コメントと質問・2 …………………………………………………………… 58 ◇コメントと質問・3 …………………………………………………………… 63 ◇栗原先生からのレスポンス…………………………………………………… 66 特別公開企画「アフリカ/世界に向かう――稲葉雅紀さんから」 …… 75 話し手:稲場雅紀(アフリカ日本協議会) 聞き手:立岩真也(立命館大学大学院先端総合学術研究科・教授)・他 ◆稲場雅紀:その歴史……………………………………………………………… 79 ◇アフリカ日本協議会 2002− …………………………………………… 79 ◇アカー 1991− …………………………………………………………… 80 ◇横浜エイズ会議、アフリカ日本協議会 1994− ……………………… 82 ◇難民申請裁判 2000− …………………………………………………… 84 ◇寿町・大学 1988− ……………………………………………………… 85 ◆アフリカと日本:歴史と現在…………………………………………………… 89 ◇歴史:中世 ~明治 …………………………………………………………… 89 ◇東武野田線におけるグローバリゼーション………………………………… 91 ◇在日アフリカ人と HIV/ AIDS …………………………………………… 93 ◇どんな事情でどんな商売を…………………………………………………… 95 ◆「先進国」(南)アフリカ ……………………………………………………… 98 ◇ GNIの巨大さと人間開発指数の低さ ……………………………………… 98 ◇低開発への開発………………………………………………………………… 99 ◇成長と分配……………………………………………………………………… 101 ◇「経済成長を通じた貧困削減」という空文句……………………………… 104 ◇人的資源の流出………………………………………………………………… 108 ◇方策について…………………………………………………………………… 111 ◆社会運動の戦略・戦術…………………………………………………………… 114 ◇二つの流れ……………………………………………………………………… 114 ◇ハイリゲンダム G8サミット ……………………………………………… 116 ◇両方が要る……………………………………………………………………… 118 ◇市民社会セクターと国家セクターの相互乗り入れ………………………… 120 ◇何をもう一つのものとするか………………………………………………… 123 ◇アフリカの条件・可能性……………………………………………………… 127 ◇諸国にとってのアフリカ……………………………………………………… 130 ◇腹くくればさほどでないこと………………………………………………… 134 ◆質疑応答…………………………………………………………………………… 138 ◇ターゲット/モビライズ… ………………………………………………… 138 ◇傷/ウィリングネス…………………………………………………………… 141 ◆質疑応答2:アフリカにおけるゲイおよびゲイ・アクティビズムの状況 … 145 ◇ナイジェリア/ガーナ/ウガンダ…………………………………………… 146 ◇南アフリカの当事者運動……………………………………………………… 149 ◇イスラム圏のゲイ……………………………………………………………… 149 ◇想像のゲイ共同体……………………………………………………………… 150 ◇南アフリカの当事者運動についての補足…………………………………… 153 あとがきに代えて 天田城介………………………………………………………………………… 155 ■まえがき 立岩 真也(グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点 拠点リーダー・立命館大学大学院先端総合学術研究科 教授) pp.3-4 生存学創生拠点の成果として発行されるこの冊子は、二つの部分からなっている。 一つは、COE事業推進担当者の一人でもある栗原彬さんの講義であり、そこに天田・立岩や大学院生の発言・質問と、栗原先生の応答が加わっている。この講義は2007年9月6日に行われた。 もう一つは、アフリカ日本協議会の稲場雅紀さんへの公開インタビュー。聞き手は立岩が務めた。ここにも院生が多数参加し、質問などした。これは同年7月29日に行われた。 それぞれについてはそれぞれをお読みいただきたい。なぜこの二つで一つなのか。 どのようにしてこの社会に対してきたのか、そしてこれから対していくのか。そのことを知りたいと思っているし、考えたいと思う。この時、二人が語る史実・事実の広がりと深さとともに、これからどうしてやっていこうかについて、得られるもの、得られるものの幅があるように思えて、二つを合わせて編むことにした。 準備だけで疲れてしまい、あるいは報告書を作ることで疲れ果ててしまい、たしかに行なわれたはしたものの、それだけであるといった企画・催しがよくある。あって悪いことはないかもしれない。だが、私たちはそんなことに労力を費やすつもりはない。栗原さん、稲場さんの語ったことから、私たちがすることが、いくらも、具体的にあると考えているし、その継承の作業に既に取り掛かっている。拠点のHPhttp://www.arsvi.comをご覧になっていただきたい。例えばそれは既に、アフリカ日本協議会の協力を得て、アフリカの現在について、この国でもっとも詳しく新しい情報を提供している。また、日本のここ何十年かについて、その時空における身体に関わる様々の出来事について、言葉について、収集し解析する作業を行い、集めたものを私たちのサイトに収蔵し掲載している。そしてその成果を、何年かかけて、しかし何年かのうちには、続々と、出していくつもりだ。ここに収録された二つは、こうした作業を先導する二つである。私たちが追うべきものの幅を<0003<示し、覚えておくべきことを既に示し、何を知るべきかを教えてくれている。 これ以上なにも言うことはないが、稲場さんへのインタビューについて、別の版が既にあり、またこれから出ることになっているので、そのことについてだけお知らせする。 このインタビューは、かなりの部分を削った上で青土社の月刊誌『『現代思想』の2007年9月号(特集:社会の貧困/貧困の社会)に「アフリカの貧困と向き合う」という題で掲載された。そして今回、「完全版」がこの冊子に収録されたのだが、さらにそれに幾つかの文章を加え、註を増やし、そして、もう一つのインタビューを加えて、今年中に公刊する予定である。そのもう一つは小児科医の山田真さんへのインタビューであり、同じくこのCOEの企画として、同じく公開で、同じく立命館大学の創思館で、2007年12月23日に行なわれた。やはり多くを削って、『現代思想』の2008年2月号(特集:医療崩壊――生命をめぐるエコノミー)に「告発の流儀――医療と患者の間」という題で掲載された。そのもとの記録を手直ししたものに、数多くの、相当に大量な註を付したものが本には掲載されることになる。刊行されたなら、是非手にとって読んでいただきたい。 ■あとがきに代えて 天田 城介(立命館大学大学院先端総合学術研究科 准教授) 本報告書は、2007年9月6日に立命館大学衣笠キャンパスで開催された「歴史のなかにおける問い――栗原彬先生に聞く」および2007年7月29日に立命館大学衣笠キャンパスにて開催された「アフリカ/世界に向かう――稲場雅紀さんから」の全記録である。そして、この2つの企画の全記録をまとめ合わせ、生存学研究センター報告「時空から/へ――水俣・アフリカ…を語る栗原彬・稲場雅紀」という名を付し、刊行するものである。 上記の企画の趣旨や経緯、お二人の経歴やこれまでなされてきた仕事についてはすでにまえがきならびに本文中で詳細に述べられているので、ここでは割愛させていただくが、改めて読み返すと、この2つの企画が1つの冊子としてまとまったことはきわめて大きな意義があると実感することができる。2つを続けて読むことで、私たちは、お二人が語る歴史的事実について、その時空における身体をめぐって起こった/現に起こっている出来事について、それらをめぐって語られてきた/現に語られている言説について、私たちのいまこの世界に内属しつつ、これまで問われてきた問いの仕方とは異なる形で思考することが可能であることを実感することができる報告書になっている。一読者として嬉しい限りである。 お二人によって語られたことの何をいかに受け取るかは基本的には読者一人ひとりに委ねられているのであろうが、そのいくつかだけを彼是と考えあぐねても容易には解析することが困難な問いであることに気づく。いや彼是と考えるのは比較的容易だが、それを解析せんとすれば幾重にも入り組んだ話になり、またその解決への道筋を示すことが相当に厄介にならざるを得ない問いであるのだ。むろん、であるからこそ大切な問いでもある。 第一には、何がいかにして起こってきたのか/現に起こっているのか、それらをめぐって何がいかに語られてきたのか/現に語られているのかという事実を知った上でも――その作業自体が行われることがまずは大切かつ必要な作業であるのだが――、多くの場合、ある学問領域において完結して閉じてしまうような事実をめぐる言説とはならず、またそうであるがゆえに、それらの言説は別の諸言説と接合/分離していくという現実がある。そうした現実を踏まえた上で、もう一度、その時空に立ち戻って思考・考究すること、それ自体はなかなか難儀な仕事であるように思うのだ。更には、私たちがこの世界に内属して思考せざるを得ない限り、ある歴史−時代のなかで問われた問いを引き継ぎつつ論考する作業は論理的に相当な困難を随伴せざるを得ないように思うのである。だが、それでも、そうであるからこそ、私たちはそれを考えていくことが求められているとも言えるのだ。 第二に、上記のような私たちがこの世界に内属するゆえのこの世界を捉えることの困難と厄介さがあると同時に、現在起こっている現実それ自体を捉えなおし、組み替えていく作業もまた困難であり、しんどい仕事である。栗原氏ならびに稲場氏の報告にあったように、水俣であれアフリカであれ、私たちは既に作動してきた/作動している構造の只中にいるからこそ、それを捉えなおし、組み替えることは難しいところがある。具体的に言えば、水俣という場所において水俣病患者や企業や市民などが相互に別様な形で経済的にも政治的にも組み入れられてきた歴史とその構造ゆえに、その現実は当然ながら様々な利害と力学が錯綜する困難な現実となり、またそれを組み替えようとすれば当然ながら更なる亀裂・軋轢・対立を召還してしまうことになる。また、グローバリゼーションにおけるアフリカ諸国においても歴史−時間的にある現実を背負わされ、その現実を引き受けることを今日においても余儀なくされてきたゆえに、現在の諸々の現実の困難があるのだ(使用されている言語然り、南アフリカ共和国の分配の困難然り)。だからこそ、私たちは現在起こっている現実の困難を知ったうえで、それを捉えなおし、組み替えていくことは相当に大仕事にならざるを得ないのだが、それでも栗原氏・稲場氏の報告から、すでにその道筋は指し示されていると思うのである。だから、私たちは考え抜いていけばよいのである。 最後に、その困難から抜け出る方策とそのための戦略・戦術をめぐる困難がある。複数的で多層的な戦略・戦術があり得るとして、あるいはある一つの戦略・戦術それ自体は肯定されるものだとしても、この困難かつ厄介な現実を組み替えていくことをめぐって更なる亀裂・軋轢・対立が作り出され、そうであるがゆえに、遂行せんとする戦略・戦術が頓挫してしまうことがある。このような戦略・戦術上の困難もまたあるのだ。だが、栗原氏・稲場氏の報告ではそうした一定の厳しさがありながらも、すでに解決のための方策があること、そのための道筋の一つを指し示してくれている。 私たちはここから考えていくことができるし、考えていくべきなのである。 上記のような幾重にも折り重なる思考の道筋を指し示していただき、また本企画のために多大なるご尽力いただいた栗原彬氏と稲場雅紀氏にこの場を借りて厚くお礼申し上げたい。まことにありがとうございました。 UP:20080322 ◇栗原 彬 ◇稲場 雅紀 ◇身体×世界:関連書籍 ◇BOOK |