『格差社会の克服――さらば新自由主義』
二宮 厚美 20070801 山吹書店,287p.
■二宮 厚美 20070801 『格差社会の克服――さらば新自由主義』,山吹書店,287p. ISBN-10: 4903295117
ISBN-13: 978-4903295114 2400+税
[amazon]
■内容紹介
格差社会化の問題は、実は不自由の増大、したがって貧困の深刻化でもあるということである。
格差社会化は、近代社会の証である自由・平等の理念にたいして、それとは正反対の不自由(貧困)と不平等(格差)という二つの問題を私たちに同時につきつ
けている。
格差社会容認の格差社会論を斬る。
■著者紹介
二宮厚美[ニノミヤアツミ]
1947年生まれ。神戸大学人間発達環境学研究科教授。経済学、社会環境論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに
第一章 格差社会を抉り出す視点と指針
はじめに――格差社会化症状の出現
1 格差社会シンドロームを診断する視点
2 現代日本の格差社会の二重構造
3 経済的格差と人格的格差の連鎖関係
おわりに――問われる平等と自由の両視点
第二章 現代日本の複合的・連動的な格差社会の構造
はじめに
1 起点としての雇用格差とワーキングプアの増大
2 所得格差から消費・貯蓄格差への展開
3 人格的格差と貧困のなかの自由の侵害
4 格差社会化のなかの能力格差と貧困問題
おわりに
第三章 格差社会化の背景と格差容認のイデオロギー
はじめに
1 グローバル化を背景にした現代日本の新自由主義レジーム
2 新自由主義レジームのなかの格差社会化
3 格差社会化に対する新自由主義的イデオロギーの構図
4 現代日本の格差容認・免罪論の系譜
5 新自由主義に免罪符を与える「構造改革免罪論」
おわりに――新自由主義的格差弁護論のなれの果て
第四章 羊頭狗肉のキャッチコピー「希望格差社会」論批判
はじめに――キャッチコピーとしての希望格差
1 山田製コピー「希望格差」の意味
2 限りなく新自由主義に接近する希望格差論
3 新希望社会の名の市場機構への統合策
おわりに
第五章 現代日本の格差社会論の諸潮流
はじめに
1 新自由主義的格差社会化への対決視点
2 格差固定化に絞った「不平等社会日本」説
3 能力格差容認の折衷論的格差社会論
4 情報資本主義化を背景にした能力主義的格差容認論
5 「階級社会」の出現としての格差社会化論
おわりに
あとがき
*作成:橋口昌治