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『フェミニストの法――二元的ジェンダー構造への挑戦』 若林 翼 20080225 勁草書房,208p. ISBN: 4326101806 3150 ■若林 翼 20080225 『フェミニストの法――二元的ジェンダー構造への挑戦』,勁草書房,208p. ISBN: 4326101806 ISBN-13: 978-4326101801 3150 [amazon] ※ f03 l03 ■内容紹介 善の構想の多元性というロールズら現代リベラリズムの前提は妥当か。差別構造の解体のためのフェミニストの法実践の可能性。人が自律的な主体となるプロセスを問う。 自由と平等という理念を掲げるリベラルな社会において、ある種の困難を背負わされるのはなぜ女性なのか。現代リベラリズムは、国家の中立性を重視し、資源や財の分配を論じる。しかしそれは、ジェンダーの問題を考える上で妥当なものだろうか。リベラル・フェミニズムとラディカル・フェミニズム、その理論と法実践を批判的に検討する。 ■目次 はじめに 序章 ジェンダーとは何か 1.セックス/ジェンダー二層論 2.セックスとジェンダーの逆転 3.ジェンダーの二元的構造とヘテロセクシズム 4.ジェンダーとフェミニスト法実践 第1部 フェミニストの法理論と法実践 第1章 フェミニズムにおける主体と法: リベラル・フェミニズムとラディカル・フェミニズム 1.リベラル・フェミニズム 2.ラディカル・フェミニズム 第2章 構造的差別としてのセクシュアル・ハラスメント(フェミニストの法実践 1) 1.セクシュアル・ハラスメントとは何か 2.セクシュアル・ハラスメントをめぐる理論と法理 3.同性間のセクシュアル・ハラスメント 4.セクシュアル・ハラスメント法理の背後にあるヘテロセクシズム 第3章 ポルノグラフィ:言葉と差別 (フェミニストの法実践 2) 1.侮蔑発言とポルノグラフィの規制:批判的人種理論とラディカル・フェミニズムの法理論 2.法実践 3.言葉への脅威:言葉と構造的差別 第2部 リベラルな法とフェミニストの法 第4章 リベラルな国家と法 1.善の構想の多元性と社会的協働 2.リベラルな国家と法の批判的検討 3.法による主体構築の力 第5章 フェミニスト法実践の方向性 1.フェミニズムの課題と法の役割 2.フェミニスト法実践の形 3.フェミニスト法実践が目指すもの おわりに 文献 あとがき 索引 ■引用 「ロールズに代表されるリベラリズムは、個々人の善の構想に対する国家や法の中立性を掲げることによって、基本的諸自由への権利が与えられた人びとは、それらの権利に基づいて自己の善の構想を「自由に」選び、追求するものとして想定している。よって、社会において差異化・差別化された人びとがいかなる状況で、いかなる理由から権利を行使せずとも、また権利主体から実際には排除されている人びとがそうした権利を行使できずとも、国家は「本人が選んだものだから」と個人に自らの善の構想の責任を課すことが正当化されるのである。ここには、ある選択肢を自由に選ばない、もしくは選べない人間の善の構想に関与し、なぜ自由に選ばない/選べないのか、そのことと社会の枠組みはどのようにかかわっているのかを問う姿勢は見られない。リベラルな国家と法の一つの特徴は、社会において差異化される者の地位をそのままにし、またその声を聞かないことを正当化し得るところにあるのである」(p.147) 「法において身体の具体性を考えるとき、具体的な身体を有する者として我々の頭に真っ先に浮かぶのは誰であろうか。女性、障害者、中間的セックスの人びと、性同一性障害者、ゲイ・レズビアン、子供、老人として名付けられた人びとではないだろうか。成人で健常者である異性愛男性を身体の具体性という言葉から連想する人はまずいないのではないかと思われる。もちろん、男性も実際に物質としての身体を有し、日々その身体を生きている。だが、法が取り扱う事柄に関して身体の具体性を主張しなければならないのはこうした男性ではない。このような男性は、法的主体、すなわち自由で平等な自律的主体像に一番近い位置にいるからである」(p.166) cf. Cornell, Drucilla Kittay, Eva F. Okin, Susan M. Young, Iris M. 岡野 八代 ■言及・紹介 作成:野崎泰伸 UP:20080305 REV: ◇フェミニズム/家族/性… ◇自由・自由主義 リベラリズム ◇身体×世界:関連書籍 ◇BOOK |