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『抜本的税制改革と消費税――経済成長を支える税制へ』

森信 茂樹 大蔵財務協会,242p.


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■森信 茂樹 20071002 『抜本的税制改革と消費税――経済成長を支える税制へ』,大蔵財務協会,242p. ISBN-10: 4754714512 ISBN-13: 978-4754714512 2000 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

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内容(「MARC」データベースより)
消費税に焦点を当てて、世界の税理論や税制改革の流れに沿って抜本的税制改革の論点を論じる。「公平」と「効率」の両立する税制をキーワードに、少子高齢化に対応する税制改革を説く。

■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

森信 茂樹
中央大学法科大学院教授、法学博士(租税法・租税政策)。ジャパン・タックス・インスティチュート所長。1950年、広島市生まれ。1973年、京都大学法学部卒業、大蔵省入省。在ソ連日本大使館一等書記官、在ロスアンジェルス総領事館領事、主税局調査課長、同税制第二課長、総務課長などを歴任後、98年大阪大学法学研究科教授、01年財務省財務総合政策研究所次長、03年東京税関長、04年プリンストン大学客員研究員・講師・コロンビアロースクール客員研究員、05年財務省財務総合政策研究所長。06年12月財務省退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

抜本的税制改革の必要性
税制改革の新たな潮流―「公平」と「効率」の両立
先進国の税制改革
消費課税の意義
消費課税の3つの類型
少子高齢化の中での日本の抜本的税制改革の視点
歳入・歳出―体改革と税負担増
先進諸国にみる歳出・歳入一体改革

消費税導入の歴史
消費税の基本構造
消費税引上げへの課題を探る
地方と消費税
年金問題と消費税
抜本的税再改革の私案―多様な場で多様な議論を

■引用

 「(3) 法人税率の引下げ、金融所得の分離課税をするドイツ
 ドイツでは、EUの加盟国拡大に伴う旧東欧諸国の低コスト競争から産業の空洞化が激化し、経済停滞につながるとともに、EUの財政ルールを越える財政赤字に悩まされていました。政府部内での長年にわたる議論を経て、メルケル大連立政権のもとで、財政再建を進めつつ経済活性化に向けた一連の税制改革が行われました。
 現行のドイツ税制は、利子や配当は、給与収入などと合算して15%から<0033<42%まで(所得税額に対して5.5%の連帯付加税あり)の総合課税となっています。もっとも配当は、二重課税の調整として、その半額が所得に算入され、事実上、半分の税率で課税されます。また株式譲渡益は、1年以内に譲渡した場合のように投機的売買とみなされる場合(半額が総合課税)以外は非課税となっています。
 2003年11月、経済停滞とそれに伴う財政赤字に危機感をあらわにしたドイツ経済専門家委員会は、勤労所得と金融所得を分離して課税する二元的税制(Dual Income Tax Regime)の提言を行いました。
 「所得を投資所得と勤労所得に分け、前者については低い比例税で、後者は累進税で課税する。前者の税率は30%程度、後者は15%から35%程度まで。法人税は、資本所得課税と包括的に(comprehensive)統合する。営業税(地方税)は、資本所得、勤労所得の税率に上乗せすることにより置き換える。目的は、税制が経済に与えるゆがみの軽減、投資への優遇による経済成長である」。
 この委員会はドイツで最も権威ある機関で、提言に対して政府は何らかの対応をする法律上の義務を負っています。これを受ける形で、2006年11月の連立与党作業部会で、「2009年より、利子・配当・株式譲渡益について、25%の税率で源泉分離課税を導入する」ことが合意されました。
 また、VATの標準税率の16%から19%へ引上げ、所得税最高税率の引上げ(42%から45%へ)が、2007年1月から実行されています。増収分の3分の2は財政再建に、残りの3分の1は社会保険料の引下げに充当されます。そして2008年から、法人税率が現行の25%から15%へ引き下げること、営業税基本税率を5%から3.5%へ引き下げること、この結果法人所得課税(法人税・営業税)の実効税率は、現行の39%から30%へと10%程<0034<度引き下がることになります。財源としては、営業税の損金算入を認めないこと、法人のネットの支払利子の損金算入を制限すること(利子を一部法人段階で課税すること)など課税ベースの拡大による増収措置が採られています。」(森信[2007:33-35])

■言及

◆立岩 真也 編 200908 『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社


UP:20090107 REV:
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