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『社会福祉学の「科学」性――ソーシャルワーカーは専門職か?』 三島 亜紀子 20071130 勁草書房,211+36p. ■三島 亜紀子 20071130 『社会福祉学の「科学」性――ソーシャルワーカーは専門職か?』,勁草書房,211+36p. ISBN-10: 4326602066 ISBN-13: 9784326602063 3150 [amazon]/[kinokuniya] ※ ■帯 知識の体系化と技術の「科学」化によって、理想は実現するはずだった。 フロイト理論からEBMまで―専門職としての認知とそれを保証する学問としての「科学」性を求め、社会福祉はどのような歴史を辿り、そして今どこへ向かおうとしているのか。 社会福祉学をめぐる科学・物語・政治。 ■紀伊國屋書店のHPより http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4326602066.html 第1章 専門職化への起動 第2章 社会福祉の「科学」を求めて 第3章 弱者の囲い込み 第4章 幸福な「科学」化の終焉 第5章 専門家による介入―暴力をめぐる配慮 終章 専門家の所在 専門職としての認知とそれを保障する学問としての「科学」性を求め、社会福祉学はどのように発展してきたのか、そして今後どうあるべきか。歴史を辿り今後を展望する。 ソーシャルワーカーの専門職化は知識の体系化や援助技術の「科学」化によってもたらされるとされてきた。一途な「科学」化から反専門職主義や「ポストモダニズム」の台頭を経て、社会福祉学はいま「エビデンス」をキーワードに、再び「科学」化を推し進めようとしつつある。迷走する社会福祉学の歴史を辿り、今後を展望する意欲的一書。 [関連書] 同著者 『児童虐待と動物虐待』 (青弓社) ■目次 はじめに 第一章 専門職化への起動 第一節 全国慈善矯正事業会議におけるフレックスナー講演 第ニ節 フレックスナー講演に先行するフレックスナー報告 第三節 「進化」する専門職 第ニ章 社会福祉の「科学」を求めて 第一節 援用される諸学問の理論 第ニ節 最初の「科学」化――精神力動パースペクティブ 第三節 ラディカルなソーシャルワーク 第四節 社会福祉統合化へむけて――システム-エコロジカル・ソーシャルワーク理論 第三章 弱者の囲い込み 第一節 障害者というまとまりの具体化 第ニ節 福祉の対象となる子ども 第三節 子どもの権利と専門家の権限 第四章 幸福な「科学」化の終焉 第一節 反専門職主義の嵐 第ニ節 脱施設化運動 第三節 新たな社会福祉専門職への再調整 第五章 専門家による介入――暴力をめぐる配慮 第一節 ソーシャルワーク理論と政治 第ニ節 理論と政治の連動――イギリスにおける児童福祉の展開・1 第三節 「自由の巻き返し」――イギリスにおける児童福祉の展開・2 第四節 自由か安全か 終 章 専門家の所在 第一節 一九九〇年代以降 第ニ節 エビデンス・ベイスト・X 第三節 反省的学問理論と閾値 参考文献 索 引 ■引用 はじめに 「医師が専門家のモデルとされると、絶えざる実験・研究によって学問は進歩するといった思考が社会福祉領域においても再現され、実践の理論化や「科学」化がソーシャルワーカーの専門性を根拠づけると考えられるようになった。[…] 社会福祉の学問の確立に向けたこうした努力に対し、いち早く否定的な声をあげたのは福祉の実践家たちの一部であった。現場にいる実践家たちはいう。学問は日常の業務には関係ない。実践において役立つことは少ない。大学での専門教育を終え、資格を手にした若者よりも、現場経験の長い無資格者のほうが現場では有能である、など。そこでは、ソーシャルワーカーの専門性を裏付けるはずの研究の蓄積は、容赦なく放棄される。 同時に、アカデミックな場においても、社会福祉学は市民権を得ることができなかった。既存の学問理論を集成すると新しい学問が確立するという保証はどこにもなく、既存の学問からは冷たい視線を投げかけられる。諸学問からの無頓着な理論の流入で成り立つ社会福祉学とは、結局二番煎じにすぎず、学問や科学と呼ぶに値しないと見なされた。もろく、、傷つきやすい(ヴァルナラブル)社会福祉学。このことは、社会福祉学が誕生した頃から常に口にされてきたものであった。」(三島[2007:ii-iii] 「ヴァルナラブル」は振り仮名) 「よりよいソーシャルワーク理論を追い求め社会福祉実践の「科学」化を進めることによってソーシャルワーカーは専門家になるといった考え方は、この学問の草創期から約半世紀もの間、専門職化を語るうえで前提とされていた。しかしながらこれに対し、突然異議が唱えられた。一九六〇年代からの反専門職の思想である。専門家として、あるいは学問として社会的に承認されないまま、ソーシャルワーカーそして社会福祉学は批判されることとなった。そこでは社会福祉学の「科学性」を高める客観主義的な学問のあり方が、パターナリズムの温床となると指摘された。マルクス主義者たちは資本主義体制を基盤に福祉国家が成立している点を非難したが、その彼らさえ否定しなかった、知そのものが標的とされたのである。これまで骨身を削って重ねてきた「科学」化への努力が無意味とされただけでなく、「科学」化によってソーシャルワーカーの専門性が高まるという考え方こそが危険であると指摘された。[…] この社会福祉学における反省的学問理論の興隆とともにあったのが、ミシェル・フーコーという思想家であった。エンパワーメントやストレングス視点、ナラティヴ理論といった社会福祉領域の反省的学問理論を唱える論者たちは、こぞって理論的基盤をフーコーに求めた。フーコーが考察の対象とした社会福祉学を含む学問にとって、彼の思想は本来、脅威で空く。しかしながら、一九九〇年代の英米の社会福祉学領域において、反省的学問理論を唱える多くの者は先を競うようにしてフーコーを論拠としていった。」(三島[2007:iv-v]) cf.Foucault, Michel ■紹介・言及 ◆立岩 真也 2008/02/01 「二〇〇七年読書アンケート」,『みすず』50-1(2008-1・2) ◆立岩 真也 2008/08/25 「『社会福祉学の「科学」性』」(医療と社会ブックガイド・85),『看護教育』48-(2008-8):-(医学書院) ◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表 ■誤植 p.iii 「実践家たち一部」→「実践家たちの一部」 UP:20071219 REV:20080625 ◇三島 亜紀子 ◇身体×世界:関連書籍 ◇BOOK |