『長きこの夜』
佐江 衆一 20070925 新潮社,221p.
last update:20101202
■佐江 衆一 20070925 『長きこの夜』,新潮社,221p. ISBN-10:4103090154 ISBN-13: 978-4103090151 \1470 [amazon]/[kinokuniya] ※ a06
■内容
夜中眼覚め脳裏に浮かぶのは、新婚時代のポニーテールの妻と若い自分、毎日オムツを取り替え自宅で見取った97歳の父。
そして自分の葬式の死顔まで見えて…。
老人の無明長夜(「長きこの夜」)。
「赤い珠が出たらもう終わりらしい」―「不能」をめぐる男たちの侃々諤々。
滑稽な会話で描く老年の性(「赤い珠」)。
仕事をリタイアした4人の老年の男たちが始めた料理教室。
その若い女講師を囲む奇妙な華やぎとほろ苦さ(「おにんどん」)。
不気味な老男女は、学童疎開で私に煎餅を「献納」したコモリ姉弟なのか。
(「死者たち」より「ズルズル・バッタン・チェッ」)。
隅田川の橋の上、昭和初期の若き日の父・質屋の小僧信どんは語った。
戦火のなか生き延びた父の描いた夢の真相(「橋の声」)。
『黄落』から十二年、さびしくおかしい老年の一瞬の輝きを円熟の筆で描く七篇。
最新短篇集。
■目次
風の舟
長きこの夜
「わたし、どうしたらいいの?」
赤い珠
おにんどん
死者たち
ゆらゆら小舟
生還
ズルズル・バッタン・チェッ
橋の声
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:永橋 徳馬