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『老いはじめた中国』

藤村 幸義 20080227 アスキー新書,232p.


Last Update:20101010
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■藤村 幸義 20080227 『老いはじめた中国』,アスキー新書,232p. ISBN-10:4756151124 ISBN-13:978-4756151124 \790 [amazon][kinokuniya] ※

■内容

内容紹介
成長に向かって突き進んできた中国。しかし、驚異の経済成長は間もなく終焉を迎える。
狂乱の投機ブームからバブル崩壊へ、環境汚染はますます深刻化、頼みの労働力も不足しはじめ、そこに急激な高齢化の波が襲う……。
北京オリンピックという大きな転換点を迎え、押さえ込んできたあらゆる矛盾が噴出する。本書は、成熟を待たずに急激に老いてゆく超大国の未来を冷静に見つめ、来るべきチャイナリスクを読み解く手助けになる1冊です。
著者は、1970年代末より、北京特派員として中国経済を一貫して取材してきたベテランジャーナリスト。

内容(「MARC」データベースより)
成長に向かって突き進んできた中国。しかし、北京オリンピックを期に転換点を迎え、あらゆる矛盾が噴出する。バブル崩壊、環境汚染、労働力の不足、高齢化…。老いてゆく中国を冷静に見つめ、未来のチャイナリスクを読み解く。

著者について
一九四四年生まれ。
日本経済新聞社・北京特派員を経て八七年に北京支局長。九三年に論説委員。
現在、拓殖大学国際学部教授。
改革開放政策の進展と課題を一貫して追求してきた。
中国経済学会理事、日中関係学会理事。

■目次

はじめに
 「老い」を招く人口構成のアンバランス
 「老い」を加速する要因
 「老い」に合わせ、経済・政治・社会の体質改善も

第一章 成熟を待たずに老いてゆく超大国
 (1)六億人の超高齢化時代がやってくる
  高層ビルとお年寄りの街・上海
  日本以上に進む高齢化
 (2)いつ「一人っ子政策」を撤廃するか
  一人っ子が多すぎる
  人口のリバウンドが怖い
  若い女性は子どもを産みたがらない
  一人っ子は超わがまま
 (3)ユニクロはいつまで中国に頼れるか?
  「農村から都市へ」の流れが止まる?
  「安くて無尽蔵の労働力」は幻想に賃上げしても労働者が集まらない
  戸籍制度にメスを入れる
  格差是正のチャンス
 (4)大学生はなぜか就職難
  荒れる学生、「卒業証書をよこせ」
  容赦ない教育産業化
  産業界と大学教育とのミスマッチ
第二章 中国は「地球にやさしく」なれるか
 (1)未曾有うのプロジェクト、三峡ダムで起きていること
  映画『長江哀歌』にみる取り壊しの現場
  工事は順調のはずだったが
  長江の水質悪化は待ったなし
  さらに二三〇万人を移住させる
  環境破壊はむしろこれから本格化
 (2)世界遺産の自然環境は守れるか
  一日一万人以上の観光客が殺到
  五彩池の環境整備
  九寨溝にも大型バスが群がる
 (3)七〇都市で地盤沈下
  上海や天津では二メートル以上も
  石炭の乱開発も原因に
  海面の上昇で海岸が後退
 (4)世界一のCO2排出国
  温暖化防止への圧力が高まる
  中国環境脅威論
  あくまで経済発展を優先するか
 (5)中国は環境汚染のデパートだ
  高成長で再び環境悪化
  「水俣病」が四川省で
  多発する河川の環境汚染事故
  住民の抗議行動も
第三章 高度成長が終焉、曲がり角の経済
 (1)バブル崩壊の可能性
  市中にあふれた資金が不動産を物色
  不動産の次は株式市場へ
  消費者物価も高騰
  経済成長率は五年連続一〇%台
  元凶は政府の「ドル買い・人民元売り」
  「経済の過熱」を認めない
  引き締め政策でバブルを警戒
 (2)外資優遇政策を撤廃へ
  スターバックスを故宮から追い出す
  行き過ぎた外資進出を批判
  ついに内外の企業所得税を統一
  WTO体制と中国、三つのシナリオ
 (3)中国メーカーの競争力を問う
  研究開発費は驚異的な伸び
  乗用車の品質では日本が圧勝
  問題は研究開発の「質」
  期待の星は帰国留学生
 (4)「投資」から「消費」へ
  内陸部開発が鍵になる
  一年に八万件の暴動・騒乱
  貧富の格差は世界屈指
  インフラ整備を起爆剤に
  超リッチな農村も出現
 (5)政治の民主化も曲がり角に
  市場経済化が社会を成熟させる?
  資本家が共産党員になる時代
  「一党独裁」に固執
  第四世代の指導部への期待
  迷走する「報道の自由」
  三十五年ぶりに非共産党員の閣僚
  民主化へのもどかしい道のり
  経済政策でめだつ総花式
  党内のパワーゲームは続く

第四章 行き過ぎた市場経済化への反省
 (1)物権法が社会主義体制を変える
  強制的な立ち退きを拒否
  物権法で土地の私有化が進む
  法律学者も厳しく反対
  進む農地の集約化
 (2)問われる中国富豪たちの責任
  二十六歳の女性が中国富豪ナンバーワンに
  うまみが多い不動産錬金術
  続出する脱税、不正融資疑惑
 (3)資源外交と「新植民地主義」
  突然のアフリカ外交活発化
  目的は石油、非鉄金属など資源の確保
  反中デモも発生
  「新植民地主義」否定に躍起
 (4)静かに広がる「国学」ブーム
  中国でも「品格」が流行に
  発展の蔭で「国学」が大ブーム
  孔子の故郷・曲阜が賑わいを取り戻す
  「金銭万能主義」への反省か
  国学のスター教授に批判的な意見も
 (5)「企業の社会的責任」と「食の安全」
  中国企業にとって社会的責任とは
  めだつのは欧米企業の活動
  「食の安全」「環境汚染」への取り組みが急務
第五章 台湾・インド・日本との関係
 (1)中台関係は対立から現状維持へ
  「中正記念堂」を「台湾民主記念館」に改名
  着実に進む「台湾化」
  中台の経済交流は止めようがない
  民進党と国民党の政策は大差ない?
  たがいに相手のスキャンダル探し
  「一つの中国」の意味
 (2)中台合弁百貨店の混乱劇
  台湾側スタッフを力で排除
  政治介入でなんとか和解に
  中国に求められる大人の姿勢
 (3)インドに追い越される日
  ソフトウェアが成長の牽引力に
  発展のカギはむしろ製造業
  インドが中国より有利な点
  日本・インド・中国ビジネスの未来像
 (4)日中のコミュニケーションギャップは縮まるか?
  『激流中国』vs『岩松看日本』
  「中国は外部からの指摘を謙虚に受け止めよ」
  中央テレビの人気キャスターが日本を紹介
  「中年の愛と死」について切り込む
  中曽根康弘と日中関係を語る
 (5)日中「政冷経熱」に変化の兆し
  「ARIGATO 謝謝 CHINA」の横断幕
  反日・嫌中感情はどうなる
  老いはじめた中国は日本を必要とする

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口也寸志 
UP:20101010 REV:
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