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『稲盛和夫の経営塾――Q&A高収益企業のつくり方』

稲盛 和夫 20071101 日本経済新聞出版社,224p.

last update:20140415

稲盛 和夫 20071101 『稲盛和夫の経営塾――Q&A高収益企業のつくり方』,日本経済新聞出版社,224p. ISBN-10:4532194253  ISBN-13:978-4532194253 \648+税 [amazon][kinokuniya]  ※


■内容

内容紹介
なぜ日本企業の収益率は低いのか? どんな事業でも生産性を10倍にし、利益率20%を達成する経営手法とは? M&Aを成功させるには? 成果主義はなぜ失敗するのか? 日本の強みを活かす実践経営学を説く。

■目次

序章 会社の存在意義を問う
第一章 高収益の基盤を築く
第二章 挑戦し続ける企業を目指す
第三章 パートナーシップで経営する
第四章 自ら燃える集団をつくる
終章 高収益経営を目指す

■引用

◆「会社の目的とはいったい何だろうか」。…会社経営の真の目的は…従業員とその家族の生活を守っていくことだと気づかされたのです。/その時から…京セラの経営理念を「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」と定めました。…人間が全身全霊で打ち込むには大義を必要とします。「大義」とは個人の利益ではなく、世のため人のためという「公」の利益のことです。…大義名分のある目的、すなわち経営理念を掲げたおかげで、全従業員の心がひとつにまとまったのです。そのことが京セラを今日まで発展させてきた最大の理由であると私は思っています。[2007:17-18]

◆企業の最高責任者である経営者は、「会社は何のために存在するのか」、つまり会社の大義とは何かということを自らに問いながら、あるべき姿を追い求めなければなりません。経営者が大義名分を定め、それを本気で貫き通せるかどうかによって、企業の成否は決まるのです。まず、経営者が次元の高い目的、大義名分を確立し、そのような会社の目的、意義を全従業員に示し、理解と協力を求め、経営者自身がその実現に向かって率先垂範することが、会社を発展させる原動力となるのです。[2007:21]

◆…高収益をあげるには、どのような原則に基づいて経営すればよいのでしょうか。私の場合は、「売上を最大にし、経費を最小にする」という非常にシンプルな原則を貫くことで、高収益経営を実現してきました。…売上を最大にするには、値段の決め方が重要なポイントになります。…商売の秘訣は、お客さまが納得して、喜んで買って下さる最高の値段を見抜き、その値段で売ることです。値決めは事業の死命を決する重大な判断であり…「値決めは経営」であると申してきました。[2007:28-29]

◆…まず自分の仕事をよく知ることです。難しいことをすることが立派なことではありません。単純な仕事でいいから、狙いを絞って、それに打ち込むべきです。それにはまず、あなた自身が現場を知ることです。…どうすればうまくいくのか、どうすれば効率が上がるのか、身をもって体験することです。…あなた自身が仕事の要点を把握し、業務内容からコストまですべて見ることができて、初めて核心を突いた指導ができるようになるのです。[2007:45-46]

◆事業というものは「知恵」さえ使えば、いかようにも展開できるものです。…それにはまず…仕事の採算性を高めなければなりません。…創意工夫をして一人当たりの生産性を向上させればよいのです。…生きがい、働きがいを見つけて、「今度からこうしよう」と…語りかけることが大事です。その上で、徹底した合理化を行い、生産性の向上を図り、…儲からないと思っていた仕事で、一割の利益を出せるようにしていくのです。…それができれば、さらに大きな夢が語れるはずです。[2007:51-55]

◆マーケットに限界がある以上、会社を成長させたいのなら、どうしても新規の事業を起こし、多角化を図る必要があります。…/しかし多角化には大きなリスクや困難が伴いますから、それにふさわしい準備が必要です。まず、会社が多角化に失敗しても、それに耐えうるだけの財務体質を確保しておかなければなりません。…/さらに、多角化の際、必要となるのは、経営者の心構えです。…多角化には、計り知れない困難と苦労が伴います。…特に経営者には、どんな苦難にも負けない覚悟と、人並みはずれた集中力が要求されるのです。/新規事業の競争相手は、専業である場合が多く、その事業に社運をかけています。…全力で向かってくる敵に勝つには、こちらも必死に戦わねばなりません。そのためには、次々と起こる経営問題を、すざまじいばかりの集中力で瞬時に判断しながら、誰にも負けない努力をするしか方法はないのです。…私は経営者として「有意注意」で判断するようにしてきました。…どんな些細なことでも、意を注ぎ、意識を集中させて、物事を判断することです。そのためには、普段よりどんなことに対しても、気を込めて取り組み、真剣に考える習慣が必要です。…まずは、自分の得意技を磨き、その延長線上に多角化を行うことを基本とすべきです。…多角化という厳しい上り坂を越えて自信をつけても、経営者は決して謙虚さを失ってはなりません。企業を成長させ続けるためには、どんな成功にも驕らぬよう、経営者の人間性を高めていかなければならないのです。[2007:70-78]

◆従業員が二十八名しかいなかった京都の零細企業が、コツコツと努力を積み重ね、今日の京セラになるまで成長を続けてきました。なぜそれができたのか。それは、「世界一」という高い目標を目指して、あくなき挑戦と努力を積み重ねると同時に、やみくもに拡大路線をとるのではなく、「足るを知る」ことを実践してきたからです。会社や事業の置かれている状況を冷静に見つめ、決して暴走しなかったからこそ、大きくつまずかなかったのです。また、事業がうまくいっても、有頂天にならず、己を見失うことなく、地道な努力を重ねてきたから、発展を続けることができたのです。/逆説的に言えば、足るを知り、事業の基礎を固めたら、また新しい事業に進出すればいいのです。[2007:86]

◆未知の新技術を開発する際、リーダーは、高い目標を掲げ、自分たちの能力を未来進行形で捉えることが必要です。経営トップがやると決めた以上…技術者を奮い立たせるべきです。能力を未来進行形で捉えることができる技術者だけが、優れた研究開発を成功させることができるのです。[2007:119]

◆…リーダーだけでなく、全従業員が経営者と同じような意識を持って経営に参画してくれる「全員参加経営」を実現することにより、全社は目標達成に向かって一致団結する体制ができるのです。/人は誰でも責任感や使命感を持った時、自ら燃えて仕事に打ち込みます。高収益経営とは、経営に積極的に参加する従業員が、目標に向かって一丸となる燃える集団となった時、初めて可能となるのです。[2007:169-170]

◆中小企業で売上を伸ばそうと思うなら、幹部の人たちも若い社員といっしょに毎日のように客先を回って注文取りをする必要があります。…生きた情報を得るためには、自分の足で客先を回らなければならないはずです。/本来、管理職とは、現場の実態をよく把握していて、戦略、戦術を立て、みんなを叱咤激励して、軍団を勝利に導く武将であるべきです。[2007:184-185]

◆…本来、会社はなぜ高収益でなければならないのでしょうか。…一番目の理由は、財務体質を強化することです。/事業には必ず資金が必要になります。…銀行にばかり頼っていては、いざという時資金繰りに困るのです。/そうならないためにも、普段から高収益により手元資金を増やし、財務体質を強化する必要があるのです。…将来にわたって、経営を安定させ、従業員の雇用を守るため、会社は高収益であらねばならないのです。…高収益をあげれば、経営を圧迫することなく、株主に対して安定した高い配当を行うことができるのです。…高収益経営は、株主にキャピタルゲインをもたらすことにもつながります。…会社が高収益により手元資金が増えれば、、その資金を使って新規事業に乗り出すことができます。…高収益経営を実現すると、蓄積してきた手元資金により他の企業をM&A…で傘下に入れることができるということです。…その結果、新しい事業や人材を自社に取り込み、新たな事業展開を図ることが可能となるのです。[2007:209-214]

◆それでは、会社を高収益にするには、どうすればよいのかということが問題となります。…/それは、経営者自身が「自分の会社をなんとしても高収益にしたい」という、心からの願望を持つことです。社長が高収益でありたいという強い願望を持ち、強い意志を持って経営していかなければ、いかなるノウハウを使っても、会社の利益を伸ばしていくことは困難です。…どうしてもそうしたいという、「心の底からの強い願望」が必要なのです。[2007:215]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20140303 REV:20140415
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