『フェミニスト・ポリティクスの新展開――労働・ケア・グローバリゼーション』
足立 眞理子・木村 涼子・熊安 貴美江・伊田 久美子 20070915 明石書店,460p.
■足立 眞理子・木村 涼子・熊安 貴美江・伊田 久美子 20070915 『フェミニスト・ポリティクスの新展開――労働・ケア・グローバリゼーション』,明石書店,460p. ISBN-10:4750325961 ISBN-13:9784750325965 \3800[amazon]/[kinokuniya] ※ f03 w01 c04
■内容
■目次
第一部 講演録(二〇〇二~二〇〇四年)
1 不況と女性 (17)
足立 眞理子
T 問題の所在 (17)
U 一九九〇年代以降の不況における日本経済の構造的要因 (29)
V グローバリゼーションによるサービス雇用体制の進展と雇用中心型貧困 (40)
W まとめ (52)
2 小泉改革は「主婦の構造改革」か (55)
大沢 真理
T 「公正な格差」と「自己責任」 (56)
U 小泉「基本方針」の社会保障改革提言 (57)
V 「持続可能な」年金の意味 (58)
W 格差拡大、不平等化をめぐって (59)
X 日本福祉国家の座標とルート (61)
Y 一九八〇〜一九九〇年代の福祉国家の軌跡 (62)
Z 社会保障改革の「失われた一〇年」 (64)
[ 経済戦略会議提言の座標は? (65)
\ 小泉「基本方針」は「働く女性にやさしい」か? (67)
] 個人モデルと地方分権による共有型のセーフティネットを (67)
3 転換点に立つ男女雇用平等政策――新しい社会システムの構築に向けて (70)
竹中 恵美子
T 今、世界の男女雇用平等政策はどこに向かっているか (70)
U 転換点に立つ新しい政策モデルとは――ケア不在の男性稼ぎ手(家族単位)モデルか ら、ケアつき個人単位モデルへ (77)
V ケアする権利の拡大と「個人単位」化――ヨーロッパの新しい試み (78)
W 今、日本に求められる雇用における男女平等の課題とは (86)
4 ワーク・シェアリングとは何か (92)
久場 嬉子
T ワーク・シェアリングとジェンダー視点 (92)
U 今、なぜワーク・シェアリングか?――文化とワーク・シェアリング (95)
V 地方自治体の実践例――「兵庫型ワーク・シェアリングについての合意=兵庫合意」 について (98)
W もう一つのワーク・シェアリング――コンビネーション・シナリオの意義 (99)
X 日本語ワーク・シェアリングの二つの課題 (106)
5 ケア、愛情、ジェンダー――高齢者介護問題を通して (107)
春日 キスヨ
T はじめに (107)
U 介護は女性に負担の多いジェンダー関与的領域 (108)
V 介護はなぜ女性の役割なのか (114)
W 社会的介護場面で働く力 (119)
X 介護倫理のパラダイム転換と感情労働の深化 (121)
Y おわりに (127)
6 グローバリゼーションと家族の変容 (129)
牟田 和恵
T 男女共同参画社会と家族 (129)
U 家族像の変容と近代の家族 (130)
V 家族の緊密さと脆弱さ (135)
W グローバリゼーションと家族 (140)
X 家族のラディカルな構造変換をめざして (145)
Y まとめ (152)
第二部 論文集
【ケア――制度と現実のはざま】
1 ケアのグローバル化――ケア労働の国際的移転と日本的状況 (159)
足立 眞理子
T フェミニズムによる労働概念の拡張――再生産労働の「発見」 (159)
U グローバリゼーションのなかの国民国家 (162)
V ケア労働の女性間の国際的分業 (167)
W 私たちのいる場所、そして今後 (171)
2 地方自治・NPO・女性 (177)
上野 千鶴子
T 介護保険が女の日常を変えた (177)
U 市民事業体の可能性 (179)
V 官・民・協・私の最適混合 (181)
W 福祉NPOの背景 (185)
X 自治体とNPOのパートナーシップ (189)
Y 当事者主催と自己統治 (194)
3 市民主体の介護保険制度への展望
――介護保険の達成した水準と課題の検証から (198)
大谷 強
T 市民がめざした理念に基づく制度設計 (198)
U 市民生活を支援する適切なサービスを実現するしくみ (204)
V 市民のアクセス拡大と考え方の改革 (208)
W 今後解決が求められる課題 (215)
4 「主婦の仕事」を考える――ケアという労働 (219)
木村 涼子
T はじめに (219)
U 家事労働の経済的価値 (219)
V ケア労働としての主婦労働 (228)
W おわりに (239)
【「雇用労働」の溶解】
5 労働の消去としての雇用多様化――「愛の労働」の新たな展開 (245)
伊田 久美子
T はじめに――雇用の消去、労働の消去 (245)
U 雇用労働の変化――非正規化、請負化、有期雇用化 (250)
V 労働のサービス化とジェンダー (258)
W 労働者の意識における労働の消去 (259)
X 届きにくい声と新しい労働運動の可能性――階層化を超える主婦の倫理 (265)
6 非正規雇用とジェンダー――パートタイムを中心に (271)
三山 雅子
T はじめに (271)
U 雇用形態とジェンダー (272)
V 非正規雇用と正規雇用――労働時間・産業・職業 (277)
W グローバリゼーション・構造改革と非正規雇用の量的質的戦力化 (281)
X 非正規雇用と正規雇用――待遇 (290)
Y 非正規雇用と正規雇用――非正規戦力化と人事処理制度 (292)
Z 非正規戦力化とその帰結――多様な働き方を実現するために (293)
7 雇用と福祉の再編 (299)
藤原 千沙
T はじめに (299)
U 日本のひとり親とワークフェア (301)
V アメリカのひとり親とワークフェア (306)
W 日本におけるワークフェア型政策の問題点 (314)
X おわりに (322)
8 カナダの若い女性ホームレス (324)
シルヴィア・ノヴァック(河上婦志子訳)
T カナダ女性がホームレス化する要因 (324)
U トロントの若手女性ホームレス (326)
V 対策 (331)
9 雇用と失業の間 (336)
足立 眞理子
T グローバリゼーションの最新局面における「雇用」の溶解 (336)
U グローバル資本主義のもとにおける社会政策の転換 (342)
V 雇用と失業の間――抵抗の戦略をめぐって (346)
【フェミニスト・ポリティクスの展開】
10 韓国女性政策の現状と課題 (355)
キム・ソンウク(田端かや訳)
T 韓国女性政策概観 (355)
U 韓国女性問題の現状――ジェンダー統計を中心に (366)
V 最近の韓国の主要女性政策 (371)
W 韓国女性政策の課題
――国家政策のジェンダーの主流化(Gender-Mainstreaming)(377)
11 一九九〇年代以降の韓国女性政策の変化とその背景――生活者の視点から (383)
田端 かや
T はじめに (383)
U 一九九〇年以降の女性政策の変化とその背景 (385)
V 今後の課題 (393)
W おわりに (397)
12 平等化戦略としてのアファーマティブ・アクション (401)
河上 婦志子
T はじめに (401)
U 雇用の平等とアファーマティブ・アクション (402)
V 女性教員のたえの平等化政策 (405)
W 女性校長たちの経験 (409)
X アファーマティブ・アクションの意義と課題 (415)
13 大学におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策の動向から見る
今後の課題と方策――二〇〇一~二〇〇三年度の研究報告より (424)
T はじめに (424)
U 大学におけるセクシュアル・ハラスメント対策調査の概要をふりかえって (426)
V 日本の大学におけるセクシュアル・ハラスメント対策のはじまり (428)
W 大学が行っている対策の現状・課題・方策 (432)
X 北米の対策システムに見る特徴(カナダ二大学) (448)
Y おわりに (450)
あとがき (455)
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:松村 菜摘子