『バーリンの自由論――多元論的リベラリズムの系譜』
濱 真一郎 20080225 勁草書房,463p.
■濱 真一郎 20080225『バーリンの自由論――多元論的リベラリズムの系譜』,勁草書房, 463p,ISBN-10: 4326101792 ISBN-13: 978-4326101795 ,5250 [amazon]※ b
■内容
正義を根源的価値としたロールズの系譜に対立する、個人の自律を重視するリベラリズムの流れ──バーリンとその後継者たち。消極的/積極的自由の区別の理由を問う。
バーリンの消極的自由/積極的自由の区別は、すでに「現代の古典」となっている。この区別は、しかし二者択一的なものではない。彼の思想史研究や独自の価値多元論と結びついているのである。ラズ、グレイ、ガリボー、マルガリート、シュクラーらの流れをたどりつつ、バーリンが探求した「最小限に品位ある社会論」の再構成をめざす。
[関連書] アイザィア・バーリン 『自由論』 (みすず書房)
■目次
まえがき
序 章 なぜバーリンの自由論に注目するのか
第一部 価値多元論とリベラリズム
第一章 価値多元論と二つの自由概念──バーリンの多元論的リベラリズム
第二章 通約不可能な諸価値からの自律的な選択──ラズの卓越主義的リベラリズム
第三章 価値多元論と自由の実践──グレイのポスト・リベラリズム
第四章 価値多元論とリベラリズムを結びつける試み──両者を結びつける試みへのバーリンの確信と懐疑
第二部 品位ある社会の実現を目指して
第五章 品位ある社会と恐怖のリベラリズム──バーリンとシュクラーの自由論に即して
第六章 品位ある社会とは何か──マルガリートによる「品位ある社会」を物語る試み
第七章 品位ある社会の人権論──イグナティエフの人権観の変化に即して
第三部 品位ある社会の自由論
第八章 価値多元論とリベラリズムの事実上の結びつき──バーリンとグレイの論争をめぐって
終 章 品位ある社会の自由論の可能性
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:鹿島萌子