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『ハンセン病とともに 心の壁を超える』

熊本日日新聞社 編 20070830 岩波書店,188p.

last update:20150310

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■熊本日日新聞社 編 20070830 『ハンセン病とともに 心の壁を超える』,岩波書店,188p. ISBN-10:400024440X 1800+ [amazon][kinokuniya] ※ lep. r06. sm

■内容

(本書「あとがき」より)
予防法廃止から10年,地裁判決から5年.ハンセン病に対する市民の理解は広まったようにも見える.しかし,宿泊拒否事件で露呈したように,ハンセン病に対する差別は,心の奥深くまで根を下ろしているのではないだろうか.それにも増して,また無関心という心の覆いが,ハンセン病問題を見えなくしてはいないだろうか.

(...)療養所を退所して社会で新しい生活を始めた元患者の人たちや家族の「生きなおし」の姿を追った.ハンセン病問題に真正面から向き合い,交流を深める高校生や市民,研究者の目線を通して,「隣人として」の関係を問い直した.中国やインドネシアなど海外で孤立する患者や元患者たちを支援し,国境や世代を超えて絆を「つなぐ」人たちの熱い思いに触れた.高齢化する入所者,療養所の将来構想など課題は山積している.ハンセン病を自らの問題として受けとめ,少数者の人権を決して踏みにじることのない社会をつくっていく「道すじ」を,各界の人と一緒に考えた.「ハンセン病とともに」と題して,2006年1月から07年2月まで連載を続けた.

「90年もの隔離の歴史でつくられ差別や偏見は,簡単になくなりはしない.一掃するまでには90年かかる,それくらいの覚悟が要ります」.これも入所者から聞かされた言葉だ.ひとまず連載には休止符を打ったが,まだまだ息の長い取り組みが必要だと痛感している.

内容(「BOOK」データベースより)
理不尽な隔離政策によってハンセン病患者の生きる権利を踏みにじってきた「らい予防法」廃止から一〇年、そして熊本地裁での劇的な国賠訴訟勝訴から五年の月日が過ぎた。ハンセン病問題はともすれば解決済み、と思われているかもしれない。しかし果たして社会は変わったのだろうか。ホテル宿泊拒否事件に見るように、長い年月の間に刷り込まれた偏見と差別は、いまだに根深い。また、無関心という心の覆いが、この問題と正面から向き合うことを妨げてはいないだろうか。そうした中、希望をもって「生きなおし」の道をさぐる回復者たちと、彼らに寄り添う隣人・若者たち、そして海外の患者や回復者を支援し、共に生きる絆を求める人々の姿を丹念に追う。国内最大の療養所・菊池恵楓園を中心に、現地ならではの血の通った取材をもとに綴られた感動の記録。

■目次

序章 宿泊拒否事件
第1章 生きなおし(本名;社会復帰 ほか)
第2章 隣人として(若者たち;人権指導員 ほか)
第3章 つなぐ(回復者村;流行国 ほか)
終章 道すじ(社会は変わったか;医学者の責任を問う ほか)

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:竹川 慎吾
UP: 20110512 REV: 20150310
ハンセン病 患者の権利  ◇医療社会学  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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