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『高齢者の医療の確保に関する法律の解説――付・高齢者の医療の確保に関する法律』

土佐 和男 編 200802 法研,461p.


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■土佐 和男 編著 200802 『高齢者の医療の確保に関する法律の解説――付・高齢者の医療の確保に関する法律』,法研,461p. ISBN-10: 487954714X ISBN-13: 978-4879547149 4725 [amazon][kinokuniya] ※ d01.a06.

■土佐和男[トサカズオ]

昭和52年中央大学法学部卒業。昭和53年杉並区に入庁。国民健康保険課長、高齢者施策課長等を経て平成16年厚生労働省に入省、保険局国民健康保険課課長補佐に就任。平成18年老人医療企画室室長補佐(併任)、高齢者医療制度施行準備室室長補佐(併任)。新たな高齢者医療制度創設の立案等に携わる。昭和28年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

1 序論
 医療制度改革が必要な理由
 諸外国の状況
 ほか
2 医療費適正化計画
 医療費適正化計画の概要
 全国医療費適正化計画
 ほか
3 特定健康診査・特定保健指導
 特定健康診査・特定保健指導の概要
 特定健康診査等実施計画
 ほか
4 新しい高齢者医療制度
 後期高齢者の保健事業
 後期高齢者に係る医療費適正化事業
 ほか
付 高齢者の医療の確保に関する法律

■引用

T 序論
 1 医療制度改革が必要な理由
  (1)老人医療費の増大
 「平成12年版の厚生白書の「老人医療費無料化政策の功罪」で、「昭和44年に秋田県と東京都が老人医療費の無料化に踏み切ったことを契機に、各地の地方公共団体がこの動きに追随し、昭和47年には、2県を残して全国で老人医療費が無料化される状況となった。この流れを受け、昭和48年から、国の施策として、70歳以上(寝たきり等の場合65歳以上)の高齢者に対して、医療費の自己負担分を、国と地方公共団体の公費を財源として支給する老人医療費支給制度が実施された。この制度により、経済的理由から高齢者の受診が抑制されることがなくなり、高齢者は受診しやすくなった。その反面、ややもすると健康への自覚を弱め、行過ぎた受診を招きやすい結果ともなり、『必要以上に受診が増えて病院の待合室がサロン化した』あるいは『高齢者の薬漬け、点滴漬けの医療を助長した』との問題も指摘されるようになった。また、この制度導入後の高齢化の進展もあいまって、老人医療費は著しく増大し、各医療保険の財政を圧迫した」と分析している。
 この状況は、図表1の老人医療費の推移を見れば、はっきりとわかる。<0016<
 このような背景を前提に、図表2の人口構成の変化を見れば、昭和57年の老人保健法の施行前である昭和55年当時に、老人医療費の無料化が続けられたのは、70歳以上の者が少なく、それ以下の年齢のいわゆる若人、65歳未満の者が多かったので、若人が費用を負担して高齢者に手厚い施策を行うということが十分に成り立っていた時代だった。
 その後、対象年齢の拡大が行われ、65歳以上の医療費を無料化する都道府県もあった。
 平成12年になると、昭和55年に比べ70歳以上の人口が約2倍になっており、65歳以上も増えているので、高齢者に手厚い施策がとりえなくなってきた。そこで、65歳以上の医療の問題でいえば、無料化の対象年齢の制限や、所得制限が行われた。」([16-17])

 W新しい高齢者医療制度
  29後期高齢者医療制度の給付
   (10)後期高齢者の診療報酬体系
    A後期高齢者の診療報酬体系の必要性(全文)
 「年齢別に見ると、一番医療費がかかっているのが後期高齢者であるから、この部分の医療費を適正化していかなければならない。特に、終末期医療の評価とホスピスケアの普及が大切である。実際、高額な医療給付費を見ると、例えば、3日で500万円、1週間で1,000万円もかかっているケースがある。
 そうしたケースは、終末期医療に多くある。後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が1時間でも、1分でも生かしてほしいと要望して、いろいろな治療がされる。それが、かさむと500万円とか1,000万円の金額になってしまう。その金額は、税金である公費と他の保険者からの負担金で負担する。どちらも若人が中心になって負担しているものである。  家族の感情から発生した医療費をあまねく若人が支援金として負担しなければならないということになると、若人の負担の意欲が薄らぐ可能性がある。それを抑制する仕組みを検討するのが終末期医療の評価の問題である。
 また、後期高齢者の場合は、高額な医療費を使っても亡くなられる事例が多い状況がある。癌で苦しまれている方を含めてホスピスケアで、できるだけ心豊かに亡くなるまでの期間を過ごしてもらう仕組みが必要である。単純に医療費だけの側面だけで<0318<はなく、その方の幸せの側面からも考えていく必要がある。」([318-319])

■言及

◆2008/04/24 「後期高齢者医療制度:終末期の「抑制」重要 厚労省本音」
 毎日新聞 2008年4月24日
 「後期高齢者(長寿)医療制度を担当する厚生労働省の職員が、自ら執筆した解説書の中で、死期の近づいたお年寄りの医療費が非常に高額として終末期医療を「抑制する仕組み」が重要と記していたことが分かった。23日の衆院厚生労働委員会で長妻昭議員(民主)が指摘した。制度導入の本音の一端が浮かんだ形だ。
 解説書を書いたのは高齢者医療企画室長補佐。今年2月刊行の「高齢者の医療の確保に関する法律の解説」(法研)で、75歳以上への医療費が「3日で500万円もかかるケースがある」としたうえで、「後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が1時間でも1分でも生かしてほしいといろいろ治療がされる」「家族の感情から発生した医療費をあまねく若人が負担しなければならないと、若人の負担の意欲が薄らぐ可能性がある」などと記述、医療費抑制を訴えている。
 また、補佐は今年1月に金沢市内で開かれた一般向けフォーラムで講演し、独立型の保険とした理由について「医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした」とも発言していた。【野倉恵】」
◆立岩 真也 2008/06/01「有限でもあるから控えることについて・5――家族・性・市場 33」,『現代思想』36-(2008-6):- 資料,
◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表


UP:20080425 REV:0513
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