『医療と法を考える――救急車と正義』
樋口 範雄 20071010 有斐閣,236p.
■樋口 範雄 20071010 『医療と法を考える――救急車と正義』,有斐閣,236p. ISBN-10: 4641125236 ISBN-13: 978-4641125230 2310 [amazon] ※ b be ml ts/2008b
■目次
はしがき
序 章 「Why=なぜ」で始まる医事法入門
「医療と法を考える」とは
第1章 医師・患者関係の性格
I 医師・患者関係のとらえ方
II アメリカ法と医師・患者関係
III 契約としての医師・患者関係
第2章 産業医や診査医----雇用や保険加入の場面で
I はじめに
II 誰のための産業医・診査医か
第3章 倫理委員会
I はじめに
II 倫理委員会の意義
III 倫理委員会の構成
IV 2つの倫理委員会と法律家の役割
第4章 医師の資格と処分----医師になるために,医師であるために
I はじめに
II 医師の資格
III 医師への行政処分
第5章 医師の応召(応招)義務・診療義務
I はじめに
II 医師法19条の診療義務----その性格と意義
III 医師の診療義務----他業種との比較
第6章 対面診療から遠隔医療へ----医師法20条
I はじめに
II 医師法20条が適用される具体例
III 医師法20条の趣旨再考
IV 医師法20条が示す現代的課題
第7章 医行為・医業独占と業務の縦割り----医師法17条
I はじめに
II 医業独占の意義
III 医業の分担・業務の縦割り
第8章 医療事故と警察届出・刑事司法----医師法21条
I はじめに
II 医師法21条をめぐる動向
III 医療安全と刑事司法
IV 今後の方向性
第9章 医師の守秘義務と例外
I はじめに
II 法的思考と医師の違和感
III アメリカ・ニュー・ヨーク州での医師の守秘義務と刑事司法
IV 日本の個人情報保護法と刑事司法
第10章 個人情報保護法と医療
I はじめに
II 個人情報保護法の性格
III 戦略なき個人情報保護
第11章 救急車と正義
I はじめに
II トリアージの意義と現在の検討状況
III 119番トリアージ----理論的検討
IV 119番トリアージに対する懸念への実際的対応
補 章 医療の課題と3人の法律家
I はじめに----設例と5つのコメント
II 設例に対する法的アプローチ
III 法の役割・法律家の役割
事項索引
■引用
第3章 倫理委員会 38-52
I はじめに
「富山の事件に関する報道では、ルールが不明確であり、私たちはルールを欲しているという論調が目立った。法制化の動きがあまりに緩慢に過ぎて問題だとするものである。ところが、先のケースブックでは、弁護士<0039<こそ登場するものの、そこから直ちに明確な法的ルールで判断せよという回答になっていない点に注意を要する。むしろ倫理委員会という場で個別の患者について真剣な議論が行われること自体う、倫理的に見て大きな違いと見ているのである。ロー・スクールの教材でありながら、そこには医療の法化を単純によしとしない姿勢が見られる4)。
4)同じ姿勢を示すものとして、清水哲郎「延命治療 『ルール化』より個別性に目を」朝日新聞2006年5月16日夕刊8面。」(樋口[2007:39-40]*)
先のケースブック=Furrow, Greaney, Johnon, Jost & Schwartz 2004 Bioethics: Health Care and Ethics 1, 5th ed., West
■言及
◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表