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『病み情報社会』

金子 義保 20071205 新書館,414p.

last update:20110922

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■金子 義保  20071205 『病み情報社会』,新書館,414p. ISBN-10: 4403120202 ISBN-13: 978-4403120206 \3800 [amazon][kinokuniya] ※ ms

■内容

内容(「BOOK」データベースより)
厚生労働省、製薬会社、大学医学部、病院、マスコミのネットワークが病気を蔓延させている―だけではない、現代社会の仕組みそのものが病気をつくっているのだ。淡々と並べられてゆく事実が浮き彫りにする現代医療の恐るべき実態。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
金子 義保
1944年、埼玉県生まれ。1970年、東京大学医学部卒、医学博士。アルバート・アインシュタイン医科大学研究員、東京大学医学部講師、東京大学医学部付属病院総合内科外来医長。内分泌代謝病、肝臓病、肝癌の遺伝子治療などを研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

詳細目次 (4)
はじめに (10)

第T部 病の蔓延
 
 第一章 複雑系の情報と「病み情報」 (16)
  1 病と医の歴史 (17)
     古代と医学 (18)
     中世と医学 (20)
     人間性復興の時代と医学 (21)
     自由平等と科学記述の時代と医療 (22)
     持続可能な社会を求めて (24)
  2 複雑系の情報 (26)
     生命体や社会は複雑系である (26)
     ヒトの遺伝情報 (27)
      (1)ゲノム情報 (27)
      (2)ヒト(新人)の個人差 (28)
      (3)非ゲノム的遺伝情報 (29)
     環境情報 (29)
     ゲノムと環境の相互作用 (31)
      (1)胎児プログラミング (31)
      (2)臨界期 (32)
      (3)DNAのメチル化 (33)
  3 病をもたらす遺伝情報 (34)
     遺伝病をもたらすゲノム情報の異常――遺伝子変異 (34)
     多因子病をもたらす遺伝素因――遺伝子多型 (35)
  4 病をもたらす自然環境の情報 (36)
     医原微生物 (36)
      (1)黒死病(ペスト) (36)
      (2)天然痘 (37)
      (3)インフルエンザウイルス (37)
      (4)エイズ (38)
      (5)西ナイルウイルス (39)
      (6)新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群) (40)
      (7)狂牛病(BSE)とヒトの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 (41)
  5 病をもたらす社会情報 (41)
     レベル3の社会の病み情報 (42)
     レベル2の社会の病み情報 (43)
     レベル1の社会の病み情報 (44)
     病み情報の把握 (44)

 第二章 病んだ社会情報がもたらす社原病 (46)
  1 病み情報に基づく自己傷害と他者傷害 (47)
  2 貧しさ病と豊かさ病 (49)
     世界の危険因子 (49)
     貧困は貧困と病と暴力を生み出す (50)
     喫煙 (53)
     過食 (58)
     飲酒 (59)
     自動車事故 (60)
  3 有害物質による環境と心身の破壊 (61)
     公害という他者傷害 (61)
      (1)石油と石炭の利用 (61)
      (2)合成化学物質による病 (62)
      (3)環境ホルモン (63)
      (4)ライスオイル事件のダイオキシン (65)
      (5)抗生物 (66)
     日本の四大公害病 (66)
      (1)カドミウムによるイタイイタイ病 (66)
      (2)メチル水銀による水俣病と新潟水俣病 (68)
      (3)四日市喘息 (73)
     大気汚染 (73)
     地球温暖化 (75)
     放射能 (79)
  4 職業と関連する疾患 (81)
     職業病と労災 (81)
      (1)労働災害 (81)
      (2)塵肺症 (81)
      (3)職業癌 (82)
     作業関連疾患 (84)
  5 狂気が生み出す究極の他者傷害 (86)
     イデオロギー (87)
      (1)人種的全体主義 (88)
      (2)階級的全体主義 (91)
     戦争 (93)
      (1)戦争は多因子病 (95)
      (2)戦争の遺伝素因(ゲノム情報) (96)
      (3)環境因子(社会情報) (98)
      (4)戦争がつくる心身の病 (100)
      (5)戦争の予防 (103)

 第三章 ありふれた病・多因子病 (107)
  1 心身の病を診る (108)
     実際の死因 (108)
     実際の死因を生み出す病み情報 (108)
     社会の病と心身の病の類似性 (109)
  2 ゲノムと環境の相互作用がもたらす多因子病 (110)
     遺伝素因 (111)
     環境因子 (113)
      (1)胎児期の環境 (113)
      (2)幼児期の環境 (115)
      (3)成人後の環境 (116)
  3 多因子病と活性酸素 (118)
     活性酸素を増す環境 (118)
     活性酸素と病 (119)
     病の予防 (121)

第U部 文明病各論

 第四章 代謝系の病 (124)
  1 代謝系の特徴 (125)
     代謝系は複雑系である (125)
  2 代謝症候群 (127)
     遺伝素因(ゲノム情報) (128)
     環境因子 (128)
     代謝症候群の発症機序 (129)
     代謝症候群の治療 (132)
  3 肥満 (132)
     肥満の世界的な蔓延 (132)
     肥満細胞 (133)
     肥満のゲノム情報 (134)
      (1)肥満遺伝子 (134)
      (2)肥満の遺伝素因 (134)
      (3)その他 (137)
     肥満の環境因子 (137)
     肥満がもたらす問題 (138)
     肥満の予防と治療 (139)
      (1)食事運動療法 (139)
      (2)薬物療法 (140)
      (3)手術 (140)
  4 糖尿病 (141)
     蔓延する糖尿病 (141)
     2型糖尿病の遺伝素因 (142)
     2型糖尿病発症を促進する環境因子 (143)
     糖尿病のメカニズム (144)
      (1)インスリン分泌能障害 (144)
      (2)インスリン抵抗性 (145)
     糖尿病の治療 (146)
      (1)食事療法と運動療法 (146)
      (2)血糖降下薬 (147)
      (3)血糖降下薬と生活習慣改善の効果の比較 (149)
      (4)インスリン注射 (150)
     糖尿病の組織障害や合併症 (151)
      (1)微少血管障害 (151)
      (2)大血管障害 (153)
  5 高脂血症 (153)
     家族性高脂血症 (153)
     非家族性高コレステロール血症 (155)
      (1)遺伝素因 (155)
      (2)環境因子 (155)
     高脂血症の合併症――冠動脈疾患、脳梗塞、末梢動脈疾患 (156)
     高脂血症の治療 (156)
      (1)食事療法と運動療法 (156)
      (2)薬物療法 (158)
     日本での大規模臨床研究 J-LIT (160)
     薬物療法の費用対効果比 (161)
 
 第五章 血管系の病 (168)
  1 心血管系の病の特徴 (169)
  2 高血圧 (170)
     遺伝因子 (171)
     環境因子――食事・塩分と高血圧 (173)
     高血圧の合併症 (174)
     高血圧の治療 (175)
      (1)食事運動療法・生活習慣の改善 (175)
      (2)薬物療法 (176)
     高血圧診療ガイドライン (178)
  3 動脈硬化症 (179)
     遺伝素因 (180)
     環境因子 (180)
     動脈硬化の機序 (181)
     診断 (183)
  4 虚血性心疾患 (183)
     心筋梗塞 (183)
     遺伝素因 (183)
     環境因子 (184)
     予防と治療 (187)
      (1)血栓溶解剤 (189)
      (2)経皮的冠動脈インターベンション(PCI) (190)
      (3)バイパス手術(CABG) (190)
  5 脳卒中 (191)
     脳卒中の罹患状況 (191)
     遺伝素因 (191)
     環境因子 (192)
     予防と治療 (193)

 第六章 癌 (200)
  1 癌の罹患状況 (201)
  2 発癌機序 (201)
     細胞増殖とDNA修復エラー (201)
     活性酸素によるDNA損傷 (202)
     癌の性質 (203)
  3 癌の遺伝素因 (204)
     遺伝性癌 (204)
     散発性腫瘍の遺伝素因 (205)
  4 環境因子 (205)
     発癌物質 (206)
      (1)食品添加物や調理法 (207)
      (2)タバコ (207)
      (3)ディーゼル排気ガス (207)
      (4)農薬その他 (208)
     発癌微生物 (209)
     放射能被曝 (210)
  5 癌の診断 (212)
  6 癌の予防と治療 (216)
     癌の予防 (216)
     癌の手術療法 (217)
     抗癌剤 (217)
      (1)トラスツズマブ(商品名ハーセプチン) (218)
      (2)リツキシマブ(商品名リツキサン) (218)
      (3)イマニチブ(商品名グリベック) (218)
      (4)ゲフィニチブ(商品名イレッサ) (219)
     放射線 (219)
     免疫療法 (220)
  7 頻度の高い癌 (220)
     肺癌 (221)
      (1)診断 (221)
      (2)予防と治療 (222)
     胃癌 (222)
     大腸癌 (224)
     肝癌 (225)
     膵臓癌 (226)
     乳癌 (226)
     子宮頚癌 (228)
     前立腺癌 (229)

 第七章 免疫アレルギー疾患 (236)
  1 複雑系としての免疫系 (237)
  2 アレルギーとその罹患状況、機序、治療 (239)
     罹患状況 (239)
     発症機序 (240)
     遺伝素因 (241)
     環境因子 (242)
     アレルギーの治療 (243)
  3 高頻度のアレルギー疾患 (244)
     アトピー性皮膚炎 (244)
     アレルギー性鼻炎、花粉症 (245)
     気管支喘息 (246)
     化学物質過敏症 (247)
      (1)シックハウス症候群 (247)
      (2)シックスクール症候群 (248)

 第八章 精神疾患 (250)
  1 脳神経系は典型的な複雑系である (251)
  2 精神疾患への罹患状況 (252)
  3 遺伝と環境 (253)
     遺伝素因 (253)
     環境因子 (253)
      (1)ストレス (254)
      (2)化学物質 (255)
  4 多頻度精神疾患 (256)
     うつ病 (256)
      (1)遺伝素因 (257)
      (2)環境因子 (258)
      (3)うつ病の治療 (259)
     不安障害 (260)
      (1)心的外傷後障害(PTSD) (260)
      (2)パニック障害 (261)
      (3)慢性疼痛 (261)
     統合失調症 (262)
      (1)診断 (262)
      (2)発症機序 (263)
      (3)遺伝素因 (264)
      (4)環境因子 (266)
      (5)統合失調症の薬物治療 (268)
      (6)入院治療 (269)
     認知症 (270)
      (1)遺伝素因 (271)
      (2)環境因子 (271)
      (3)予防と治療 (272)
     依存症 (272)
      (1)遺伝素因 (273)
      (2)環境因子 (273)
      (3)治療 (273)
      (4)アルコール依存症 (274)
      (5)ニコチン依存症 (276)

第V部 病は減らせるか

 第九章 医療における病み情報とその修正 (282)
  1 医療ゲーム (283)
     患者 (284)
      (1)医療への依存 (284)
      (2)病に罹ったとき (284)
      (3)死との関わり合い (285)
     医者 (287)
      (1)医学教育 (288)
      (2)医師の病 (290)
      (3)揺らぐ倫理 (291)
      (4)論文偏重 (294)
     病院 (297)
     製薬会社 (299)
     国家 (302)
      (1)産官学協同路線 (302)
      (2)健康日本 (302)
  2 ゲームの均衡状態としての諸問題 (303)
     過剰診療 (303)
     過少診療 (305)
     医原病と医療過誤 (307)
  3 薬と薬害 (310)
     多すぎる薬 (310)
      (1)必須薬剤・エッセンシャルドラッグ (311)
      (2)効かない薬 (311)
     薬害 (312)
     薬害の具体例 (317)
      (1)スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS、皮膚粘膜眼症候群) (317)
      (2)フェンホルミン (318)
      (3)キノホルム (318)
      (4)クロロキン (318)
      (5)サリドマイド (319)
      (6)集団予防注射や輸血などによる肝炎 (320)
      (7)フィブリノゲンによるC型肝炎 (321)
      (8)薬害エイズ (322)
      (9)ソリブジン(商品名ユースビル) (324)
      (10)非ステロイド系解熱鎮痛剤(NSAIDs) (325)
      (11)チクロジビン(商品名パナルジン) (326)
      (12)エダラボン(商品名ラジカット) (326)
      (13)乾燥硬膜によるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD) (327)
      (14)スタチン系の横紋筋融解症 (328)
      (15)抗癌剤ゲフィチニブ(商品名イレッサ) (328)
  4 根拠不十分の治療 (331)
     梅毒の水銀治療 (331)
     ハンセン病の強制隔離政策 (331)
     ロボトミー (334)
     ホルモン補充治療(HRT) (335)
     精神分析――記憶の回復 (337)
  5 人体実験 (337)
     日本の軍学共同体 (338)
      (1)七三一部隊の人体実験 (338)
      (2)大学病院の人体実験 (339)
     ナチスの場合 (339)
     アメリカの軍学共同体 (341)
     アメリカ・アラバマ州タスキーギの人体実験 (341)
     現代型人体実験 (342)
  6 医療情報の不透明性 (344)
  7 予防医学の重要性 (346)

 第十章 科学による病み情報の修正 (351)
  1 分子生物学と生命科学によるゲノム情報の修正 (352)
     遺伝子診断 (353)
     遺伝子治療 (355)
     命の選択 (356)
     命の文化 (357)
     臓器移植 (358)
     臓器再生 (360)
     クローン人間 (361)
      (1)ヒトクローンづくりを推進する論理 (361)
      (2)ヒトクローン反対の理由 (362)
     生命体の創造 (363)
      (1)生命細胞の遺伝子操作 (364)
      (2)人工生命体 (364)
  2 統計的証拠による病み情報の修正 (365)
     臨床疫学と証拠に基づく医療(EBM) (365)
      (1)相対リスクと絶対リスク (367)
      (2)バイアス (367)
      (3)クリニカルガイドライン(CG) (368)
     臨床疫学が明らかにする健康情報と病み情報 (368)
      (1)長寿 (368)
      (2)危険因子 (370)
      (3)食事療法 (371)
      (4)薬物療法 (372)
      (5)サプリメントなど (372)
      (6)適度の運動 (374)
      (7)数字の限界 (374)
  3 個人の主観的合理的選択とその修正 (375)
     利益の最大化という合理性 (376)
     主観的選択という合理性 (377)
  4 社会情報による拘束とその修正 (379)
     情報のネットワーク (380)
     世界を動かす金融資本のネットワーク (382)
     新たな情報空間 (383)
  5 地球環境の無限概念を修正する (385)
     資源は有限である (385)
     ガイア理論と地球医学 (386)
     地球という人間の肥育場 (387)
     フットプリントという指標 (388)
  6 複雑系の理解と脳による病み情報の修正 (389)
     複雑系の特徴 (390)
      (1)カオス (390)
      (2)創発 (390)
      (3)自己組織化 (391)
      (4)適応 (391)
     脳の科学 (391)
     脳には意識と無意識がある (392)
     脳は模倣する (393)
     脳は錯覚する (394)
     脳の正しさと誤りやすさについて (395)
     脳と社会の発展の乖離と生き残り遺伝子 (397)
     脳の可塑性と病み情報の修正 (399)

おわりに (403)
索引 (414)


■SJSに関連する部分の引用

(p317)
薬害の具体例
(1)スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS、皮膚粘膜眼症候群)
 アメリカで一九二二年に報告された疾患である。風邪薬、解熱鎮痛剤、合成抗菌剤、抗生剤などに使われている医薬品が原因で、発熱や発疹、目の炎症、全身に及ぶ広範囲な紅斑、水疱、表皮剥離、びらんをきたす。表皮細胞の全層性壊死性変化を本態とする最重症型薬疹で、「中毒性表皮壊死症(TEN)」になり、死に至ることもある。一年間で百万人にあたり一〜六人が発症する。日本では、一九九七年からの三年間に八百八十二件が報告され、八十一人が死亡している。二〇〇一年から二〇〇三年までに、千六十四件が報告され百六人が死亡した。


■書評・紹介


■言及




*作成:野口 陽平 追加:植村 要
UP:20081128 REV:20110922
医療/病・障害 と 社会  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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